皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケと申します。
僕は、獣医師として働きながら、これから獣医師を目指す人たち、現在獣医学科の学生たち、獣医師として働く人たちに向けて、自分の経験を発信しています!
少しでも多くの人たちの役に立つことが出来れば、嬉しいです。
さてさて、僕はこの前、獣医学科を目指す高校生の子にこのような質問を受けました。
たしかに医学部や薬学部、獣医学部といった医療系の学部は、理系の代表のようなイメージがありますよね?
その中でも獣医学科と言えば、医学部に勝るとも劣らない難関学部です。
当然皆さんのイメージでは、「獣医学科に合格する人は、みんなバリバリ理系タイプで、数学とか理科が超得意!」って感じかもしれません。
だからこそ自分が理系科目を苦手としていると、どうしても尻込みしていしまい、諦めてしまう人がたくさんいます。
なので今回は、実際に獣医学科に複数大学合格し、現在獣医師として働いている僕から、
”獣医学科に合格するために、理系科目が苦手でも大丈夫なのか?”
という疑問についてお答えしていこうと思います!
そしてサブテーマとして、
”獣医学科に合格する学生の共通点”
についても触れていくことにします!
これを読んで、不安な気持ちが少しでも緩和されてくれたらと思います!
ではいきましょう!

Contents
獣医学科の学生のリアル!
まず皆さんに獣医学科に合格した学生が、受験生の時はどんな成績だったのか、どんな特徴があるのかを知ってもらうことにしましょう!
きっと獣医学生のイメージが良い意味で崩れるんじゃないかなって思います!
特徴① とにかく数学(時には算数でさえ)が苦手な人ばっかり
これは僕を含めて、7~8割の学生に当てはまるのではないかなって思います。
というのも、獣医学科に入ってくる学生の大半が、もともとは数学が大の苦手という人なのです。
これは数学に限った話ではなくて、算数の頃から苦手意識を持っていたという学生も少なくありません。
簡単な濃度計算でさえ時には自信なさげになることだってあります(笑)
しかもそれは大学に入ってからでの話ですからね!
理系の学生=みんな数学が得意
そして医療系ならばそれはもっと顕著であるというイメージは、完全に間違っているということです。
つまり、獣医学科の学生の大半は、もともと数学に強い苦手意識を持っていながらも、それを克服してきた過去があり、それくらい獣医師になりたいという強い意志を持っていたということです。
僕自身がまさにそのような状況で、数学は模試においても他の科目より偏差値10以上低く、いつも足を引っ張っていました。
同じように、計算が多い化学も苦手で、クラスでも最下位レベル、時には評定で”1”を付けられそうになったことさえあります(笑)
まあそのときは先生に助けられ、なんとか2を付けてもらいましたが…
そして得意科目と言えば国語や英語という、まったく理系らしからぬ状況で、トータルでの点数でかろうじて獣医学科に合格可能性あり、という判定でした…。
高1の頃の三者面談では、毎度毎度お決まりのセリフで、
「息子さんは文系ならば有名国公立にも進めると思います!でも今の状況で獣医学科は無謀でしょう…」
とか言われまくっていました。
そりゃ数学とか化学が出来ないのに英語国語が得意で、しかも理系の獣医学科志望とか意味不明ですよね(笑)
でも僕はそう言われると余計に反抗したくなるので、強引に理系進みます。
でも数学の苦手意識は変わらず、というかむしろ悪化し、数学は赤点ギリギリを推移、新たに増えた生物には手も付けず、結局英語と国語だけが頼りという状況でした(笑)
しかも国語は古文漢文が嫌いで点数が少しずつ落ちていきました(笑)
もはや英語しか味方がいませんでした。
結局高2・高3の三者面談でも、「獣医学科は厳しいんじゃない?ほかの動物系の学部でも目指してみたら?」
なんて言われる始末…
それくらい数学も化学も、なんなら生物も、理系科目は全滅ってくらい苦手でした。
そしてこれは僕の具体例ですが、獣医学科にはこういった過去を持つ学生がたくさんいます。
僕みたいに獣医学科に反対されてきた学生もたくさんいたのでした。
だから、獣医学科の学生が皆理系科目が得意というイメージは完全に間違いで、むしろ苦手意識を持っている人のほうが圧倒的に多いんです!
そして学校に先生に止められることも少なくなかったのです。
特徴②獣医学科以外の学部学科は考えていなかった
獣医学科のほとんどで数学ⅢCを使う機会はなく、国公立の一部を除くと、数学ⅡBまでの選択で受験することが出来ます。
また私立獣医学科ならば、使用科目は英語・数学ⅠAⅡB・理科1科目のみで、かなり絞って対策をすることができます。
でもそうなると、「早い段階から科目を絞るから、いざというときの選択肢が狭まってしまうよ?」と学校の先生や親などから言われることもあります。
まあ確かに、生物系の学部に進むつもりならばそれで十分でも、他の理系学部(工学系や理学部系、医学部など)では数学ⅢCが必須であることのほうが多いです。
もしそうなった場合に、獣医学科のためだけに数学ⅢCを履修しないのは、リスクが高い…
まあ確かにまっとうな意見かもしれません。
でも仮にそれで選択肢を広げたとして、あなたが一度夢見た獣医学科を諦めきれるのでしょうか?
それ以外の道で納得できるのでしょうか?
僕が思うに、無理やり納得させることは出来ても、心の底では多少なりとも後悔は生まれるのではないかと思います。
というのも、僕のかつての同級生で、同じ獣医学科を目指していたのに、結局諦めて別な道へ進んだ人と話をすると、
「本当は私(俺)も獣医さんになりたかった。龍之介が羨ましく思うときがある。」
なんてことを聞くことがあります。
やはり一度情熱的に目指した夢を、簡単には諦めきれるほど単純ではないです。
心のどこかではモヤモヤした気持ちを抱える人も多いのです。
実際のところ、獣医学科に合格して、現在獣医師として働いている同級生のほとんどは、獣医学科以外の選択肢を考えてなかったという人達ばかりです。
皆理系科目苦手なくせに、自信なんて大してないくせに、難関かつ情報が少ない獣医学科しか考えていない・・・
傍から見れば無謀、時にはアホにさえ映るかもしれません(笑)
でも僕も当時そうだったように、獣医学科に合格するためには、獣医学科のための対策をしなくてはならない。
余計な選択肢を広げるためだけに、遠回りしている暇なんてないんです。
僕が思うに、獣医学科に合格するためには、獣医学科のことしか考えないということが一番大切だと思います。
他の選択肢を残しておくということは、だめだった時の保険があるってことです。
つまり心のどこかで、「まあ獣医学科がだめでも○○があるしなあ。別にそこまで本気にならなくてもいいかあ。大変だし…」
って思うことにもつながります。
でも獣医学科しかないと思えるなら、何とかしてそこに合格するために頭を100%使います。それが一番の方法です。
きっとそういう覚悟があったから、理系科目が苦手でもそれを克服して獣医学科に皆合格できたんです。
選択肢を狭めてもなお挑戦したことによる後悔よりも、
別の選択肢に逃げてしまったことの後悔のほうが圧倒的に大きいことを、僕は受験・そして受験後の日々を過ごして感じました。

特徴③受験失敗、浪人などを恐れずに挑戦した
そしてこれもまた共通する特徴だと思ったのですが、
獣医学科の学生は、獣医学科受験に失敗することを恐れていませんでした。
いや、正確にはそれさえも受け入れて努力していました。
獣医学科というのは、10倍前後の高倍率であり、受かる人よりも落ちる人のほうが圧倒的に多いです。
浪人率も高く、学生の半分以上(国公立は少ない傾向)は浪人生です。
それも1浪のみならず、2浪3浪は当たり前、時には30代40代で再挑戦する人もたくさんいます。

そんな学部ですから、目指した当初から失敗のリスクは承知しています。
複数の大学を受験しても、全部不合格のこともザラにあります。僕も現役時は受験した獣医学科すべてに落ちました(笑)

それでも、僕は仮に何年かかっても獣医学科に挑戦し続けようと思っていました。
それ以外を考えたことはありませんでした。
確かに頑張って勉強したのに、目標大学に落ちてしまうのは10代の自分にとって、とても辛い経験でした。
でもやっぱり諦めることは出来ませんでした。
獣医学科しか見えていませんでした(笑)
獣医学科の学生はそんな人ばかりです。まあ傍から見ればあほでも、それが一番目標を達成するのに不可欠だと僕は思います。
獣医学科の学生の一番の凄いところはどこかと聞かれたなら、”獣医学科に合格することしか考えてなかった人が多い”ということです。
それを皆さんには見習ってもらいたいと思うのです。

理系科目が苦手かどうかは、獣医学科受験に全く関係ない!
これをとにかく多くの人に知ってもらいたくて、そしてこれが今回の記事で一番伝えたいことです。
確かに理系科目が得意に越したことはないのですが、そもそも獣医学科は生物系の学部です。物理では受験できない大学だってあるくらいです。
その生物系の学生の特徴として、”数学が苦手”というものがあります。
これは本当に僕を含めて多くの学生に当てはまることでした(笑)
だからそもそも理系科目が得意な人のほうが少ないんです。
理系科目が得意ならむしろ少数派です。何も心配いりません。
獣医学科合格のために、もともと理系科目が得意かどうかは重要ではなく、”理系科目を得意に出来るかどうか”が重要なのです。
結局、大学受験のレベルならば、どんなにもとが苦手だろうが、時間さえかけて取り組めば誰でも出来るようになります。
だから、”得意にするまでにかかる時間”と、”得意になるまで諦めずにやり抜く精神力”が試されるのです。
そこでふるいに掛けられて、多くの人が諦めていきます。
妥協を選びます。その方が圧倒的に多いのです。
もしあなたが数学や他の理系科目が苦手であると気づいたのなら、あとはそれを受験までに克服すればいいだけなのです。
気づきが早ければ早いほど、結果は早くついてきます。試行錯誤を重ねる時間が沢山あるからです。
僕みたいに向き合ったのが高3の夏からだと、さすがに遅すぎですが…(笑)
それでも浪人生活を経て、数学を得意科目に変えられました。

もしあなたが高1高2生なら、余裕で間に合うだけの時間があります。
そして獣医学科以外は考えない!という強い意志をずっと持ち続けてください。
それも重要な合格のための要素です。
多くの人は他の道へと逃げてしまうのもまた、事実だからです。
大切なことなので、もう一度言います。
理系科目が苦手かどうかが重要ではない。
その苦手に向き合って克服できるかどうか、そして獣医学科以外のことを考えず、一直線に挑戦できるかどうか。
これが一番重要です!
皆さんが獣医師として、将来僕と同じ立場で仕事をしている姿を楽しみにしています!!
では!!