皆さんこんにちは!最北端獣医師のノスケです!僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、現在は日本最北端の地で牛の獣医をやっています!
獣医を目指したのが高校1年生くらいですので、あれから10年…。まさか本当にこうやって獣医をやっているとは、感激です(笑)
さてそんな僕も獣医を目指し始めたころは、そもそも獣医師に関して何にも知らない状態で、どんな大学に行けばいいのか、受験の科目や難易度はどんなもんなのかなどについて知らないことだらけでした。
つまり、獣医師になるには??どうすれば良いの??って状態ですね。
そんな当時の僕へ、アドバイスをするつもりで今回の記事は書いています。今回ご紹介するのは、獣医師を目指す人が必ず通らなければならない3つの関門についてです。
獣医師免許を取得するためにはどうすれば良いのか?
獣医師になるには?
というテーマに沿って書いていきます。
今回の記事の内容!
・獣医師免許を取得するための関門とは?
①大学受験(獣医学科)
②CBT・OSCE
③獣医師国家試験
・どのくらい大変なの?
といった内容について書いていきます。
この記事を読めば、漠然と獣医師という仕事に憧れているけど、まずどういう道を辿ればいいのか分からない!!
という人でも、獣医師になるための道が分かるようになります。
では1つ1つどのようなものなのか見ていきましょう!
獣医になるには?
大学受験
獣医師免許を取るための試験である、獣医師国家試験を受験するためには、獣医学科を卒業することが条件となります。
獣医学科は国立大学と私立大学の計17大学に存在しています。
国立大学は北から、北海道大学、帯広畜産大学、岩手大学、東京大学、東京農工大学、岐阜大学、大阪府立大学、鳥取大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学の11大学に設置されています。
また私立大学は酪農学園大学(北海道)、北里大学(1年目神奈川県のキャンパス、2年目以降青森県十和田市のキャンパス)、日本獣医生命科学大学(東京都)、麻布大学(神奈川県)、日本大学(神奈川県)、岡山理科大学(愛媛県)の6大学に設置されています。



たったこれだけの大学にしか獣医学科は存在しません。
他の学部学科なら全国に大学が存在し、もっと門戸が広くなっています。
でも獣医学科は大学数がまずとても少ないということを覚えておいてほしいのです。
そして定員なのですが、国立大学は1大学当たり入学者が30名程度、私立大学が1大学当たり100~140人程度となっております。合計で1000人程度が毎年獣医学科1年生として入学します。
どうですか?とても少ないですよね?これが結局情報が少ない要因となっているのです。
合格者がこれだけしかいないから、先輩などから経験談を得られない、専門の予備校に行かなければ情報が得られないという結果になってしまいます。
にもかかわらず、倍率は国立大学で5倍以上、私立大学では10倍前後と高いハードルが待ち構えているわけです。情報を正しくつかみ、正しい勉強をしないと合格は厳しいものとなります。
だからここの関門で何年も浪人する人が多く、最初にして最強の関門になってしまうわけです。
正直ここが一番高いハードルなんですよね(笑)
ここを突破できるなら残りの2つはそこまで大変なハードルじゃないんです。それくらい高いハードルなので、毎年たくさんの人が受け、浪人を重ねる人もたくさんいます。
一筋縄ではいかないのがこの獣医学科受験なのです。
そして気を付けてほしいのが、獣医師になるためには必ず6年制の獣医学科を卒業しなければならないということです。
大学によって異なるのですが、獣医学部という大きい括りの中に6年制の獣医学科が存在します。獣医学部には他にも4年制の学科が存在し、そちらを卒業しても獣医師になることは出来ません。
それを知らずに受験する人はほとんどいないでしょうが、薬学部ではたまにある話らしく、4年制のほうに入ってしまい国家資格をもらえないなんてことにならないようにしましょう!!
・獣医学科のある大学は全部で17校(国公立11校、私立6校)
・定員が少なく、合格しづらい
・4年制ではなく、6年制の獣医学科に入らなくてはならない
・実質大学受験が一番の難所
CBT・OSCE
無事大学に合格すると、そこからは厳しくも楽しい大学生活が待っています!1年に2回ある鬼の期末試験を乗り越えて無事進級していくと、4~5年生の間にこのCBT・OSCEという試験がやってきます。
この試験の日程は大学によって異なるのですが、要するにこれまで勉強してきたことがしっかり身についているかの確認試験のようなものです。
運転免許の試験で言うところの仮免許のようなポジションです。獣医学科では数年前から始まり、実は僕たちの代が初代になります。
学科試験であるCBTと実技試験であるOSCEの両方を行い、その後に行われる実習に参加するに足るかどうかをテストされます。
このCBTとOSCEに合格すると、その後に行われる参加型臨床実習というものに出られるようになります。
これにより、学生が実際に治療行為に参加することで、よりリアルに獣医の仕事を学ぶことができます。
まあ落ちる人はあまりいませんし、受験に比べたら屁みたいなもんなんですが、学力試験に加えて縫合や聴診などの実技試験もあるので結構緊張します(笑)
しかもこれに落ちてしまうと留年になってしまうので、しっかり対策することに越したことはありません。
まあ、とはいえ大学でしっかり対策してくれるのであまり心配はいらないです。
そんでもってCBT・OSCEに関する詳しい記事はこちらです!!

・次にやってくる関門はCBTとOSCE
・自動車免許で例えると、仮免許試験のようなもの
・これに合格することで、その後の実習に参加できる
・そこまで心配せずとも、ほとんどの人が合格する
獣医師国家試験
さて、受験もCBT・OSCEも突破し、無事進級しながら大学生活を謳歌しまくったら、最後の関門獣医師国家試験です。
これまで6年間で習ってきたこと全てが試験範囲になります。とてつもない量なんですよね(笑)大学受験が可愛く思えてくるぐらいに。
流石にこの試験前になると精神を病んでしまう人が続出します。不安にかられて泣き出してしまう人や、常に弱音ばかり吐いてしまう人などです(笑)
この試験はおおよそ毎年1100~1200人くらい受験します。
そして合格率が8~9割程度です。そこだけ切り取るとそんなに大変じゃないように思えますが、受験に合格し、6年間しっかり授業についていっている人たちのなかで1~2割が落ちてしまうので、必ずしも簡単とは言えませんよね。
だからみんな必死で勉強するんです。それこそ受験期を超えるくらいに。勉強する習慣はみんなついているので、やりさえすればほぼ合格します。
国家試験に無事合格すれば、晴れて獣医師として4月から働くことが出来ます!
最終的に獣医師として社会に出ていくのは、毎年1000人程度になります。なので獣医師という仕事がいかに希少性が高いかが分かると思います。
獣医師国家試験に関する詳しい記事は以下に貼っておくので、ぜひ参考にしてみて下さい!


・最後の関門が獣医師国家試験
・合格率は8~9割程度
・範囲がものすごく広いので、勉強がとても大変である
・毎年1000人程度が獣医師として社会に出ていく
獣医師になるのはどのくらい大変なの?
では具体的には獣医師になるのはどのくらい大変なのでしょうか。
まず獣医学科のおおよその偏差値からみていきましょう。例えば多くの人が受験する河合の全統模試で言うと、獣医学科の偏差値は最低でも65はあります。
共通テストで言うと80~85%程度は必須ですね。
これはMARCHよりもはるかに高いですし、早慶と同じレベルくらいです。そして獣医学科は特徴として、入りやすい大学がないということがあります。
大学数が少ないため、あまり大学間に難易度の差がないのです。
薬学部や歯学部は、大学間の偏差値の差が大きく、大学さえ選ばなければ割と誰でも合格することは出来ます。
でも獣医学科はそれが出来ません。つまり一定レベル以上の学力が必須になるわけです。
また倍率もとても高く、国公立の獣医学科なら5倍前後、私立の獣医学科ならば10倍前後は毎年あります。
つまり10000人くらい志望して、最終的に獣医師になることが出来るのは1000人程度ということになります。
実際僕の通っていた高校でも、獣医学科志望の人は10人くらいいましたが、結局今獣医師として働いているのは、僕だけです。
それくらい難しく、諦めてしまう人が多いのが現実です。
まずはしっかりとした情報収集、そして周りが諦めてしまっても自分は諦めないというモチベーションを持つことが重要になってきます。

さいごに
獣医師になるためには大きく3つの関門があることをご紹介してきました。確かにどれも大変なのですが、やはり最初の関門に比べると、他の2つは合格率が圧倒的に高いのです。
CBT・OSCEは99%受かりますし、国家試験だって80%以上合格します。
ですが、大学受験に関しては毎年10倍以上の倍率があることを考えると、合格率は10%以下ということになります。だからこそこの最初の関門をいかに突破するかにかかっているのです。
10代でいきなり一番大変な関門を突破しなければならないのは大変なことです。失敗することのほうが多いです。でも諦めないで挑戦し続けてください!ここさえ突破すればあとはもはや流れに乗っていれば大丈夫なので(笑)
このブログでも僕の経験を余すことなくお伝えしていくので、ぜひ参考にしながら日々の勉強にいそしんでください!!
では!!