皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケです!
僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業して、現在は日本最北端の地で牛の獣医をやっています。
今回はこんな疑問に答えていこうかなって思います!
この記事の内容!
・獣医師国家試験における解剖学の重要性とは?
・どの程度勉強するべきなの?
・解剖学との正しい付き合い方!
これらについて語っていこうかなって思います!
獣医学科に進んだ人なら誰しもが最後に通る最終関門
”獣医師国家試験”
これをクリアしなければ獣医師にはなれず、6年間の頑張りがフイになってしまいます。
皆さんが獣医学科に入って初めて学んだであろう専門科目が、”解剖学”なんじゃないかなって思います。
皆必死に当時は勉強したでしょうし、なかなか覚えられずに苦労もしたと思います。
そんな解剖学が国家試験で再度登場します。
そして出題数も10問以上あり、なかなかの存在感を放っています。
とりあえず解剖学から勉強してみるかあって考えてる人もいるんじゃないでしょうか。
とはいえ僕なんて、解剖学は再履修でした(笑)
だってつまんないし、覚えられないし…。
因果関係もくそもない学問で、覚えるのが本当に苦痛でした。
だからそんな科目が、国家試験で再登場するってなって、恐怖で震えていました(笑)
まあ結論から言ってしまえば、そんな僕でも何とかなったので、今回は皆さんに、
”獣医師国家試験と解剖学”を主題としてお話していこうと思います。
これを読んでもらえれば、きっと安心して国試勉強を始められると思います!
では行きましょう!!
Contents
獣医師国家試験における”解剖学”の重要性!
まあおそらくほとんどの人がこんなイメージを持っているんじゃないでしょうか。
なんせ大学に入って初めてやった専門科目ですから、思い入れも強いでしょうし、国試でも重要であるって考えますよね。
まあそれで正解です。解剖学は国試でも出題数は多いため、重要性は高いです。
解剖学
出題数
A問題 :10~12問程度
CD問題:1問
解剖学は、A問題の一番最初に10~12問程度出題されます。
つまり、国試のいっちばん初め、一番緊張しているときに解くことになるのがこの解剖学なのです。
そして最近の傾向として、画像問題としても解剖学は1問出題されます。例えば、骨標本の写真が出てきて、これは何骨ですか?って感じです。
まあ国試の一番最初に10~12問も出題されるわけですから、当然重要な科目であることには違いないのですが、
実は解剖学は、あまり最初から勉強すべきではない科目でもあるんです。
そして最悪捨てても特に問題ないってことも言えます。
そして一度はまると抜け出せない”沼”的な要素も持っているのが、この解剖学なのです。
どうしてこんなに出題数があるのに、最悪捨ててもいいのでしょうか。
その理由を次の章で解説していきます!
解剖学を最初から勉強すべきではない理由!!
①範囲が果てしないから
まず解剖学の範囲は、とっても広いです。
皆さんが解剖学を履修していたころを思い出してほしいのですが、解剖学って膨大な量がありましたよね。
単純に骨と筋肉と臓器。これだけでも覚えるとなると半端ないのに、それを種差まで覚えなきゃならないんですよ(笑)
犬・猫・牛・馬・豚・鶏と、解剖学だけで言えば、人間の医者の何倍も覚えなきゃならないことがあります。
そして国試で問われるのは、こういった種差の部分なんです。
そして因果関係もほとんどないため、納得して覚えるというより語呂などを駆使して力ずくで覚えるほかありません。
それは、国試のお供である北大まとめを見ても明らかです。
国試に合格するために必要なことを網羅してある北大まとめでさえ、解剖学のページは果てしなくあります。
ハッキリとした記憶はないのですが、確か150ページとかそれくらいあった記憶があります(笑)
生理学で60ページ、薬理学でさえそこまでのページはなかったので、いかに解剖学の範囲が広いのかが分かると思います。
そしてなかなか記憶に定着しないので、嫌になりますし、時間をかけた割に成果があまりないような気持ちになってしまいます。
②頻出分野があまりなく、やるべき範囲を絞りづらいから
解剖学のさらに厄介なところが、頻出の問題があまりないということです。
例えば、病理学なら病理総論の「炎症の分類」だったり、薬理学なら「利尿薬」とか、ほとんどの科目において毎年必ず出ている分野が存在します。
でも解剖学は、そういう傾向がそこまで強くないので、どこかを重点的にやるっていうのが通用しないんですよね。
そして一つに分野はどこまでも掘り下げられるので、なんか終わりが見えないし、やったからって出題されるとも限らない…ってなります(笑)
まあそれでも、やればそれなりに見えてくるものもあるので、全くの無駄ってわけではないのですが、少なくとも最初にやるべきではないかなあって個人的には思います。
ちなみに解剖学の教授が、「解剖学は果てしないから、僕が作ったこのプリントさえやれば最低限は押さえられる」と言っていたプリントでさえ、とてつもない量でした(笑)
③他の科目との相関性が少ないから
僕はこれが何より気がかりだったのですが、
解剖学をやっても、解剖学しかできるようにならない!ということです。
例えば、生理学を勉強すれば薬理学の理解は深まり、勉強がはかどります。
病理学をやれば伝染病学の理解も深まり、そしてそれは微生物学や公衆衛生学、臨床分野にもいい影響を及ぼしてくれます。
しかし解剖学は他の学問との相関性があまり高くなく、解剖学をやっても他の科目には結び付かないことが多いです。
せいぜい画像診断で、そこがどの部位かがわかるようになるってくらいでしょうか。(他にもあるでしょうが、思いつきません(笑))
僕が最初にやるべき科目ってのは、もっと他の科目との相関性が高く、そして量も少ないことが必須ではないかなと思います。

その点から考えると、解剖学は対極にいます(笑)
だから解剖学はとりあえず後回しにして、他の科目から手を付けたほうが賢明なのではないかなと思います。
解剖学はやってもやっても得点に結びつきづらい!
前述の通り、解剖学は苦労の割にあまり報われない科目なんです。
僕の場合、解剖学を全く勉強していない状況で、
3~4点/12~13問中
くらいでした。まあひどい点数ですね(笑)
流石にこれでは不安だったので、僕も解剖学を勉強し始めました。
僕は1月の末から国試当日までの間、それなりに対策しました。他の科目の対策をそれなりに終えていたので、解剖に集中してやっていました。
その結果ですが、国試の当日の点数で、
6点/12問中
でした。う~んほとんど成果が出ていませんね(笑)
まあ僕のセンスとか暗記力が足りないというのもあるのでしょうが、それでもやっぱり解剖学の成果はそれほどありませんでした。
全く対策していなくても勘とこれまでの知識で、4割くらいは取れるので、わざわざ対策する必要があったのか…
国試が終わってみてあまりやる必要はなかったのかなあって思います。
まあ僕の場合は他の科目を先に出来るようにしていたので、残った時間で解剖学を対策できました。
ですが、やっぱり最初から解剖学を極めようとすると、あんまりいい結果にはならないことが多いんじゃなかなって思います。
解剖学をやるべきタイミング!
結論になりますが、
解剖学は、他の科目の対策がある程度終わって、余裕が出てきたころにやるのがベスト
じゃないかなって思います。
時期的には1月の後半~国試前あたりです。
やっぱり国試勉強の前半戦はもっと重要性の高い、つまり他の科目との相関性が高く、分量も少ない科目からやるべきです。
例を挙げるなら、病理学総論や生理学などです。
そういった科目をある程度やり終えて、解剖学をやらなくても合格点をコンスタントに超えられるようになった人がプラスαでやるのが良いと思います。
解剖学は果てしなく、それこそ沼にハマってしまうので、注意が必要です!
先輩に聞いてみても、解剖を捨てた人はたくさんいました。やはり見切りをつけることも重要なのかなって思います。
解剖学を捨てたくらいじゃ国試には落ちません!
むしろ沼にハマって他の科目を犠牲にするほうが怖いです!!
解剖学は出題数こそそれなりに多いですが、優先度はそこまで高くありません!!
そこに気を付けて日々勉強して言って下さい!
では!!