皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケです。僕は2014年に一浪の末麻布大学の獣医学科に合格しました。
その後6年間の学生生活を経て、現在は日本最北端の地で牛の獣医師をやっています。
そんな僕ですが、獣医師を志したのは高校2年生の時でした。
なんとなくカッコいいからという理由だけで目指したのですが、当時は獣医師がどんな仕事をしているのか、どうやったらなれるのか、受験の大変さなど、そういったことを全く知りませんでした(笑)
そして当時はあまり情報がなかったので、それを知ることも難しかったです。
なので、僕自身が経験してきた多くのことを皆さんにシェアしようと思い、このブログを続けています。
是非いろいろ読んでみてください!
そして今回は”獣医師の仕事内容”についてになります!
僕自身色々と記事を書いてきましたが、これについてまとめた記事がなかったです。
でも獣医師の仕事って、本当に多岐にわたるので、知らない人のほうがほとんどですよね。
なので今回は、獣医師免許を手に入れた人、つまり獣医師の仕事にはどんなものがあるのかを解説していきますね!
ざっくりとした説明になるので、詳しく知りたい人は別な記事でまとめているので参考にしてみてください!
今回の記事の内容!
・獣医師の仕事はどんなのがあるのか
・獣医師免許以外に必要な資格はあるのか
・どうすれば獣医師になれるの?
こういったことについて書いていこうかなって思います。
獣医師と一口に言ってもその仕事は多岐にわたり、色々な分野で活躍しています。
獣医師になった現在でさえ、こんな仕事があったんだと発見があるくらいです(笑)
まあ大学に合格して獣医学科に入れば、多くのことを学び、仕事についても理解は深まっていくのですが、先に知っておきましょう!
ではれっつごー!!
Contents
獣医師の仕事内容とは??
①ペット(犬や猫など)の獣医師
恐らく多くの人にとってなじみ深い獣医さんが、このペットの獣医さんだと思います。
獣医と聞いたときに真っ先に思い浮かべると思います。
僕たちの世界では、”小動物獣医師”という風に言うことが多いです。
この小動物獣医師は、いわゆるペットとなるような動物を診療します。
皆さんが飼っているペットの調子が悪い時に、動物病院に連れていきますよね。
その時に治療をしてくれる獣医さんです。
メインで診療するのは、犬と猫です。大学でも犬と猫についてメインに勉強します。
それ以外の動物については、大学では授業内で学ぶことはあまりないので、在学中や就職後に独学で学ぶ必要があります。
病院によっては、亀やヘビなどのいわゆるエキゾチックアニマルを診療したり、鳥を診療するところもありますが、一般的には犬や猫を診療する人がほとんどです。
またこの小動物獣医師が、獣医学生の中でも一番人気で、卒業生の3~4割くらいはこの道に進みます。
皆犬や猫が大好きで、将来ペットを治せるようになりたい!という夢をもって入ってくるため、この道を選ぶ人が多いんですね。
町中の動物病院に勤める人、大学の病院に勤める人、ペットショップの獣医師として働く人など様々ですが、診療する対象は大体同じですね。
そして多くの人が数年の修行の後に、病院の院長に昇進したり、自分の動物病院を開業したり、他の病院の跡取りになったりして、自立していきます。
しかし、現在都市部では、動物病院が増加し、それに伴い小動物獣医師が増えているため、競争は激化しています。
昔のように誰しもが開業しても受けられるという時代ではなくなりつつあり、小動物獣医師業界は大変な時代になっています。
しかしその一方で地方での小動物獣医師の数はむしろ減少しているので、偏在化が進んでいるということが分かります。
なので、地方ではむしろチャンスが拡大しているという見方もできますね。
牛や馬、豚など家畜の獣医師
先ほどのペットとして飼われている動物とは異なり、利益を生み出すために飼われている動物を診療する獣医さんもいます。
”産業動物獣医師”や”大動物獣医師”という風に僕たちの世界では呼んでいます。
主に治療する相手は、牛・馬・豚です。
ニワトリについても学校では習うのですが、基本的に治療はしないことが多いので、ここでは牛・馬・豚の獣医師について紹介していきますね。
この道に進む人の多くが勤めることになるのが、”NOSAI”という組織です。
このNOSAIというのは、農業共済組合の略称であり、産業動物の保険としての役割を担っています。
僕たちNOSAI獣医師は、加入した農家さんの飼っている動物が病気になったときに治療しに行きます。
NOSAIは全国にあるため、自分が希望する地域で仕事をすることが出来ます。
地域によっては馬が多かったり、牛が多かったり、豚も診療する地域もあるため、自分が診療したい動物によっても就職先を決めることが出来ます。
利益を生み出す動物のため、治療費に見合う効果があるのかという問題が常につきまとい、必ずしも積極的に治療するわけではありません。
しかし年々技術や知識がアップデートされているため、この分野はどんどん面白くなっています。
特に北海道では、最先端の獣医療を身に着けることが出来るので、人気となっています。
またNOSAIに勤めるだけではなく、自分で開業する人もたくさんいます。
動物病院のように、全国どこでも開業できるわけではありませんが、小動物獣医師に比べて開業したときに繁盛する可能性は高いように思います。
大変さはかなり増しますが、やりがいはとても高いですね。
またJRAで競走馬の獣医さんをやる人もいます。とても倍率が高く、選ばれた人しかなることは出来ませんが、とても重要でカッコいい仕事です。
また給料も良いので、馬の獣医を目指す人にとって憧れの職業です。
馬の獣医師で言うと、JRA以外にもいくつか会社があり、そこで診察を行っています。
そのほかには牧場などで獣医師として働いたり、企業などで産業動物の飼料だったり、飼養方法などについてアドバイスを行う仕事もあったりします。
とはいえ多くの人は最初はNOSAIという団体に就職して、産業動物の診療について経験を深めます。
そこから、別な企業や団体に転職したり、開業したり、コンサルタント業務、飼料会社などにステップアップしていきます。
僕自身も現在は、北海道のNOSAIで牛の獣医師をやっています。
大変ではありますが、とても充実していますし、給料も結構いいんですよね(笑)
NOSAIについて詳しく知りたい人はこちらの記事を参照してみてください!


公務員獣医師
この職域は、基本的に動物を診療するという行為はしません。
なので、この分野に進みたいと考えている人は、動物を診療することで人々の生活を支えるというより、人の生活を直接支える面が強いです。
公務員獣医師とひとくちに言っても、大きく分けて国家公務員と地方公務員に分かれています。
国家公務員に関しては、獣医学科を卒業した人の進路として、”厚生労働省”もしくは、”農林水産省”があります。
そしてその中にも獣医師免許を使うかどうかで仕事内容は分かれていきます。
獣医師免許を使う分野では、主に空港などの検疫所において、海外から病原体が持ち込まれないか、危険なものが持ちこまれないか、などをチェックする仕事になります。
またその際、犬を使って検疫を行うので、その管理だったり、その犬が狂犬病を持っていないかなどの管理も同時に行います。
獣医師免許を使わない分野では、農林水産省に入り、農業科学という方面に進む人が多いそうです。
そこでは、農業科学というくらいですから、畜産関係だったり、その他農業、時には感染症関係の部署に配属なることもあります。
例えば畜産系でも、乳牛のこと、肉牛のこと、豚や鶏だったりと様々な分野があります。主な仕事内容としては、生産現場でより良い環境で働けるように、制度やお金面を改革していきます。
また感染症の分野では、鳥インフルエンザなどの疾病が流行した際の対処や、防疫なども行っています。
まあ要するに日本の農業を守るトップの仕事って感じですね!
国家公務員については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、よろしければ参照してみてください!

実際に国家公務員の獣医師として働いている友達から、就活や試験、仕事や給料のことまで聞きまくってきたので、きっとお役に立つはずです。
そしてもう一つが地方公務員です。
こちらは各都道府県で採用され、そこで働きます。
地方公務員の仕事は多岐にわたり、僕自身把握しきれていないくらいです(笑)
例えば代表的なもので言えば、家畜保健所の獣医師です。
ここでは、その地域で飼われている家畜において重要な疫病が発生していないか検査したり、病気の診断を依頼されて行ったりします。
高度な知識が必要であり、NOSAI獣医師と密接に関わりがあるため、なくてはならない仕事です。
重要な疾病が発生しないように農家さんにアドバイスをしたり、依頼された検査を行い診断したり、とても重要な位置づけになっています。
そのほかには、食肉検査員として僕たちが普段食べているお肉の検査を行ったりもします。
牛肉・豚肉・鶏肉それぞれ見るべきポイントが異なり、またそれを一瞬のスピードでこなさなくてはならないので、とても大変です。
僕たちの生活と直接かかわってくる仕事なので、とても重要な仕事であると言えます。
他には、飲食店などに出向いて、そのお店がきちんと衛生基準を満たしているかどうかをチェックしたり、工場などで衛生基準が満たされているかどうかをチェックしたりする仕事もあります。
このほかにもたくさん仕事があるのですが、基本的に動物を治療することはありません。なので動物と触れ合う機会は少ないです。
それでも、毎年全体の2~3割は公務員獣医師として就職します。それくらい人気の分野であるのです。
また公務員獣医師は、基本的に仕事とプライベートのバランスがとりやすく、自分の時間をしっかり持つことが出来ます。
そのため、特に現代の働き方に合っていると言えますね!
地元で就職する人も多く、人気の職業です。
同じ地方勤務でも、NOSAI獣医師とどの辺が違うのかについて以下の記事でまとめてみたので、よろしければ合わせて参照してみてください!

製薬会社など、企業に勤める獣医師
獣医学科を卒業する人の1割強は、製薬会社などの企業に就職する人もいます。
新薬を開発するときや、薬の効果を確かめるときに動物実験は不可欠です。その時に獣医師がその監督をします。
新しい薬が人や動物のもとへと渡るまでにも獣医師はとても重要な役割を果たしているわけです。
またその薬の販売も行ったりします。
他にもペットフードの開発を行う会社も存在します。有名な会社で言うとロイヤルカナンですかね。
ここにも獣医師は働いていて、動物のプロであるからこそ仕事で重要な役割を果たしています。
また大動物獣医師である僕に直接かかわりがある企業獣医師で言うと、家畜の飼料会社の獣医師ですね。
家畜はとにかく餌が命ですから、その栄養成分のバランスや嗜好性などとにかく重要なことだらけです。
そういったことの開発や販売にも獣医師は重要な役割を果たしています。
なんといっても企業の獣医師のメリットは都心で働くことが出来ること、そして給料がどんどん上がっていくということですね。
僕の同期にも企業に進んだ友達がいますが、やっている仕事内容がとても幅広く、エリートサラリーマンって感じです(笑)
給料もうなぎ上りのようで、羨ましい限りです。
こちらの職域は動物の診療はほとんど行いませんが、人によっては大学の教授への道へ進む人もいます。
とにかく知識が幅広く、憧れている人も多いです。
ちょっとレアなお仕事!憧れの職業たち!
ここで紹介するのは、憧れている人も多いけどなれる人が限られている仕事です。
まずは動物園の獣医さんです。
動物園にいる動物たちを日々診療している獣医さんですね。
憧れている人も多いんじゃないでしょうか。でもこの仕事に就けるのは限られた人です。
まず求人が少なく、そこに多くの人が殺到するため、なかなかなれません。また多くの動物種を診療しなくてはならないので、誰でもできるというわけではありません。
大学に来る求人でも、動物病院関係はたくさんありますが、動物園の獣医師を募集している求人はほとんど見かけません。
同じような職業で水族館の獣医師も同じようにレアな仕事です。
むしろ動物園にいるような動物よりも専門的な知識が要求されるため、かなり大変な仕事であると言えるでしょう。
大学内ではほとんど勉強しない動物たちなので、ぶっちゃけ僕はどんな風に治療したり、診療するのか見当もつきません(笑)
それでもやはりカッコいいですよね。
少数ではありますが、やはりなれる人は存在するので、もし本気で目指す人は教授や先生などのコネをフル活用して、自分からチャンスを手に入れることが大切です!
他にも、獣医師免許を直接使わなくとも、獣医師国家試験の予備校の講師をやっている人もいますし、獣医学科専門の予備校で働く人もいます。
正直言って獣医学科は憧れる人は多くとも、実際になれる人は限られてきます。
だから獣医師免許を持っているだけでかなりのアドバンテージになります。
直接獣医師という仕事をしなくとも、獣医師免許を使って違う形で働く人も多いのです。
どの仕事に就くのも、獣医師免許1つでいい!
これまで色んな仕事を紹介してきましたが、驚くべきなのはこれらの仕事すべて”獣医師免許”1つあればできるということです(笑)
世の中にはいろんな仕事がありますが、これほど職域の幅が広い免許は他にないんじゃないかなって思います。
動物と一口に言っても、その種類はとても多様です。だから仕事の幅もとても広くなります。
そしてその動物たちと関わる人間の利益にもつながる仕事の多くも獣医師が担っています。
ここで紹介したこと仕事はほんの一部であり、もはや人間以外の動物や生き物に関して言えば、獣医師が何らかの形でかかわることになります。
例えば魚の獣医師だっていますし、ヘビや亀などのいわゆるエキゾチックアニマルの獣医師、果ては寄生虫を研究する仕事をする獣医師だっています。
こんなに広い世界が存在しているなんてとってもワクワクしませんか?(笑)
別に獣医師になるのに、犬や猫が大好きである必要なんてないんです。この免許の汎用性の高さがすでに大きな魅力なんです。
これは大学に入って実際に勉強した人にしか分からない世界です。
きっとあなたが想像している10倍もの広さの世界が広がっています。
そしてその獣医師には毎年1000人しかなれない。こんなレアで広くてワクワクする仕事が他に存在するでしょうか??
絶対ありません!!!(笑)
だからもしあなたが少しでも獣医師になりたい、憧れがあるのなら絶対目指すべきです。思っている何倍も楽しい世界です!
また現在はこれまでの獣医師の仕事とは異なる、新たな分野の開拓も進んでいます。より獣医師の枠を超えて、さらに範囲を広げていこうとする人も増えています。
その可能性は正直無限大です。
僕が思うに獣医師業界は今後どんどん発展していくと思います。
というか発展していくに決まっています!!!
さあその世界に入っていくために、まずはこのブログを通して獣医師になるための道を勉強してみませんか??
獣医学科に合格するのはちょっと大変かもしれませんが、実は情報が少ないだけでそこまで超難関というわけではないんですよ!
まずは獣医師になるための道から確認してみてください!

今これを読んでいるあなたが何歳であるかは分かりませんが、獣医学科に合格するためにはとにかく獣医学科を知ることです!
そして適切な対策を取ることです!!
以下の記事では浪人生向けのタイトルにはなっていますが、獣医学科合格に大切な10個のことを記しておきました。
よろしければ参考にしてみてください!

では!!!