日本最北端の獣医師ブログ!
獣医学科を目指す人に伝えたいこと

牛の獣医師という仕事(NOSAI獣医師の良い点・大変な点とは??)

皆さんこんにちは!!最北端獣医師のノスケです!僕は2020年に麻布大学を卒業し、現在は北海道の最北端で牛の獣医をしています。

 

ところで皆さんは獣医師の仕事がどんなもので、給料はどのくらいなのかわかりますか?
世の中にはいろんな仕事があり、資格が存在しますが、1つの資格でここまで職域が広い仕事はないと思います。

とはいえ獣医学科に実際に通わないと、具体的にどんな仕事があり業務をこなしているのか分かりません。そして実際にどのくらい給料をもらっているのか、仕事はどのくらいハードなのかは働いてみないとわかりません。

 

ですので今回は、NOSAIという企業で牛の獣医師をやっている僕が実際に働いて感じたことをお伝えしていこうと思います!牛の獣医師がどんなものなのか、そして仕事としてよかった点、逆に大変な点についてご紹介します!!

 

ぜひ将来の参考にしてみてください!

 

 

まず産業動物獣医師ってどんな仕事??

獣医学科に進む人の中で、2割程度の人が牛や馬そして豚といったいわゆる産業動物の獣医の道を進みます。犬や猫といった、飼育して可愛がる伴侶動物と異なり、利益を上げるために飼育する動物のことを産業動物といいます。

 

当然産業動物も皆さん愛情をもって飼育していますが、利益目的であるという点で、伴侶動物とは大きく異なります。

 

そしてそんな動物を治療するのが僕たち産業動物獣医師なのです。

 

 

そしてその道に進む人のほとんどがNOSAI(農業共済組合)という企業に就職します。僕もこのNOSAIという企業に勤めています。他にも様々な求人はありますが、代表的なのがこのNOSAIです。

牛や豚などを飼っている農家は掛け金を支払い、その対価として動物が病気になった場合は治療をしてもらったり、死んでしまった場合は保険金を貰います。その時に治療を行ったり、死亡した動物の認定を行うのが、我々NOSAIの獣医師なのです。

 

 

つまりNOSAI獣医師ってのは、農家の飼っている産業動物(牛・豚・馬)を治療する獣医師ってことです!

 

 

ちなみにNOSAIは全国色々な都道府県に存在し、各地の農家を助けています。その中で僕は北海道の最北端である、宗谷地区で獣医師をやっています。

 

 

それでは僕がNOSAIに勤めて感じた、NOSAI獣医師のメリットとデメリットについてご紹介します!NOSAIは全国に存在するため、必ずしも当てはまらない場合もあるんですが、基本的には大体一緒ですので、ぜひ参考にしてみてください!

 

NOSAI獣医師の良いところとは??

 

 

給料が高い

NOSAI獣医師の良いところは、まず小動物病院に勤める獣医師と比べて、給料が良い傾向にあるということでしょう。

 

確かに動物病院の求人の中には初任給から月に40万くらいのところも存在します。ですが、そういう病院は残業代も込みでその金額であり、かな~り激務である可能性が高いです。休みもなく働き、かなり体を酷使します。

 

小さい病院が多いため、院長の裁量によって決まる部分が多いのです。

 

その点NOSAIは、基本給が高く、そして残業代はしっかり別で出ます。また最初のうちはまだ1人立ちできないため、当番や夜勤もできませんが、数か月して独り立ちして、当番や夜勤が始まってくると、その+α分でかなり稼ぐこともできます。

 

場所によってはその+αだけで大卒の初任給を超える場所もあるみたいです(笑)
凄いですね(笑)

 

 

 

家賃補助などの手当がめちゃ豊富!

これは場所によって金額は変わってくるのですが、多くの都道府県で家賃補助が出ます。その額もなかなか高く、半額~9割まで出してくれます。

 

特に北海道なんかは群を抜いて額が高く、家賃の9割を負担してます。2LDKの新築のマンションに7000~8000円とかで住めちゃうんですよ(笑)

 

ちなみに僕のいる宗谷地区は、基本的に一軒家が支給されます。現在僕は新築の3LDKの住宅に月14,000円で住んでいます(笑)

 

また獣医師手当、通勤手当、場所によっては特地手当や、寒冷地手当など多くの手当が支給されます。基本給も高いですが、それに付随するものもたくさんあるんです!

ぱぐのすけ
ぱぐのすけ
新築の3LDKに月14,000円で住んでいるの?凄いね!!そんな社会人世の中にいないでしょ(笑)
のすけ
のすけ
確かにかなり恵まれているなあって思うよ。他の地域でも良い家に格安でみんな住めてるんだ!とはいえ、3LDKに1人は少し寂しいけどね(笑)
ぱぐのすけ
ぱぐのすけ
確かに少し持て余しそう(笑)

 

 

 

自分から往診に回るため、自由に仕事ができる!

NOSAIの診療スタイルは、基本的に獣医師が自分で農家を回って診療していくスタイルです。世の中の医療系の仕事の形態は殆どが患者側からやってきますよね?

だから基本的に自分のペースで仕事があまりできません。

 

しかしNOSAIは自分が回るスタイルであるため、回る順番や掛ける時間に関して、自由度が高いのです。ですのでゆとりを持って仕事をすることが出来ます。もちろん満員電車に乗る必要もないです!!(笑)

 

忙しい時はゆっくり回ることは流石に出来ないですが、仕事の大部分を自分で組み立てられるのは、かなりのメリットなんですよ!

 

何もかも言われた通りにやらなければならず、自分のやり方が通らないことは、実はかなりのストレスらしく、仕事を辞める大きな原因になるそうです。

 

その点でNOSAIはかなり恵まれていますね!

 

 

 

診療や治療などの仕事を自分で考え、組み立てられる!

これは先ほどのことにも被る部分があるのですが、仕事に関して自分で自由に組み立てられることが出来ます。

 

診療は基本的に獣医師それぞれに一任されています。たしかに治療の基本マニュアルは存在しますが、それでも色々な治療法を試したり、自分で考えて仕事をすることが出来ます。

要するに仕事の自由度が高いんです!

 

 

のびのびとやりたいことが出来るのはかなり良いです。世の中の仕事においてそういった企業はあまりないように思います。

 

 

 

定時で帰ることが出来る!

今のご時世ブラック企業が問題視されています。終電まで会社に意味なく残らなければならなかったり、上司の目を気にして、先に帰れなかったり…。

そんなのあほくさいですよね?

 

でもNOSAIは基本的に自分の仕事さえ終わってしまえば、あとはもう自由です。17時に帰宅して、自分の時間を楽しむもよし、診療所に残って勉強してもよし。皆が自由に過ごしています。

 

 

確かに往診が多かったり、オペが重なってしまうと、どうしても仕事が定時で終わらないこともあります。そんな時はしっかり残業代がでるので大丈夫です!!

 

 

僕の診療所でも仕事の早い人はいつも17時に帰っています。小動物病院に勤めていると、残業代なしで日越えもざらにあるらしく、そこら辺がしっかりしているのがNOSAIの良いところですよね。

 

逆にデメリットや大変なこととは??

そんなNOSAIですが、良いことばかりでもありません。確かに仕事としてはとてもいいのですが、大変に感じることも中にはあります。

そのことについていくつかご紹介します!

 

牛相手なので、危険がつきまとう

NOSAI獣医師がメインで相手をするのが、体重が500キロ以上もある牛です。もちろん言葉も通じませんし、人間みたいに痛みや恐怖に対して我慢をしません。

 

例えば人なら、痛くても治療のためなら注射を我慢しますよね?怖くても辛抱しますよね?

 

でも動物はそうではありません。痛ければ暴れますし、怖ければ攻撃してくることもあります。さながら小さい子供みたいな感じです。とはいえ500キロの子供ですけどね(笑)

 

 

だから足が飛んでくることもありますし、体当たりされることだってあります。だから気を付けていないとケガします。てか気を付けていてもケガします。そんな危険と隣り合わせだということは知っておいてほしいです。

 

 

 

汚いし、臭くなる

これは文字通りです。慣れてくるとはいえやっぱり汚いし臭いですよ。一日働いて家に帰ると自分の牛臭さにびっくりします(笑)

 

速攻風呂行きですよね(笑)

 

そして牛の糞や体液が体につくことも多いです。その中には病原菌やウイルス、寄生虫もいるので、気を付けないと人も感染します。
僕もクリプトスポリジウムという、牛が持つ寄生虫に感染し、2週間下痢と熱に苦しみました(笑)

 

そういった点はやはりきついですね。覚悟を持って臨まなくてはいけません。

 

 

 

基本的に勤務地が田舎なので不便

牛を飼うためには、騒音やにおいの関係で都会では無理があります。ですので土地を確保するためにも田舎で飼うことが大半です。

 

ですのでNOSAI獣医師の勤務地も必然的に田舎になります。その度合いは地域によりますが、ほんとに僻地はかなり田舎です。

 

ちなみに僕の勤務地はそのトップレベルの田舎ですので、最寄りのコンビニまで30キロ、スーパーや街中に出るためにも30分はかかります。

 

便利さとは無縁の生活ですね(笑)
大学時代に住んでいた相模原が懐かしいです(笑)

 

 

 

勤務地によっては一日200Km以上も運転することも…

これは特に北海道に多いのですが、広大な土地である分、往診の際はたくさんの距離を運転しなくてはなりません。

一日に200キロも運転するとさすがに疲れます(笑)

 

これが割と大変な点なんです。通勤で毎日何時間も満員電車に乗るのもきっついですが、たくさん運転するのもそれはそれで疲れます(笑)

 

まあ1人で運転なので、他人とのストレスはありませんが。

 

総評:NOSAI獣医師はおすすめできる仕事です!!

デメリットも述べてきましたが、総評としては僕はこの仕事を選んでよかったと思っています。

 

獣医師を選んだ時点で、汚くなることは覚悟していましたし、田舎といえど住めば都です。僕のところがマックスに田舎なだけで、割と他の人は便利そうです。

 

また農家1軒1軒と直に会って牛を治療するので、コミュニケーションがしっかり取れ、やりがいを強く感じることが出来ます。

 

なにより自分で仕事のやり方を組み立てられ、自分にしかできないという思いも持てます。まだまだ駆け出しですが、これからもっと知識と経験が増えていけば、さらに充実した獣医師ライフが送れると思います。

 

牛や馬の獣医師をやりたい人にとって、NOSAIはとてもお勧めできる仕事です!!