皆さんこんにちは!!最北端獣医師のノスケです!
僕は現在獣医師として働くかたわらで、獣医学部受験や、獣医師のリアルなどについて、徹底的に解説しています!
ところでこのブログを知ってくれて、そしてこの記事を読んでいるみなさんは、多かれ少なかれ獣医師という仕事に興味を持っていると思います。
そしてその夢を持つ時期は人それぞれですが、割と早い段階で獣医師という夢を持つ人は多いように感じます。
それは小さい子たちの夢ランキングでも明らかですよね!
特に女の子からの人気が根強く、毎年のようになりたい職業トップ10に入っています。

獣医師になるためには、獣医学部のある大学に行かなくてはなりませんから、当然本番は大学受験ということになります。
大学受験が本番ということは、高校時代の過ごし方が大切になるわけですが、
その高校生の生活を決めるのは、中学生時代の過ごし方になります。
つまり、中学時代の過ごし方が獣医学部受験の結果を左右する!
といっても過言ではないのです。
そんな方々へ向けて、今回は
獣医師になりたい中学生がやるべきこと!!
というテーマで記事を書いていきます。
今回の記事の内容!
・獣医師になりたい中学生がやるべきこと
・獣医学部に入ってくる人はこんな人たち
・獣医学部受験は今簡単になっている?
自分の進路についてなんとなくリアルに考えだすのがこの年齢だと思います。
でも正直そのために何から始めていいのか分からない…という人も多いんじゃないでしょうか?
Contents
獣医師を目指す中学生がしなければならないこと
①獣医師についてまずはいっぱい知ろう!!
まず一口に獣医って言っても仕事の分野はたっっくさんあるんです。代表的なのは犬とか猫の獣医さんですよね?
でもそれだけじゃないんです。
牛だって豚だって馬だって、鶏だって診ます。時にはウサギ、亀、インコ、ヘビ、何なら魚だって診療するひともいるんですよ!
世の中の人間以外の動物はほとんど獣医さんが診療するっていっても過言じゃないんです。
しかもそれだけじゃなくて、皆が食べるお肉の検査だったり、食中毒が発生したりした時にそれを調べるのも獣医さんの仕事です。
動物と人間両方がかかる病気を防ぐのも獣医さんの仕事なんです。
動物だけじゃなくて、人の健康も守っているのが獣医さんなんです。
動物を助け、健康にしてあげることで、人間も守る仕事。それが獣医です!!
めちゃくちゃカッコよくないですか!??
ここまで聞くと獣医さんは華やかな仕事に思えるでしょう。でもそれだけではないってことも分かっておいてください。
動物は素直で可愛いです。
だからこそ嫌なことにも素直に反応します。人間なら痛くても不快でも、それが治療なら我慢しますよね?
でも動物は違います。
治療だとしても痛ければ暴れるし、怖ければ攻撃してきます。犬なら噛みますし、猫なら引っ掻きます。牛や馬なら蹴ってくるし、豚だってかみついてきます(笑)
しかも加減せず思いっきり。当然ケガをめっちゃします。
動物が大好きなのに、むしろ動物からはめっちゃ嫌われるんです。それが獣医です。
可愛い部分だけを見て、キュンキュンしてればいいという仕事ではありません。
大好きな存在に嫌われながら、攻撃されながら、それでも守ってあげるのが獣医という仕事なんです。
だからこそ、だれでもできる仕事ではありません。
たくさんの知識、経験、愛情が必要になります。なるためにはとても狭き門をくぐり抜けなければならないんです。
受験もかなりの難関です。獣医になれる大学も全国に17校しかないんですよ。
そして倍率も10倍とか普通に超えます。
高校生の最後までその夢を追いかけて、頑張った人のなかで(時には浪人して)、たった10%くらいしか毎年獣医の大学には合格できないんです。
そんな大変な思いをしなけば獣医にまずなれませんし、なっても大変な仕事が待ち受けています。だから多くの人が途中で諦めちゃいます。
ぼくの周りにもこれまで獣医になりたいと言っていた人はたくさんいましたが、結局なったのは僕一人だけでした。
だから皆さんには獣医という仕事は想像してるよりも大変だし、なるためにも相当な努力が必要であることをまず知ってもらいたいのです。
とはいえ獣医さんの仕事はめっちゃカッコいいですし、それだけの地位をゲットできます。
給料も良いです。見合うだけの対価を貰えます。だからこそまずは絶対にあきらめない心を持ってください!!

②自分の都道府県のなかでトップクラスの高校に合格する!!
どうしてかというと、獣医学科に合格する人たちって当然ではありますが、勉強をめちゃくちゃ頑張っています。
僕が獣医学科に入って驚いたのが、ほとんどの人が有名な難関中高一貫の学校を卒業してきていることでした。要するにみんな賢いんです。
中高一貫に私立高校からきている人は、正直頭のできが違うって思う人もたくさんいます。
そして勉強量も半端ないです。
僕は岩手のクソ田舎出身でしたので、当然そんな中高一貫の学校なんてありません。
でもなんとか県でトップの高校に運良く合格しました。
それでも同級生にいた獣医志望の友達はみんな諦めていきました。
県でトップレベルの高校に通っていたとしても、受験の大変さが理由で諦める人が多数なんです。
それくらい難関であることを分かってほしいのです。
そんな僕も結局は1浪してやっとこさ受かったので偉そうなことは言えないですけど(笑)
合わせて6大学くらい獣医学科を受験したのですがそのうち半分くらいしか合格しませんでした…。
獣医を目指し、大学に合格した同期のレベルの高さ、そして教育レベルの高さを僕は身をもって知りました。
多くの人が中学生に時点からレベルの高いところで夢に向かって頑張っていたのです。
その環境にいる人、つまりすでにレベルの高い中高一貫校に通っている人は大丈夫ですが、そうでない人はせめて高校は県内トップレベルに合格することが必須条件です。
でないととてもじゃありませんが、全国のレベルの高いライバルに椅子を奪われてしまいます。
いいでしょうか?それが”最低条件”です!!
あくまでハイレベルの高校に進めてはじめて同じような土俵で戦えるわけです。
今から大学受験のライバルを見据えるのは難しいと思いますし、僕も当時はそんなことは知る由もありませんでした。
でもそういう人たちがライバルである事実をまずは知ってほしいのです!!
でないと僕みたいに浪人してゾンビみたいな受験生になりますよ(笑)

③数学を得意にしておく
はい、これは実際に受験生になってみないとわからないことでもあります。
このことについて解説するにあたり、まずは獣医学部受験はどういった世界なのかを軽く説明しておきます。
獣医学部の受験の特徴
・倍率が5〜10倍は当たり前
・理科の選択科目が生物の人が大半(7〜8割)
・数学を苦手とする人がめっちゃ多い
・数学の試験範囲が狭い(一部例外あり)
これを羅列したところで、多分ほとんどの人はピンとこないでしょう。
倍率が高いなあ…くらいの印象でしょう。
ですが、その下3つから獣医学部受験者の傾向がわかります。
それが、
獣医学部受験者は、数学が苦手で、しかも狭い範囲さえ出来なくて、そのために生物にのめり込む傾向にある。
ということです。
獣医学部を受験する人の大半は、生物選択です。
その理由は、生物学が好きだからというのもありますが、実は数学が苦手だから物理とかムリ!!っていう背景もあります(かくいう僕もそうでしたw)
なので数学が苦手という意識を持つ人がかなり多いわけです。
そして獣医学部は数学の試験範囲が狭い大学が多いので(数3という分野が不要の大学が多い)、やるべき範囲は少ないのです。
それでも数学ができない人が多数で、それを好きな生物で補おうとして失敗するパターンがとても多いです。
なので、僕はこのブログを通して、
数学を得意にすれば獣医学部合格はかなり近づく!!
ということをずっと言っています。
それくらい数学は大切な科目なのです。
そしてその数学の苦手意識は、中学時代から引きずっている人が大半です。
中学の頃の苦手意識は、高校生活でも消えません。自信がないからやりたくない。
やりたくないから伸びない。
このループに陥りがちです。
なのでせめて高校生になる前に、中学校の内容は得意にできたという実績を作っておいてほしいのです。
それができたなら、仮に高校でつまづいてもまた頑張る気力が出てきます。
それをしてこないと、「あ〜やっぱり数学できないなあ。獣医学部なんて夢のまた夢だ…」という諦め思考になってしまいます。
できないことができるようになったという自信が、その後の受験勉強で大きな支えとなってくれるので、ぜひ数学は得意にしておきましょう!!
④その目標を声に出して、周りに伝えていく
行けたらいいな~とか、心の奥底にひっそりと思っているだけでは、目標って達成できないんです。
例えば普段なにか決意したとして、それをひっそりと思っているだけだと、いつの間にかどうでも良くなってしまったことありませんか?
そのことを知っているのは自分だけ。だから自分さえよければ結局その目標を追うことを辞めてしまう…。
だれでも多かれ少なかれあると思います。そしてそれは大きな目標であればあるほどすぐに諦めてしまいます。
だからこそ周りに獣医師になりたいと公言するんです!!そうすれば皆あなたをそういう目で見ます。そして親御さんは喜んで協力してくれるでしょう。
そうなってしまったらもう簡単には諦められないですよね?頑張るしかなくなる。
僕もこれまでどうしても達成したいことがあったら、それを口にして、逃げ道を塞いできました。
高校受験、大学受験、フィジークのコンテストなど、怖くてやめてしまいたくなったこともありましたが、逃げ道を絶ってなんとか立ち向かってきました。
そうして頑張った結果って、しっかりついてくるもんなんですよね。
そして獣医学科で出会った人たちもそういう人が多かったです。
みんな決意した時から獣医学科を受ける!!と宣言し頑張ってきた人たちばかりです。
失敗して何浪もした人もいますが、それでも最後まであきらめなかった人が、獣医学科に合格できます。
僕の中高時代にいた、獣医学科を志望して諦めていった人たちは、やっぱりどこかで逃げ道を用意していました。
「自分にはハイレベルすぎるから…」とか、「浪人したくないから…」なんていって諦めるほうが後で何倍も苦しみます。
あの時頑張っておけば良かったという後悔が一番つらいですよ。
僕もそんな後悔はたくさんありますが、頑張っているときの苦労より、頑張らなかったあとの後悔のほうがずっとずっと辛いんです。
だから大変でも、退路をあえて絶って、まずは県内トップの高校に合格するというリアルな目標に向かって頑張ってください!!
獣医学部受験は最近簡単になってきている?
そしてこれから獣医学部を目指そうとするみなさんに朗報です!
獣医学部受験は、過去のどの時代よりも難易度が下がってきています。
僕がこのように思う理由が、
- 獣医学部全体の倍率が下がってきている
- それに伴い合格点も下がっている
- 獣医学部のある大学が増えた
ということがあるからです。
特にこの傾向は私立の獣医学部において顕著です。
例えばこのデータを見てください。
僕が受験した当時、私立の獣医学部の倍率は、
5〜10倍が相場でした。(僕の母校麻布大学で8倍前後)
ですが2021年の私立の獣医学部のメインの試験の倍率は、この時と比べるとかなり落ち着いてきています。
例)
麻布大学:5.0倍 日本獣医生命科学大学:4.0倍 酪農学園大学:1.8倍 北里大学:3.7倍
どうでしょうか。当時と比べるとかなり倍率は下がっているのがわかります。
これはここ最近に見られる傾向で、獣医学部の人気が落ち着いてきているということの証拠となります。
また、岡山理科大学が最近できましたよね。
この大学の登場により、獣医学部の定員が15%も増えました。
獣医学部の倍率が下がり、さらに定員が増えたことが重なったので、現在の獣医学部はかなり入りやすくなっているということが言えます。
獣医学科をめざすことは孤独な戦いだということ
獣医学科に入学するのは毎年1000人程度です。
そして倍率が10倍だとすると、10,000人が受験します。全国には50万人以上の受験生がいますので、単純に50人に1人程度しか獣医学科をそもそも受験しません。
単純に計算しても学校に複数人いるかどうかです。自分一人しかいないなんてことも普通にあります。そしてさらに合格した人はもっと少ないわけです。
ということは一緒に目指す人もいなければ、合格した先輩もいないから、情報が少ない。
だから自分一人で頑張るしかないし、情報も自分で手に入れるしかないです。学校の先生だってほとんどが獣医学科の受験のことなんて良く知りませんよ。
そのことを覚えておいてほしいのです。
そしてそれでもあきらめずに頑張ることを続けてください。そのためには、今まずは目の前の勉強から逃げずに自分だけでも戦うのです。
僕もそうでした。
岩手のクソ田舎では獣医学科の情報なんて手に入りませんから、孤独でした。
でも前述した通り、声に出して目標を掲げていたので、逃げることは出来ませんでした。
受験は想像よりきついし孤独ですが、それでも頑張りぬいた人だけが獣医学科に入れます!
最後に
憧れる人が多い職業だけに、やはりその道はとても険しいです。
でも獣医学科に合格して、獣医師として働いている人はその壁を乗り越えてやってきました。
そしてそのためのステップは上に示した通りです。
まずはどんな手段でもいいので獣医学科について知り、そのためにしっかり勉強する。
具体的には県でトップの高校に合格する。そして最後にその夢を口に出して、自分を高めていく。
そうすれば夢へ確実に近づくことが出来ます!!
これは僕もやってきたことで、そして実際にうまくいきました。ですのでこの3ステップをしっかり行って獣医学科合格を掴んでください!
では!