皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケと申します。
僕は、2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、その後は日本最北端の地で牛の獣医をやっております。
獣医師として働きながら、こうやって獣医師を目指す人や、現在獣医学科の学生などに向けて様々な情報を発信しております。
さてさて前回から、私立の獣医学科それぞれのメリットについてご紹介しています。





皆さんが獣医学科を受験する際に、迷ってしまうのが私立の獣医学科の受験プランでしょう。
そしてその後で複数合格を貰った人ならばどこに進学するかも迷うと思います。
だから実際に卒業した僕が、各大学のメリットや強みについて紹介したらいいじゃんってことに気が付いたんです(笑)
そしてそれを皆さんの進路選択のお役に立ててもらおうと!
ちなみに私立の獣医学科の徹底比較編はこちらからどうぞ!
この記事では、いくつかの基準を用い、それに関して私立の獣医学科を徹底比較していますので、良ければ合わせて読んでみてくださいな(‘ω’)

そして最終回となる今回は、”岡山理科大学獣医学科のメリット編”です!
6校目の私立獣医学科が新設され、数年が経ちましたが、まだまだ知られていないことも多いのが岡山理科大学の獣医学科なのではないでしょうか?
獣医学科というのは、良くも悪くもどの大学も似たような点が多くあります。
そのことにより、大学間での教育レベルに大きな差が生まれることはなく、国家試験合格率も一様に高い数字を残すことが出来ます。
ですが、この岡山理科大学に関しては、これまでの獣医学科の風習とは一風変わった制度を導入していたり、より時代に合わせた教育をおこなっています。
それらについて知っていただけたら嬉しいです!!
ではいきましょう!
ちなみに岡山理科大学の受験情報については、以下の記事を参照してみてください!

Contents
岡山理科大学獣医学科のメリット!
①他の大学にはない充実したカリキュラム!
これまで獣医学科のカリキュラムというのは、どの大学も似たり寄ったりでした。
それは座学でもそうでしたし、実習もそうでした。
そのことによってどの大学に入っても、教育レベルに大きな差が生まれることはないため、卒業後に差がつくことがないというメリットがあります。
確かに敷地の大きさや設備の充実度、農場があるかどうかといった違いはあるので、大動物分野に強い大学と小動物分野に強い大学は存在します。
それでも基本は同じです。
ですが岡山理科大学は明確に他の大学にはないカリキュラムを取り入れています!
それはこれまでどの大学でも行われていない内容です。
1~4年生までは、そこまで大きく変わることはないのですが、5年次から始まる”アドバンスト科目”というものが他の大学とは一風変わっているのです。
ここでは自分の進みたい道に応じて、学びたい分野を選択することが出来ます。
例えば、創薬科学や再生医療の分野、エキゾチックアニマル、国際獣医事概論・国際動物関連法規・国際動物疾病学・国際野生動物管理学などなど…
正直僕には想像もつかない分野もあります(笑)
でもこういったより多様的な学びを得られる場を作ることで、より自分の進路について真剣に考えるきっかけになりますし、就職活動でも活かすことが出来るでしょう。
いままでの教育では、小動物分野・大動物分野・公務員の分野など大きな枠でしか分けられていませんでした。
マニアックな分野などはどうしても独学で学ぶしかありませんでした。
もしくは就職後に学ぶことがほとんどです。(エキゾチックアニマルなどは典型的な例)
しかし岡山理科大学は、専任教員が73人もおり、これは他の大学とは比べ物にならないくらい多いです。(私立でさえ40~50人)
このことにより、さらに多くのニーズに応えることが可能なのです。
これは僕が感じていることなのですが、これまでよりも獣医師の仕事の幅は増えてきており、新しい分野を開拓する人が増えています。
そんな時代背景に合わせた教育を取り入れているのが岡山理科大学なのです!!
僕も調べているうちに、「こんな科目もあるのか!(笑)受けてみたいな。」って思うくらいには充実しています。
これは岡山理科大学の大きなアドバンテージですね!
②1つの研究室に縛られることなく、多様な学びを得られる!
これは普段の授業(実習や授業)に加えて、更に自分が極めたい分野を、”研究室”というものに所属して研究していくものです。
例えば、最初の数年間で微生物(細菌やウイルス)に興味が出てきた人は”微生物学研究室”に、寄生虫に興味がある人は”寄生虫学研究室”に、臨床分野に興味が出た人は”内科学や外科学”の研究室に所属します。
他にも研究室はたくさんあり、大半の学生はどこかの研究室に所属し、卒業までその分野を極めます。
論文を読んだり、実験をしたりしながら卒論を書き、それは就活や就職後にも役立ちます。
僕は鳥インフルエンザと消毒剤の研究をしていましたが、それは現在の仕事でも役立ってくれています。
そして岡山理科大学を除くすべての大学で、基本的には卒業まで同じ研究室に所属します。
たとえ興味関心が移ろい、他の分野の研究室に行きたくても叶いづらいのが現状です。
ですが岡山理科大学に関してはそういうルールがないので、自分の興味関心の赴くままに色々な分野を研究することが出来ます。
ぶっちゃけた話、大学3年よか4年生になるときに、自分がどの分野を極めたいかなんて決まっているほうがレアなんですよね。
だからなんとなくで決める人が多いんです。
でも途中で変えることが難しいのが現状なんです。
自分の将来に真剣に考えだすのは、5年生くらいになってからです。
そのときに自分の進みたい分野と、現在の研究内容が全く関連性がなかったら、モチベーション上がらないですよね?
でも岡山理科大学に関しては、そこで多様的な分野を極めることが出来るので、より学生の将来に寄り添っている教育システムと言えます。
新しくできた獣医学科だからこそ、「こんな風だったらいいのになあ」っていう部分を改善してくれています。
③CBTやOSCE、国家試験対策が他の大学よりも充実している
以下に岡山理科大学のHPに記載されているカリキュラムの紹介を載せておきます。
4年次の秋学期にて実施する獣医学共用試験では、5年次の「総合参加型臨床実習」に不可欠な獣医学的知識の総合理解の評価(CBT)と、動物の飼主(クライアント)とのコミュニケーションスキルの評価(OSCE)を行います。
その対策のため「総合獣医学演習Ⅰ」「獣医療面接実習」を設け、獣医学教育モデル・コア・カリキュラムに定められた学修の定着をはかります。
OSCE対策とCBT対策の補習(非正課教育)
それぞれ30時間程度の講義・演習を予定し、専任教員が担当します。分野別にカリキュラムを組んで実施します。
国家試験対策の補習(非正課教育)
120時間程度の補習を行います。分野別にカリキュラムを組み、専任教員が担当します。
まあ受験生の皆さんは、あまりピンとこないかもしれませんが、この授業数の充実さは他の大学の比じゃないんです!
ここまでCBTやOSCE、国家試験の対策をしてくれる大学はありません。
僕がいた麻布大学を例にとってみましょう。
例えばOSCE対策は、同じくらいの対策があったような記憶があります。まあ外科実習を兼ねてのものだったので、OSCEに特化していたかは謎ですが…
ですが、CBT対策は皆無でした!
「こんな感じで出題されるから、皆ちゃんと勉強しといてね~」
って感じで(笑)
まあたしかに僕の時代は合格者が圧倒的に多く、まだまだこれからというときだったので、これでもなんとかなりました。
99%以上は合格する試験でしたので。
でもぶっちゃけかなり不安で、本当にちゃんと受かるのか、対策はこれで十分なのかは分かりませんでした。
それにこれからの時代は、もっとCBTやOSCEの合格基準が厳しくなり、誰でもイージーに合格という訳にはいかなくなるかもしれません。
そんな時にこれくらい対策をしてくれるのは、本当にありがたいです!

国家試験の対策授業もありましたが、120時間には遠く及びません。やはりこの岡山理科大学の数字は驚異的だと言えるでしょう。
まあというのも、実は獣医師業界では、
・岡山理科大学の学生は、国試やCBTに対応できる力が本当についているのか?
・一期生が国試を受けるときに、合格者を絞るんじゃないか?その時に合格率が岡山理科大学だけ著しく低いんじゃないか?
・獣医師としてやっていけるの?
といったネガティブな印象があることも事実です。
だからこそ、大学側は他のどの大学よりも徹底的に対策を講じているのだと思います。
学生の質は実際は変わらないはずですが、それくらい徹底的に対策をすることで、より確実に力を付けてもらおうというコンセプトがあるのです。
まあ背景はともかくとして、ここまで丁寧に対策をしてくれる大学は他にはありませんので、これも大きなメリットであると僕は思います!!
④受験方式が多様である!
詳しくはこの記事を参照してもらいたいのですが、

岡山理科大学の受験方式の多様さは、圧倒的です。
一般試験だけでも、最大で5回のチャンスがあり、共通テスト利用方式を合わせると、最大で8回ものチャンスがあることになります。
現在は学生を多く集めたいという思惑があるので、多めに合格者を出しています。それも相まってチャンスがたくさんあるということです!!
正直、獣医師になってしまえばもう大学なんて関係ないのが獣医師業界ですので、これをうまく活用して獣医学科に入るのが良いと思います!

もしかしたらこんなにチャンスがあるのは、のこり数年くらいなのかもと個人的には思います。
一期生が獣医師として働くようになって、岡山理科大学も私立獣医学科として認められるようになれば、学生を多めに取る必要がなくなってくるからです。
受験生にとってはある意味今が一番のチャンスであると言えます!
僕が受験生でも岡山理科大学は絶対に受験します!!
是非皆さんもスケジュールに組み込んでいきましょう!
⑤すべての設備が最新鋭!
岡山理科大学獣医学科が出来たのが2018年です。
つまり建物も設備もすべてそのときに完成したことになります。
当然建物は新しく、施設もきれいで、設備も最新鋭のものが揃っているということです。
以前の記事で、日本大学の設備が素晴らしいという話をしましたが、岡山理科大学も負けていない、というか私立獣医学科で一番なのではないかとさえ思います。
古ぼけた施設や設備では学びのモチベーションというのは一気に落ちます(笑)
麻布大学では比較的古い建物も多かったため、余計にそう感じたのかもしれません。
授業のカリキュラムの充実さに加え、設備が整っているので、学生が学べることは本当にたくさんあるのだと想像できます。
今はまだ一期生が4年生なので、あと数年は分かりませんが、岡山理科大学の卒業生は「こんな素晴らしい環境で学んできたのか!」ってみんなが驚くときがくるでしょう。
あ~羨ましい!(笑)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
6回にわたって紹介をしてきた私立獣医学科のメリット編も最後となりました。
正直岡山理科大学に関しては、まだまだ分からないことも多く、実際に学生がどのような日々を送っているのかが知られていないように感じます。
ですが、実際に話を聞いたり調べたりしていると、他の大学にはない多くことを取り入れており、さらにカリキュラムもかなり充実していることが分かります。
例えば、獣医学科での節目の試験である、CBTやOSCE・国家試験の対策が、やはり他の大学の比ではありません。
また、授業の中身も、これまではどの大学でも行われていなかった内容を取りいれ、より幅広い分野の授業を行っています。
学生の視野もより広がることでしょう。
また個人的に面白いと感じたのが、1つの研究室に縛られないというスタイルです。
これにより、さらに多くの分野を深めることが出来ます。
「こんなのがあれば嬉しいなあ~」ってのがたくさん盛り込まれているということを感じ、羨望の思いを感じずにはいられません。
建物も設備も新しいし、僕がいつか訪れたときにはカルチャーショックを受けちゃうんじゃないかって心配です(笑)
私立獣医学科で、一番学生に寄り添った教育を取り入れているのが岡山理科大学だと感じました。
こんなワクワクする大学をぜひ受験してください!
チャンスもたくさんありますので!!!
では!


