皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケと申します。
僕は、2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、その後は日本最北端の地で牛の獣医をやっております。
獣医師として働きながら、こうやって獣医師を目指す人や、現在獣医学科の学生などに向けて様々な情報を発信しております。
さてさて前回から、私立の獣医学科それぞれのメリットについてご紹介しています。

というのも、私立の獣医学科って、違いが良くわからなかったり、入ってからのことなんて余計に知る機会ないじゃないですか?
だから実際に卒業した僕が、各大学のメリットや強みについて紹介したらいいじゃんってことに気が付いたんです(笑)
ちなみに私立の獣医学科の徹底比較編はこちらからどうぞ!

そして今回は麻布大学獣医学科のメリット編です!
麻布大学は僕の母校でもあるので、多少なりとも気合が入っています(笑)
ではいきましょう!
Contents
麻布大学獣医学科の特徴とメリット!
①学生の幅がとても広い!(年齢・性格・出身地など)
前回の日本獣医生命科学大学編で紹介したのですが、日獣は1学年が100人前後と少ないです。
そのことにより、少数精鋭でより実習に参加できるというメリットがあると紹介しました。
ですがその反面、学生のバラエティーという意味では、劣ってしまうのが現実です。
また日獣は社会人枠を設けてはいるのですが、合格者はほとんどおらず、どうしても年齢層という意味では狭くなりがちです。
その一方で麻布大学は1学年が140~150人くらいおり、また社会人枠での採用も積極的に行っているため、年齢層がとても広いという特徴があります。
20代~40代までの学生が在籍しており、中でも30代40代の学生の数が他の大学よりも多いような印象があります。

実際麻布大学では、学年の1~2割が20代後半から40歳前後で入学してきた人たちです。
卒業時に30代前後~40代前後の人は、20人くらいいます。
このことによるメリットは大きく2つあると思っていて、
①獣医学科に再挑戦したい人にとって、チャンスや環境が整っている
②普通の学生にとって、普段接点のない年齢層の人とも付き合いが持てる
ということです。
まず①についてですが、これはそのままの意味で、獣医学科に再挑戦したい人にとって大きなメリットだということです。
もし日獣のように、社会人枠がほぼ無いような状況だと、現役生や浪人生などのバリバリ受験中の学生を相手に競わねばなりません。
一度大学受験を経験したとはいえ、やはり受験勉強から遠ざかってしまった人が、再度大学受験の勉強をするのはかなり大変です。
しかもライバルとなる相手はそういった学生なので、分が悪いです。
僕だって今からもう一回受験勉強をイチからやって獣医学科に合格しろって言われたら、自信ないですもん(笑)
だからこそ麻布大学のように社会人枠をしっかり設けてくれて、先駆者が多数いると、そういった再挑戦組の人にとってはチャンスなのです。
ライバルも同じ境遇の人たちばかりなので、精神的にも楽でしょう。
また②についてなのですが、そういった再挑戦してきた人と接点が持てるのは、本当にメリットでしかないです!(笑)
一緒に飲みに行っても遊んでも、数倍楽しくなりますし、安心感もあるし、それに面白い話もたくさん聞けます。
それにそういった繋がりを持てると、学年が上がった時、国試のとき、果ては就職後も色々と助けてもらえます。
僕は、30代後半の人ととても仲良くなりましたが、同い年とばっかり付き合っているよりも、得られるものは数倍あると実感しました!
歳が近い人とばっかり付き合うより、はるかに得られることが多いのがメリットですね!
そしてそのチャンスが沢山あるのが麻布大学の大きなアドバンテージであると僕は感じました!
②小動物分野と大動物分野をオールマイティに学ぶことが出来る
前回紹介した日本獣医生命科学大学のメリットとして、小動物分野に特化しているため、その方面に進みたい人にとっては得られることが多いということを述べました。
ですがその反面、どうしても牛や馬を飼育できないため、大動物分野に弱いというデメリットもあるということでもあるんです。
ですが麻布大学は、牛や馬も学内にたくさん飼育されているため、大動物分野についても多くを学び経験することが出来るんです。
相模原というそれなりに都会にキャンパスがあるのですが、衛生的にかつ臭いの出ないように工夫がされているため可能となっています。
やはり将来大動物分野に進みたい人にとっては、牛を間近で見て触って、実践的な実習を積んだ上で就職したいという思いがあるでしょう。
麻布大学ならば、そういった実習も数多くあるため、意外と大動物分野についても実践的な学びを得ることが出来るんですよ!
もちろん小動物分野も充実しているため、オールマイティに多くの分野を学ぶことができ、将来の進路を決めるうえでの参考にできるんです。
5年生では、患畜の牛を班で1頭与えられ、普段の飼育に、病気の診断から治療、その経過を観察しプレゼンテーションにまとめるという1連の流れを実習で行います。
これがかなり大きな経験となるため、意外とそこで大動物分野に進みたいと考えるようになる人もいます。
③研究室の数がとても多く、好きな分野を突き詰めることが出来る
麻布大学は学生数が多いだけでなく、研究室の数も圧倒的に多いです。
という方のために、研究室について軽く説明をしておきますね。
研究室というのは、普段の勉強に加えて、自分が興味を持つ分野を突き詰めて勉強するためのものです。
学年が上がると、学生は好きな研究室に所属し、その研究室で専攻している分野の論文を読み、独自に実験を行いながら深く学んでいきます。
その研究室の数が麻布大学はとても多いのです。
つまり自分の興味のある分野が見つかる可能性が高いってことでもあります。
例えば、内科学の研究室だけでも2つあり、外科も2つあります。他にも細菌やウイルス、生理学や生化学、寄生虫学や薬理学の研究室だってあります。
1つの分野に複数の研究室が存在することもあるため、その学問の中でさらに自分が興味のある分野を専攻できます。
僕は鳥インフルエンザと消毒剤の研究を行っていましたが、そこで学んだことは、就職後の現在でも役立っているんです。
そしてそれは自分の強みとなり、自分の存在をさらに貴重なものとしてくれます。
しかも麻布大学は3年生で研究室に所属するため、4年間もその分野について学ぶことになります。
もはやその道の専門家予備群くらいにはなれちゃいます。論文も読み、実験もたくさんするので、強みを増やすことが出来るんです。
選択肢がたくさんあるのも麻布大学の大きな魅力ですね!
④家賃相場が安く、一人暮らしが始めやすい
前回の記事で、日本獣医生命科学大学は武蔵境という場所にキャンパスがあるため、利便性が高く都心部へのアクセスが良いということを紹介しました。
ですがその半面で家賃相場が高く、一人暮らしするための費用がどうしてもかさんでしまうというデメリットもあるのです。
その一方で麻布大学のある相模原は、利便性が高いにもかかわらず家賃相場がそこまで高くないんです。
具体的には、
日本獣医生命科学大学…6.5万円程度
麻布大学…4.5万円前後
となっており(物件サイトホームズによる)、2万円も家賃相場が安いことが分かります。
この2万円の差は思っている以上に大きいです。
特に大学生にとっては、飲み代何回分も浮く計算になりますね(笑)
その分都心へ出るためには1時間は掛かるため、都心へのアクセスという面ではどうしても日本獣医生命科学大学に軍配が上がってしまうのですが…
それでも、学年が上がり、授業や研究室が忙しくなってきたときに一人暮らしをしたい人にとっては、ありがたい話だと思います。
僕の場合も、6年間一人暮らしをしていましたが、そこまで家賃が掛からない生活だったので、なんとか6年間生活することが出来ました。
相模原には、他にも北里大学や青山学院大学、桜美林大学などのたくさんの大学のキャンパスがあり、学生の街として有名です。
そのため、賃貸なども学生向けのものが数多くあり、学生に配慮されている点が大きなメリットであると感じます!
アルバイト等もたくさん求人があり、飲み屋や遊ぶ場所もたくさんあり、わざわざ都心まで出ていかずとも大学の周りですべて完結してしまうというのも嬉しいですね(笑)
とか書いてたら、学生時代に戻りたくなってきた…(‘ω’)
⑤大学のOBが多く、色々な方面の情報が得られる
これまで紹介したメリットたちと関連するところも多いのですが、学生の数が多くバラエティーに富んでいるため、卒業生の進路も様々です。
小動物分野、大動物分野、企業や公務員(地方・国家)など就職先もバラエティーに富んでいます。
だからどの分野においても麻布大学のOBがいて、知りたい情報をたくさん得られることが出来ます。就職後も良くしてもらえるでしょう。
これは入ってみると恩恵が大きいですが、飲み会や研究室、サークルなどで有益な情報や求人を教えてもらえたりします!
進路選択において、OBが少ないことや前例がないこと、情報が得らえないということは、大きな障壁になってしまいます。
それがないのが麻布大学のメリットの一つですね。
確かに人数が多いことで、実習などに参加する機会が減ってしまうのはありますが、恩恵もたくさんあるということです。
僕が北海道で牛の獣医師をやるようになって驚いたのが、麻布大学の卒業生がとてもおおいということです。
そして僕の同期に限って言えば、北海道なのに出身大学のトップは酪農学園大学を抜いて1位でした(笑)
それくらい色んな方面に進む人がいるという証拠なのですが、これは大きなメリットですよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
麻布大学は日本獣医生命科学大学とは異なり、1学年の人数が多く、そして年齢層も幅広いという特徴があります。
そしてそれは様々な恩恵をもたらしてくれますが、とにかく学生生活が刺激的でとても楽しいです(笑)
色んな年代の人、バックグラウンドを持った人が同じ学年で学ぶことが出来るので、自然と自分の価値観も広がり、そして世界も広がります。
そしてそれは学年を追うごとに恩恵としてやってきます。
それは就職後も感じることでもあるのです。
少数精鋭も良いのですが、僕はこうやって多くの人と接する機会がある麻布大学で良かったと心から思っています!
また生活費が想像以上に安く収まったのも、地方から出てきた身としてはありがたい限りです。
バラエティーに富んで刺激的な日々を送りたいという人は、麻布大学をぜひ第一志望に頑張ってください!!
では!


