みなさんこんにちは!!最北端獣医師のノスケです!僕は現在日本最北端の地、北海道稚内市で牛の獣医をやっております。2020年に行われた第71回の獣医師国家試験において合格し、獣医師一年生としての道を歩み始めました。
そんな僕から、後輩へのアドバイスとして今回は”教科書”についてお話ししたいと思います!
Contents
定期試験や国試のためだけなら教科書は殆ど必要ない!?
そもそも定期試験や国家試験をパスするために教科書は必須なのでしょうか?
答えはほとんどの科目で”NO”です。期末試験なら過去問や授業プリント、先輩のまとめなどで事足りることがほとんどですし、国試でさえ頻出範囲のみをしっかりわかりやすくまとめた”北大まとめ”なるものが出版されています。
過去問やまとめならコピー代だけで済みますし、北大まとめでさえ上・中・下巻を合わせても3000円で購入できます。
極論無事に進級して国試に受かるだけなら、教科書なんて1冊も必須ではないというのが私の6年間の感想です。先に述べたまとめや過去問、そして国試対策なら北大まとめさえあれば6年間は乗り切れます。
どうしても必要な時は図書館に行けば、だいたいあるのでそこで読みさえすれば事足ります。
ちなみに獣医師国家試験対策についてはこちらの記事でご紹介していますので、よければどうぞ!!


とはいえやはり教科書は必要なものもあります。必須ではないだけで、あるとなにかと役に立つ本もあります。ではどういったときに教科書は役にたつのでしょうか。
こういった基準で教科書は買うべき!!
①就職してからも使うであろう教科書
まずはこれを見越して教科書を選ぶべきではないかと思います。学年が若いころは確かに自分の進路が定まっておらずどんな教科書を買うべきか分からないと思います。
ですがある程度定まってきた人なら分かる通り、どう考えても卒後使わないであろう類の教科書が存在します。そういった教科書は殆どの人が卒後後輩にあげたり、捨てたりしています。
それってめっちゃもったいなくないですか??だって実際のところそういう教科書って試験前とか国試前もそんなに使わないですよ。図書館でさっと見れば事足りることがほとんどです。そういう運命をたどるであろう教科書に数千円~数万円使うのはどう考えてももったいないです!!
②辞書がわりに頻繁に使う教科書
ネットで調べても出てこない…、あるいは授業やまとめでは詳しく書いてないからよくわからない。または1から機序をしっかり学びたい!といったことが勉強していく中では多々あります。
そんな時に役立つような教科書は必須です。なぜならそういう類の教科書にはこれでもかと詳しく載っているので、大概の疑問が晴れるからです。そしてそういう教科書はその科目のみならず、他の科目で分からなくなった時にも役に立ってくれます。
獣医学は科目間の横のつながりがとても強いので、一冊の教科書で色んな科目の疑問が解決することが良くあるのです。
とはいえこれらは正直買う前には分からないです。結果としてめっちゃ使ったって感じなので…
またこれに関しては割と個人差があったりするので一概には言えないんですけど、それでもやはり傾向はあります。
ですので次の章で実際にこれらに当てはまる教科書をランキング形式でご紹介していきます!
迷ったらコレ!!獣医学生がまず買うべき教科書BEST5!!
第5位 解剖学のカラーアトラス
多分1年生の時にすでに購入した人も多いのではないでしょうか。これはいろんな場面で役に立ちます。それは就職後もです。
やはりどこになにがあるか、種差などを理解していないとそのあとの勉強に大きく支障が出てしまいます。そんな時確認するためにカラーアトラスは必須です。
カラーアトラスを読み込んで勉強することはあまりないですが、それでも先ほどの通り、辞書替わりにつかうことが出来るので、買うことをお勧めします!!
第4位 臨床繁殖学
わりと学年が上になってから買うことが予想されるのですが、これはかなり重宝します。理由として繁殖学という分野はとても難しいことが挙げられます。
どういうことかというと、繁殖学は奥が深く難しいため、しっかり1から学ぶ必要があり、まとめや過去問の解説等では不十分であるということです。それに多くの人が繁殖学を就職後も学ばなくてはなりません。
そんな時にもこれは役に立ってくれます。500ページぐらいあるので、確かにビビりますがそれくらい内容が濃く、理解すべき科目だということです。しかも厚さやいかつさの割に内容はわかりやすくまとめてくれているので、いろんな場面で役に立ってくれます。
第3位 獣医薬理学
これは就職後はあまり使うことはないでしょう。その点ではあまり役に立たないような気もします。ですが獣医薬理学はとってもとっても重宝します。
まず、薬理学は生理学との関連が深く、生理学が根底にある学問です。そして獣医薬理学の教科書は生理学で理解が難しい分野を分かりやすく紹介してくれているのです。それをもとに薬の作用機序などを紹介しているので、一石二鳥で勉強ができるのです。
また薬は作用機序や副作用などまで細かく覚える必要があります。その時に獣医薬理学は生理学を絡めて説明しているので、理解がしやすいんです。200ページ程度なので、そこまでボリュームを感じないので読みやすいということもgood pointです!
たしかに北大まとめにもしっかりまとまっていますが、やはり説明が不十分であると感じざるを得ません。多くの人が薬理学の勉強には教科書を使っていたことからも、この教科書の有用性がうかがえます。これは必須です!!!
第2位 獣医生理学
やはり獣医学において生理学は必須です。色々な面で必要になってくるでしょう。生理学は1年生か2年生あたりに履修すると思いますが、その後の学生生活ではもっと必要になります。
それに生理学は覚えること多く、機序も複雑なので何回も調べることになります。そんなときにネットを使うのもよいのですが、割と重要な部分や、知りたいところが省かれていたりします。
その点、獣医生理学は500ページ以上あるため、これでもかと詰め込まれており、大概の疑問が解決します。辞書としての意味合いが強いですが、いろんな場面で活躍してくれます。
しかし獣医生理学は学問上いろんな発見があるため、割と数年に一回教科書がアップデートされています。とはいえ最新版を必ずしも買う必要はないと思います。となると前の版が安く手に入りやすい教科書でもあります。
安い値段で手に入りやすいことも魅力の一つです。
第1位 獣医内科学
これはとってもとっても重要です!!
この教科書においては在学中も卒後も多くの人が使います。小動物編と大動物編からなり、基本的にセットで売っています。
どうしてこの教科書が必須かというと、まず動物の病気に関して詳しい記述はネット上にあまりないことが多いからです。
これは実際に体験してみないとわかりませんが、多くの疾病はネットで調べても満足のいく答えを得られません。
発生機序、好発部位や好発種、治療法から予防まで、多くの病気がこの教科書には載っているため、学生のみならず獣医師でも重宝します。また動物種ごとの血液検査の基準値なども載っているので、正直これ一冊でかなりの分野を網羅してくれます。
高学年に上がって、臨床分野での疑問はこの教科書で解決することがほとんどです。
またこの教科書は卒後もずっと使用する人が多いため、ぜひ購入しておくことをお勧めします!
逆に買う必要がない教科書は??
正直上記以外の教科書はほとんど必要ないというのが僕の感想ですが、それでもやはり人によって必要なものは違ってくると思います。
とはいえ買ったとしても殆ど使わず、廃棄or譲ることになる可能性が高い教科書もあります。それは基本的にかなりニッチな分野の教科書です。「使うか分からないけど、指定教科書になってるし買っとくか。」って理由で購入すると、だいたい使わないです(笑)
例えばそれは”毒性学”だったり”魚病学”といったものです。これらはその道にめちゃくちゃ興味がある人以外は買う必要はありません。それこそ過去問やまとめで事足りるからです。
僕の場合、毒性学がそうでした。結局一回も読むことなくメルカリ行きでした(笑)
それに教科書はどんなにきれいでもかなり安くしないと売れないので、良くて半額~6割の値段じゃないと買い手が付かないことが多いです。
それに最新版ならいいですが、改訂版が出てしまうとさらにその価値は落ちるので、教科書は見極めて買いましょう!!
生協で教科書は買うべきでない??得する買い方!!
ほとんどの人が生協で教科書を買うと思います。でもやっぱり高くないですか??いくら10%オフになるとはいえ、カラーアトラスとか内科学は何万円もします。もし新品を希望しないのであれば、他にもお得な入手方法があります。
1.先輩からもらう
まあこれがもっとも王道ですよね。学年が上がって先輩が増えれば先輩が増えればいらなくなった教科書を貰える確率も高くなります。さっき説明したとおり、多くの教科書は卒後使用しなくなります。
ですから先輩に言えばくれることが多いです。先輩たちも分厚い本の処理に手を煩わせているのでwin-winです。メルカリに出したり、梱包する手間を考えたら、あげるほうが楽って考える人も多いからです。
2.メルカリなどで出品されてないか見る
専門書なんて無いと思いきや、実は結構出品されているんですよね。しかもかなりのお得価格で。書き込みがあったり、使用感があるのを気にしなければ、かなり格安で教科書をゲットすることが出来るんです。
例えば獣医内科学なんて、小動物系に進む人には産業動物編は不要ですし、逆に産業動物系に進む人にとっては小動物編は不要なわけです。
となると片方だけ出品する人がめっちゃいるんです。だからそこから1冊ずつ買えばどちらも揃っちゃうんです。格安で。
内科学は2冊合わせると30000円しますよね。でもメルカリなら半額くらいで買えちゃいます。新品じゃなくていいならかなりお得です!!
そして出品は新生活が始まる4月にめっちゃ増えます。そして割と早く売れちゃいます。だって安いんですもん。
なのでその時期あたりにはしっかりチェックしておきましょう。何も考えず生協で教科書を買いまくるのは、絶対損です!!
まとめ
・基本的に教科書はなくても大丈夫!
定期試験や国試だけなら教科書が必須なことはほとんどない!
・本当に必要なのは上記の5冊くらい。
・卒後も使うかを考えて買うべし。
・買うときはメルカリなどを使えばかなりお得!