皆さんこんちは!最北端獣医師のノスケです!僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、現在は日本最北端の地で牛の獣医をやっています!
そんな僕も数年前は獣医学科を目指す高校生であり、そして受験に失敗し浪人もしました。高校生の頃の僕は獣医学科をなんとなく目指していただけで、正直何も獣医学科のことについて知りませんでした。
受験に失敗して浪人が決定してから初めて、獣医学科の厳しさを知り、そこから1年間猛勉強してなんとか獣医学科に合格しました。
そして大学に入学してから、たくさんの人と交流するなかで現役で獣医学科に合格することの大変さを身に染みて学びました。
高校3年生の僕が受からない理由もよーくわかりました。
ですので今回は獣医学科を志している高校生に、獣医学科受験がどれほど厳しいものなのか、そして現役で受かっている人たちの共通点についてお伝えしていければと思います。
Contents
そもそも獣医学科はめちゃくちゃ厳しい戦いである!
まず前提として、獣医学科の受験はとっても厳しい戦いであることをしっかり理解してもらいたいです。
なんとなく大変そうという認識だけでは、当時の僕みたいに危機感を持てず、気づけばとっても出遅れていることになる可能性が大きいです。
では獣医学科受験が厳しい戦いである理由をいくつか述べていきます。
獣医学科受験が大変な戦いである理由!!
理由①入学者の中に現役生は半分もいない!
これは大学に入ってから気づいてとてもびっくりしたのですが、獣医学科の大半は浪人生であるということです。
これは僕の入学した麻布大学に限った話ではなく、私立や国公立のほとんどの大学において浪人生が大半を占めています。
基本的に1学年の5~6割は浪人生です。つまり2人に1人以上が浪人生であるということです。
これを具体的な数字で表しますと、
毎年獣医学科には1000人強が入学します。その中で現役生の割合は4~5割ですので400~500人程度しか現役で獣医学科に入れません。
そしてそのうち現役生は半分程度がAOや推薦入試で入学しているので、純粋な一般試験で合格しているのは、全国で200~250人程度しかいないことになります。
もしあなたが推薦やAOなどの方式を受けるチャンスがあるのならば良いのですが、当時の僕みたいに内申点がボロボロであると、すでに1/4しか残されていない座席を取り合うことになるのです。
実際僕の学年においても一般やセンター利用方式などで合格した現役生は、あまりいなかったなあと思います。それほどの厳しい戦いなんです。
理由②獣医学科受験は孤独な闘いであるから。
獣医学科を目指したあなたの周りに、同じように獣医学科を目指す友達はいますか?かつて合格した先輩がいて、話を聞くことができますか?
そして獣医学科受験に詳しい学校の先生や、塾などの先生はいますか?
もしいるのであれば、それはとても幸運なことです。かなり恵まれていると思います。
基本的に獣医学科受験は孤独な戦いです。
これは僕自身の体験談なのですが、280人いる高校で獣医学科を受験したのは僕1人だけでした。そして通っていた塾でも数年前に1人獣医学科に合格した人がいただけでした。
確かに地方の高校でしたので、そもそも少ないというのもありますが、これは基本的にどこの高校でも同じことです。僕の大学で同じ高校の人がいたことなんて、滅多にありませんでした。
それは都内からきている人でも同じことです。
つまり受験時に友達と情報共有することも、先生からアドバイスをもらうことも難しいのです。現役時から獣医学科専門の予備校に通うことも難しいので、なかなか情報を得ることも難しいです。
基本的に受験は情報戦なので、その点において孤独な戦いを強いられる現役受験生はかなり大変であると言わざるを得ません。
理由③全国のライバルの質が高い
これも獣医学科に入学して知ったことなのですが、入学者の大半が関東や関西の有名私立高校の出身者で、地方からきている人はあまりいないということです。
これは別に麻布大学に限った話ではなく、地方の国公立でも私立でも同じことです。
ということは受験のライバルとなる人は、皆小学生のころから受験を経験してきた猛者たちで、そういった人たちが合格しまくっているということなのです。
そういった人たちは教育に掛けてきたお金が段違いですし、当然環境も整っています。その事実は想像以上に受験に有利に働いているようです。
僕みたいに地方の高校から入学している人は、各県で1人いるかいないかです。
もしあなたが中高一貫の学校に通っているのならばこの点は心配いりませんが、もし地方の公立高校に在籍しているのなら、ライバルとなる存在の手ごわさをしっかり認識しなくてはなりません。
現役合格を勝ち取るために!
AOや推薦入試を活用しよう!
もし僕が高校生に戻れるとしたら、絶対にこの制度は活用します!というか活用できるように3年間の生活を変えて、内申点を取りに行きます。
このAOや推薦といった制度は、現役生のために用意されているといっても過言ではなく、合格者のほとんどが現役生で占められています。
ということはこのチャンスを逃す手はないということです。一般やセンター利用試験など、誰でも受けられる試験には浪人生の猛者たちがひしめいているので、AOや推薦は、勉強時間で劣る現役生にはとてもうれしい制度です。
となると早いうちから受験を意識して、内申点をしっかり取らなくてはなりません。そしてこれはそこまで大変なことではないと思います。少なくとも一般試験で猛者を相手に合格するよりは。
日々の課題をこなし、定期試験でもしっかり対策をしさえすれば、多少テストで点数が低くても、内申点は高くなります。先生たちは、頑張っている生徒や、目標に向かって努力している生徒を応援したいものです。
ですのでその姿をしっかり見せることが出来れば、内申点もばっちりです!
もう一度言いますが、一般試験などで浪人生の猛者たちを相手に、合格することのほうがよっぽど大変ですから!!
とはいえこれを見ている人がもはや内申点はどうにもならない場合があるでしょう。当時の僕のように。
となると一般試験やセンター利用試験などを受けざるを得なくなります。しかし大学にも一般試験やセンター利用試験で合格した現役生もいます。
その人たちのことに共通することをご紹介します。
一般試験やセンター利用で受験する人たちがやるべきこと!
①早いうちから受験科目対策に的を絞る!!
私立の獣医学科ならば、ほとんどの大学で理科1科目と数学ⅡBまでと英語のみで受験できます。これだけの科目であれば、たとえ時間がない現役生でも十分対策できるのではないでしょうか。
そして国立が第一志望の人でも、二次試験やセンター試験でメインとなる科目ですので、まずはこの科目に絞って勉強することをお勧めします。
そして現役で合格している人は、その対策に集中し始めるのが早く無駄がないです。内申点を高く取りたい人は別にしても、必要ない科目に時間をさけるほど受験は甘くないです。
大学の同期でも、現役で合格している人は周りよりも準備が早く周到です。これは高校生のころから身に着けた習慣なんだなと感じました。
とりあえず何から始めていいか分からない人は、この主要3科目に絞ってまずは対策することをお勧めします!!
②特に数学の成績をあげまくれ!!
さきほど紹介した主要3科目の中で、最も成績が上がりづらく、そして多くの受験生が苦手としているのが数学です!
そしてこれは生物選択者が多い獣医学科では、特に合否を分けるポイントなのです!
生物選択者は物理選択者と比べて、傾向的に数学が苦手です。それは高校、予備校、大学、そして塾のアルバイトなどを通して経験してきた僕がずっと感じてきたことです。
そしてそれは獣医学科受験でも同じことが言えます。
僕が現役でどこも受からなかったとき、数学が圧倒的に足を引っ張っていたことは明らかでした。そしてそれに向き合い数学の偏差値を55→75にまで引き上げたところ、獣医学科に複数合格することが出来ました。
そして麻布大学に入ったときに、受験の時数学が苦手なままで入った合格した人はほとんどいませんでした。
もともと苦手だった人はたくさんいましたが、それを受験期に克服してきたのです。そしてみんなが数学をしっかり得点できたことで合格出来ていたのです。
実は理科(特に生物)や英語は割と受験生みんなが得意としていて、特に生物なんて偏差値のインフレが起こるくらい高い人ばっかりでした(笑)
でも数学となると10人中9人は苦手としています。偏差値で言うと得意の生物より10も20も低かったりします。
その数学を得意科目レベルまで引き上げることが出来た人だけが、獣医学科に合格していることをしっておいてほしいのです!
③物怖じせず、獣医学科はたくさん受ける!
現役生は特に、自信がないことや体力的な心配をして獣医学科を全校受験しないことがあります。それはとってももったいないです!
私立の獣医学科の受験は連日行われるため、確かにスケジュール的にはハードです。でも不可能ではありません!
5~6日くらい連続で獣医学科を受けても、意外と踏ん張れます。それは浪人して体力がなくなった僕でもできたのですから、現役生の皆さんなら余裕でしょう。
私立の獣医学科は辞退することも考慮して多めに合格者を出します。そしてそれでも足りない場合は補欠合格を出すことだってあります!意外なところで引っかかったりして、思わぬ合格を勝ち取ることも珍しくありません。
また、たまたま自分が得意なところが出題されることだってあります。その可能性を上げるためにも、ぜひ私立の獣医学科は全校受けてほしいのです!!
僕の友達に、全大学落ちて浪人の準備をしていたところに麻布大学から補欠合格の連絡が来たって人もいました(笑)
そんなミラクルもあるので、頑張って受験しましょう!
そして安心してほしいのが、獣医学科はたとえどの大学に進もうが、同じレベルの教育を受けられますし、国家試験合格率も全校高いです!常にどの大学も合格率80%以上をキープしています!!
そのことについては以下の記事を参考にしてみてください!!


それでも現役では合格できない人のほうが多いです・・・
先ほど述べたのが現役で合格するための方法と、合格した人たちの共通点です。
とはいえやはり獣医学科は10倍以上の倍率があります。となると当然現役では合格できない人のほうが多いのが現実です。
その時に僕は絶対にあきらめないでほしいのです。もし金銭的に浪人することが出来るなら、絶対にしたほうが良いです!たとえ現役時で燃え尽きたり、浪人は絶対したくない場合でもです。
大学受験が終わって6年以上がたちましたが、あの時頑張っておけば良かったと口にする人が実はとっても多いです。
「獣医に本当はなりたかったけど、当時は頑張れなかった」
とか
「大学生になりたかったから、浪人はしたくなかった。」
なんて将来言うのはとても悲しいことです。獣医学科にも一度他の大学に行ったり、別な職業についてから再チャレンジして入った人がたくさんいます。そうやって後悔するくらいなら、辛くとも1、2年くらい頑張ってほしいのです。
獣医学科にはそうやってつらい時期を乗り越えてきた人がたくさんいます。入ってしまえば浪人時代の苦労話なんて、笑い話になっちゃいます。
だから初めから浪人を推奨するわけではないですが、現役でだめだったとしても諦めずに何回も挑戦してほしいのです!!
獣医学科を諦めて後悔している人はたくさんいますが、獣医学科に頑張って入って後悔している人なんて一人もいないんです。
だったら諦める理由なんてありませんよね?
僕も1年浪人しましたが、けっして後悔はしていませんし、それが今の自分を作ってくれたと思っています。多少人よりスタートが遅れたって、大丈夫です!!
今全力で頑張って、それでもだめだったら、上手くいくまで挑戦し続けて下さい!!
では!