皆さんこんにちは!最北端獣医師のノスケです!2020年に獣医師国家試験に合格し、現在は日本最北端の地、北海道稚内市で牛の獣医さんをやっています!!
やっぱ社会人は大変ですね!日々奮闘中です(笑)
さて今回は受験のお話なのですが、理科の選択科目についての記事になります!ほとんどの獣医系大学は理科において生物or物理or化学から1科目を選択して受験します。
獣医学科は他の医薬系と少々異なり、受験する6~7割の人が理科の選択科目を生物にしています。そして残った3~4割の人が化学や物理で受験しています。これは他の学科にはない比率です。他の学科はもっと生物以外の選択比率が高いのです。
獣医学科といえば、当然人間以外の生物を対象として診療するため、生物学の重要性はとても高いです。大学での授業もほとんどが生物学が関連するものになっています。
では実際のところ受験科目が生物じゃない人orもしくはこれまで生物学をほとんど履修してこなかった人が受験し合格したとして、大学でやっていけるのか??
今回はそのことについて僕が6年間過ごしてきての感想を皆さんにご紹介します!!
Contents
生物選択ではない人が大学に入って苦労すること
1年生のころの授業は獣医学というよりも、基礎の生物学やそれを基にした分子生物学などがメインの授業になってきます。ですのでやはり高校までの予備知識がある人はわりとすんなり授業が理解でき、スタートから苦労することはあまりないでしょう。
ですがやはり化学や物理などをメインで勉強してきた人たちにとっては、生物選択者にとって常識的なことでも、知らない知識が多いようです。
ですので最初のうちは生物選択者ではない人たちは、勉強しなければならないことがどうしても多くなってしまいます。
1年生の期末試験に関して言えば、生物選択者は割と楽ができ、化学や物理選択者は苦労することもあるでしょう。
それに加え、化学や物理の授業もあるのですが、大学の性質上生物学に比べて内容がめっちゃ簡単です。それこそ高校の小テストぐらいのレベルなので、無知識でも2~3日勉強すれば問題なくテストでパスできます。
そういった点から最初のうちは生物選択者が有利であると言わざるを得ません。
でもそれも最初だけで結局受験時の選択科目など、すぐに関係なくなります!!
結局は獣医学科に生物受験以外で入っても問題はない!!
最初こそ苦労しますが、生物以外で獣医学科を受験し入学したとしても結局なんら問題ありません。学年が上がっていくごとに誰が何選択だったかなんて、誰も気にしなくなります。
僕の友達の中には、生物に一切触れてこなかったのに、最終的には皆に勉強を教えるほどになっていました。これは化学受験の人も同じで、スタート地点の差はほんとに微々たるものであり、その後の獣医学科の6年間に殆ど影響を与えないということです。
物理・化学受験でも問題ない理由
①大学ではそのような人のためのサポートが整っているから
私が通っている麻布大学では、一年生の最初の授業において【生物学基礎】という科目と【化学基礎】という科目があり、高校までの内容をメインとした授業があります。その授業は半期を通じて行われるので、そこで知識を補うことが出来ます。
ようするに空きコマを使って、メインの授業で必要な基礎的な内容を勉強するということです。これ自体には単位が存在しないので、自由に出席できます。自分が習いたい分野のみ聞いたり、途中から出席しなくなっても問題ありません。
このような授業はどの大学でも行っているので心配な人は活用してみましょう!!
またそのほかにも専門的な大学レベルの生物学関連の授業でも、最初は基礎知識からやってくれるので、まったく生物学に触れたことがない人でもついていくことが出来ます。
一年生のうちはそこまで専門的な内容をやるわけではなく、それに向けた準備期間というスタンスだからです。
また麻布大学において、授業とは別で学生支援課と呼ばれるところで基礎的内容を個別で教えてくれるサポートもあります。テスト前などに利用する学生も多くいますが、普段から利用することが出来ます。
自分1人で一から勉強するのは大変なことだと思います。ですのでこのようなサービスを利用するのも手だと思います。麻布大学以外の大学でも似たようなサポートを行っているので利用してみてください!
②専門的内容が増えていくにつれ、差がなくなっているから
学年が上がると、もはや高校までに生物学の範囲を大きく超えて専門的な内容を学習します。例えば放射線学や解剖学、あとは繁殖学や臨床系の学問は、完全に新しい知識であるので、高校までの知識レベルはほとんど関係ありません。
ですので皆が同じスタートラインに立って勉強することになります。そうなると受験時の理科の選択科目が何であったかということは全く関係なくなります。大学で学んできたことを使っていくので、受験期の話など遠い昔のことになります。
というよりむしろ化学や物理的知識が役立つ機会も増えてきたり、生物選択者が苦手な濃度計算などを必要とされるので、物理選択者の計算力が重宝されたりします。つまり学年が上がると物理・化学選択者が有利になるときがあるということです!!
そもそも物理選択では受けられない大学が存在する!!
そうなんです!実は全獣医系大学が物理受験を認めているわけではないんです。化学は全大学で選択することが出来るのですが、物理は何大学かで選択を認めていません。
その大学は以下に示す通りです。
・酪農学園大学
・麻布大学
・日本獣医生命科学大学
この3大学では前述の通り、理科の選択科目で物理を使うことが出来ません。実は数年前までは物理でも受験できたのですが、生物選択者との問題の難易度の格差などが原因となり選択不可になりました。
これらの大学は理科を選択する際は、化学or生物のどちらかを選ばなくてはなりません。
たしかにこのことにより生物選択者の多くにとって不公平さがなくなり、うれしいことですが、それ以外の人にとっては困った事態です。ですので物理選択をしている人でこの3大学を受けようと思っている人は、化学で受験するのが現実的な対策となりそうです。
化学ならほとんどの高校生が履修しているはずですし、ただでさえ難しいとされる獣医大学の生物を受けなくて済むメリットもあります。ちなみに獣医系の大学の生物は意味わからないくらい難しいです(笑)
今日のまとめ
・物理or化学選択の人は最初少しだけ苦労する。
・とはいえ大学にはそういう人へのサポートが充実している!
・学年が上がればその差はなくなり、むしろ有利になる場面も出てくる。
・ただし物理選択では受験できない大学もあることに注意!!
いかがでしたか?物理や化学選択でも大学に入ってしまえばほとんど関係ないということが分かっていただけたと思います。大学には毎年そういった人がたくさん入学しているので、サポートもカリキュラムもしっかり対応しています。
物理or化学選択がむしろ有利に働くことも大学生活の中では多々あるので安心してください。
ただし入試においては、そもそも物理が選択不可である場合があるので、その点はしっかり確認して下さい!受けられなければそもそも意味がないので。
そして物理選択の人の合格率は高いので、自信をもって日々の勉強に取り組んでください!!
では!!