皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケです!
僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、現在は日本最北端の地において牛の獣医師2年目をしています。
日々忙しいですが、充実した毎日を送っています!
さて僕は以前までの記事で、私立の獣医学科の受験情報(主に受験日程や合格者最低点、倍率など)をご紹介してきました。
センター試験が共通テストとなったのをきっかけに、実に多くの点で私立の獣医学科も変わってきました。
その変更点についても以下の記事ではまとめているので、良ければ参照にしてください!






そして試験方式や受験科目などが変更されたということは、当然それに合わせて対策もアップデートしなくてはなりません。
僕が受験生だった時の対策法では、必ずしも完ぺきとは言えなくなってしまいました。
僕がここ数年の変更によって感じたことは、
・単純に受験機会が増えて、チャンスが増大した
・物理での受験が不可となった大学増え、生物選択者有利になった
・受験方式が増えた分、戦略的な受験戦略が必要となった
といったことです。
僕が受験生だった頃は、実はもっと受験様式は少なく、もはや用意されたチャンスにほぼ全て乗っかってればよかったのです。
ですが今は受験様式が増えまくり、盲目的に出願しまくると、体力的にも金額的にもしんどくなってしまいます。
岡山理科大学だけでも8つくらいの受験方式がありますからね(笑)
凄い時代になりました。
なので!
各私立獣医学科の攻略ガイドをご紹介していこうと思います!!
かつて私立獣医学科をすべて受験し、そして現役獣医師として働く僕が、
”もし自分が今受験生だったらどんな対策をするか、どういった戦略をもって臨むか”を紹介していきます!
第5回目は北里大学になります。
多くの獣医学科受験生が出願するこの大学。私立の獣医学科の中では合格を勝ち取りやすい大学でもあります。
なので、北里大学獣医学科についてしっかりと理解を深め、より合格率を高められるようにしていきましょう!

ではいきましょう!!
北里大学獣医学科の受験方式について
①共通テスト利用方式
3教科方式
科目
数学ⅠA・ⅡB 200点
英語(リスニング含め、圧縮) 200点
理科(基礎から2科目or発展から1科目) 200点
計 600点
合格者数/受験者数(2021年) 94/443 倍率4.7倍
合格者最低点数(2021年) 487点/600点満点(81%)
5教科方式
科目
国語(現・古・漢) 200点
地歴・公民から1科目 100点
数学ⅠA・ⅡB 200点
英語(リスニング含め、圧縮) 200点
理科(生・化・物から2科目) 200点
計 900点
合格者数/受験者数(2021年) 72/238 倍率3.3倍
合格者最低点数(2021年) 723点/900点満点(80.3%)
③一般入学試験 前期 後期
科目
数学ⅠA・ⅡB 100点
英語 100点
理科(物・物基or生・生基or化・化基) 100点
計 300点満点
合格者数/受験者数(2021年)
前期 219/817 倍率3.7倍
後期 35/222 倍率6.3倍
合格者最低点(2021年)
前期 211/300 後期 234/300
以上が北里大学の受験様式です。
では次の章で、北里大学の受験の特徴について見ていくことにしましょう。
北里大学獣医学科の受験の特徴!
①共通テスト利用方式の合格者最低点は他大学よりも低め!
この傾向は僕が受験生だった頃の更に前、そして受験生だった頃、そして現在と変わらずに続いています。
比較対象として、2021年の共通テスト利用方式の合格者最低点を公表している麻布大学と酪農学園大学を見てみます。
麻布大学共通テスト利用方式…500点/600点満点(83.3%)
酪農学園大学共通テスト利用方式…483点/600点満点 (80.5%)
北里大学共通テスト利用方式…723点/900点満点(80.3%)
酪農学園大学は例年、北里大学とほぼ同等のボーダーラインですので、合格者最低点は同じような結果となりました。
しかし麻布大学はやはり北里大学よりも数%高い合格者最低点となっています。
この傾向もまた、長年続いている傾向なのです。
そして2021年度の結果こそ公表はされていませんが、日本獣医生命科学大学も麻布大学より少し高いくらいの合格者最低点となっていました。
ですのでこれからもその傾向は続いていくと思われます。
岡山理科大学は最近できたことや、合格者を多めに取っていること、公式HPにて合格者最低点は8割程度という回答をしていたことから、北里大学や酪農学園大学と同等と思われます。
いずれにせよ、北里大学は私立の獣医学科の中で、共通テスト利用方式の合格者最低点が一番低い水準であり、合格者数も多いので、
共通テスト利用方式において、北里大学は合格しやすいと言えます。
②試験問題は極めてベーシックであるから、高得点が必須
北里大学は問題の難易度が私立の獣医学科の中では、易しい・ベーシックなものとなっています。
僕が受験生だった頃からその傾向は変わらないようです。
例えば英語なんかは、基礎的な出題が多く、長文問題も長さ・単語の難易度的にも獣医学科を受験する人にとっては易しいと思います。
分量も多くないので、時間が足りなくなることもないでしょう。
和訳や英作文などで、記述を求める問題もないので、そこまで構える必要はなさそうです。
数学も同様で、特に難問が出題されることは少ないです。
チャートやフォーカスゴールドなどの基礎レベルさえ解けるようになっていれば、合格ラインを狙えると思います。
そして理科ですが、北里大学は理科の選択科目において、生物・化学・物理のどの選択でも受験可能としています。
物理での受験が不可となった大学(麻布大学・酪農学園大学・日本獣医生命科学大学)が増えてきている一方で、むしろ珍しいです。
そしてその中で生物は他の科目よりも難しめに作られています。
やはり獣医学科ということで、生物学に精通している先生が多いので、しょうがないことではあるのですが…。
とはいえこれは麻布大学でも日本獣医生命科学大学でも同じようなことなので、ことさら驚くことでもないように思います。
他の大学との兼ね合いも考えると、生物が得意ならわざわざ他の科目での受験に切り替える必要はないと思います。
素直に生物で受験したほうが結果的には良いと思います。
ということで、生物が多少難問である以外は、問題は基礎~標準レベルなので、普段の模試対策などで十分かなと思います。
③合格者数は私立の獣医学科の中でもかなり多い!
日本大学獣医学科の受験対策記事において、僕は”日本大学獣医学科は合格者数が少ない”ということを述べました。

その時には日大の獣医学科において、いかに合格者数が少ないかということにフォーカスを当てて取り上げましたが、逆に合格者数が多い大学もあります。
それが北里大学と酪農学園大学です。
合格者数(一般試験&共通テスト利用方式の合計 2021年度)
日本獣医生命科学大学…181人
麻布大学…194人
日本大学…168人
岡山理科大学…184人
酪農学園大学…285人
北里大学…254人
これは2021年度のデータですが、毎年こんな感じで北里大学と酪農学園大学が合格者数で高い数字を出しています。
この年は酪農学園大学のほうが多いですが、例年は北里大学のほうが合格者数で言えば多いです。
辞退者が多くなってしまうので、その分多めに合格者数を出しています。
ですので、北里大学は合格者最低点と合格者数の両方の側面において、合格しやすい大学であると言うことが出来ます。
④一般試験の合格者最低点は、そこまで気にしないほうが良い
これは麻布大学の受験攻略記事でも同様のことを述べましたが、赤本などに記載されている合格者最低点は、そこまで気にする必要はないように思います。

というのも、問題の配点だったり採点基準だったりは明確に記載されているわけではなく、大学側の裁量に一任されています。
なので、単純な
正答数/問題数
が得点になるとは限らないのです。というよりこれがそのまま点数化されているのなら、多くの受験生は合格者最低点にさえ届かないのです。
例えば麻布大学の合格者最低点は210~240/300くらいですが、単純な正答率では僕は6割程度でした。
それでも受かったということは、単純な正答率で得点が決まっているわけではないということです。
それは北里大学でも同じことなので、一般試験においてはあまり合格者最低点にとらわれないことです。
でも共通テスト利用方式は別ですからね!
こちらは確実な点数なので、明確な基準になります。
以上が北里大学の受験の特徴でした。
では以上のこと達を踏まえて、北里大学の受験の攻略情報をいくつか紹介していこうと思います!
北里大学獣医学科の受験攻略情報!
①国公立獣医を志望する人は、共通テスト利用方式の5教科式を受験せよ!
これは酪農学園大学でもお話したのですが、自分が共通テストでおよそどのくらいの点数を取れていたのかを把握するためです。
共通テストの本当の点数は、受験が終了してから改めて送付されてきます。
つまり国公立の出願等には全く間に合わないのです。
だから自己採点で判断するしかないのですが、マークミス等の怖さはあります。
でも確認する術はありません。
そんなときに、国公立獣医とまったく同じ科目と配点で合否を決める共通テスト利用方式の5教科バージョンが有用です。
毎年合格者最低点は8割強で推移していることや、配点が同じなどの理由から、
この方式で合格した=共通テストで8割以上は得点できている
という証明になります。
共通テストで8割の得点率は、国公立獣医における最低ラインなので、これを超えられているという証明はとても心強いです。
大きなマークミス等もないということなので、自信をもって出願することが出来ます。
また3教科方式よりも5教科方式のほうが合格者最低点も若干低いので、その点でも有利であると言えますね!
②一般入試の前期は日大と岡山理科大と被る!どちらを受験するか吟味すべし!
北里大学の一般試験が行われるのが、2/1です。
そして日本大学獣医学科のN方式、岡山理科大学の受験が行われるのも2/1なのです。
基本的には私立の獣医学科受験は、日程が被らないように考慮されているのですが、最近は受験の方式が増えてきたこともあってこういった事態が起こっているようです。
なのでどの大学を優先するべきなのかをしっかり考えなくてはなりません。
2/1
北里大学 一般入試前期
合格者数/受験者数(2021年)
219/817 倍率3.7倍
日本大学 N方式
合格者数/受験者数(2021年)
13/191 倍率14.7倍
岡山理科大学 一般入試 前期A日程
合格者数/受験者数(2021年)
スタンダード3科目型 102/816 倍率8.0倍
指定科目重視型 46/405 倍率8.8倍
比較すれば一目瞭然ですが、合格しやすいのは圧倒的に北里大学の一般試験のほうです。
しかも日程的に序盤なので、ここで合格のてごたえを感じられたかどうかは、その後の試験にも大きく影響してきます。
もしどうしても日大が良くて、少しでもチャンスを拡大させたいというのなら、日大N方式を受験しても良いとは思います。
でももし第一目標が獣医学科合格ならば、迷わず北里大学の一般試験を受験したほうが得策であると僕は思います!

③理科の選択科目は得意な科目にしよう!
先ほども触れましたが、北里大学の一般試験は理科の選択科目において、生物・化学・物理の3つがあります。
問題の難易度で言うと、生物が難しく、他2つが簡単なようです。
なので、生物よりも他の2科目の選択のほうが有利なのではないかと思う人もいるかもしれません。
でもそのためにわざわざ生物ではなく化学や物理の対策に時間を改めて割くのは得策ではないと思います。
もし国公立獣医などを受験するつもりで、他の理科の科目もしっかりやっていたのなら話は別ですが、わざわざ改めて対策するのは結局時間が掛かってしまうからです。
ほとんどの獣医学科受験生は、結局生物で受験しますし、得意科目のほうがなんだかんだで結果もついてきます。
北里大学だけでなく他の大学の受験のことも考えると、やはり生物が得意なら生物で受験したほうが良いでしょう。
④基礎レベルが出来ていれば、特別な対策は必要ない!
結局これが言いたいのですが、北里大学は私立の獣医学科の中でもかなりベーシックな問題しかでません。
だから特別なことをする必要は全くないのです。
普段の勉強や模試対策などで十分合格ラインを狙えます。
僕も過去問演習は全くしませんでしたが、見慣れた問題ばっかだったので、特に困ることなく試験を解くことが出来ました。
それで合格出来たので、やはり基礎を試されていると感じました。
まとめ!
・出題は極めてベーシックな難易度である
・生物が若干難しいが、それでも選択科目を変えるほどではない。
・合格者最低点・合格者数において、受かりやすい大学と言える
・日大のN方式と日程が被るので、選択を吟味すべし!
・共通テスト方式の5教科バージョンで、自分の点数を確認すべし!
・この試験がその後の受験の結果を大きく左右する可能性あり!
北里大学は獣医学科受験の登竜門的な側面もあります。
ぜひ合格を勝ち取ってください!!
では!!