皆さんこんにちは!最北端獣医師のノスケです!僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、現在は牛の獣医をやっております!
職場にはいろんな大学の卒業生がいて、その人たちの話を聞いていると、私立と国立の獣医学科は色んな点が大きく違っているんだなあと気が付きました。
受験生の当時はまるで気が付かなかったことも色々判明し、同じ獣医学科といえど6年間の生活はかなり違ってきます。
現在獣医学科を視野に入れている人で、国公立と私立の獣医学科でいろいろ迷っている人がいたら、この記事を参考にしていただきたいです!
ではいきましょう!
Contents
国公立と私立獣医学科で共通の点とは??
例えば医学部や薬学部、歯学部といった他の医薬系学科は、偏差値や進級率、果ては国家試験合格率に至るまで大学間での格差が大きく問題となっています。
しかし獣医学科はそんなことが全くなく、どの大学に行こうが、同じレベルの教育を受けられ、進級率や国家試験合格率はどの大学もかなり高い水準を維持しています。これはかなりうれしいですよね!
また就職において有利不利の差はなく、学歴などで苦労することも全くありません。ですので基本的な部分で大学間に差がないということは覚えておいてください!!
そのことに関することは以下の記事で詳しく述べているので、よろしければ参考までにどうぞ!!


それぞれのメリットとは??
国公立獣医学科のメリット!
まずは国公立獣医学科についていい点を挙げていこうと思います!
授業料が圧倒的に安い!
私立の獣医学科は基本的に1300万円~1500万円は6年間でかかります。それに比べて国公立大学は一律で350万円程度です。
となると1000万円以上6年間の費用が変わってきます。これはかなり大きなメリットでしょう。
学科の人数が少人数なため、より濃い学びを受けられる
国公立の獣医学科は基本的に1学年で30~40人程度です。私立は多いところだと1学年150人近くいるため、どうしても教授たちと距離が出来てしまったり、多数の中の1人になってしまいがちです。
ですが国公立の獣医学科なら、教授も一人一人の顔を覚えやすいですし、一人当たりに掛けてくれる時間も多くなります。当然賢い学生が多いです。
いろんな学部の学生と交流できるし、キャンパスも大きい!
国公立の獣医学科は基本的に単科大学ではなく、総合大学ですので文系や理系のいろんな学生と交流できます。特に最初のうちは授業もかぶるので、絵にかいたようなキャンパスライフを送ることが出来るかも!
それに大学の敷地も基本的にデカいので、キラキラした学生生活を送ることが出来るでしょう!他学科からはモテること間違いなし!
国家試験合格率がほぼ100%!
国公立の獣医学科は国家試験合格率も毎年かなり高いです!私立も高いとはいえ、国公立大学は90%越えがざらで、100%の時も珍しくありません。毎年1~2人くらいしか落ちないので、その学力レベルの高さがうかがい知れます。
とにかく頭がいい人が多い!
僕がいままで出会った国公立獣医学科の人たちはとにかく皆賢いです。まあもともと受験の時から頭が良いというのもありますが、濃い6年間を過ごしてきたこともあり、知識がとんでもないです。
また勤勉な人が多いので、職場でも知識でリードしています。そういった人に囲まれて過ごす6年間によって、自分もたくさん成長することが出来るでしょう!
他にもまだまだありますが代表的なのはこのあたりかなって思います。
国公立の獣医学科の強みはなんといっても、学費の安さとキャンパスの大きさ、そして1人当たりの教育の濃さだと僕は感じました!!
私立獣医学科のメリット!
では今度は私立獣医学科のメリットを見ていきましょう!
学科の人数が多いから楽しい&横のつながり縦のつながりが強い
私立の獣医学科は1学年当たりの人数が100~150人程度です。これは国公立の獣医学科の3~4倍にもなります。となると当然同期の友達もOBも増えます。
色んな職場に大学のOBがいることはとても心強く、そのつながりで多くの情報が得られます。将来の就職についての情報や試験、学生生活など多くのことを先輩に聞けるのは、私立獣医学科の大きな強みなのではないかと思います!
そして同期間でも情報の共有ができるので、分からないことがすぐに解決しやすいと思います。
学年が上がっても、仲間が多いため楽しい!
国公立の獣医学科は学年が上がると、他の学科の同期は就職していなくなってしまうので、残されるのは30~40人程度です。ですが私立の獣医学科は同期がたくさんいるので、最後まで仲間が多いです。
獣医学科は大変なカリキュラムですから、それをともに頑張る仲間が多いほど良いと思いまます。国試や卒論など辛い場面でも、研究室の仲間や同期の存在はとても大きいです。
研究室の数が多く、色々な選択ができる!
学生の数が多いということは当然研究室の数も多いです。たくさんの分野の研究室が存在し、自分の興味のある分野を突き詰めることが出来ます。
麻布大学は獣医学科で一番研究室の数が多いため、学びたいことが学べます。また自分の時間が欲しい人のために、そこまで忙しくない研究室もいくつか存在するため、研究活動ではなく、自分の時間を優先させるという選択もできます。
国公立の大学だと、1つの研究室に1~2人程度しか入れないため、忙しい日々が続き、また少し孤独感を感じてしまうかもしれません。
ですが私立の獣医学科は1つの研究室あたりに5~6人配属されることも珍しくないため、ワイワイと楽しく、旅行なんかに行ったりもしますよ!
授業料が高い分、レベルの高い実習が受けられる!
私立の獣医学科は国公立の獣医学科に比べ、より実習の内容が濃いように感じます。大学付属の動物病院にも、さまざまな道の専門家がいて、それぞれの科を実習で回るため、学生でありながら、非常にレベルの高い実習が受けられます。
6年生では希望制でさらに深くまで学ぶことのできる実習もあるため、学生のうちからたくさんのことに触れることが出来るでしょう。
国公立の獣医学科より学生生活の自由度が高い!!
国公立の獣医学科の方に話を聞いていて知ったのが、皆さんかなりハードに研究や卒論をやっていたということです。
先ほども述べましたが、国公立の獣医学科は1つの研究室あたりに1~2人程度しか配属されないため、役割の負担が大きく、研究もかなりハードです。
それが学生の本分なのですから、当然と言えば当然なのですが、全員が全員研究をハードにやりたいわけではないと思います。自分の時間を大切にしたい人もいることでしょう。
その点私立の獣医学科は、そういった人用の研究室も存在するため、割と学生生活を自由に設計することが出来ると思います。途中で研究室を変えることだって出来ますから、自分が思うままに学生生活を楽しめます!!
それぞれのメリットのまとめ
ここまで代表的なメリットを挙げてきましたが、
国公立の獣医学科の強みは
・金銭面
・少数精鋭のため、学びが濃くなること
あたりかなと思います。
逆に私立の獣医学科の強みは
・人数が多いため情報量が多いこと
・学生生活の自由度の高さ
が代表的だと感じました。どちらもとても重要なことですので、進学の際は頭に入れておくといいと思います!
お次はデメリットについてもそれぞれ述べていきましょう!
それぞれのデメリットとは??
国公立の獣医学科のデメリット
国公立の獣医学科にデメリットはあるのかって感じなんですけど、人によっては感じてしまう人がいるのかなって思います。
研究室活動がハード
まあこれに関してはその人によって感じ方が違うのですが、研究室活動がかなりハードなように思います。先述の通り、研究室1つあたりに学生も1~2人なので責任が大きく、やる内容もハードです。
それが苦でなければ大丈夫なのですが、やはり経験者は皆が大変だったと振り返っていました。みんな6年生の時が一番顔が死んでいたと(笑)
私立だとそこらへんは割と選べると思うので、自由度は高いです。
同期や先輩が少ない
国公立の獣医学科は1学年が30~40人程度なので、同級生や先輩が少ないです。ですので大学の同期やOBから得られる情報が少なくなってしまいます。
社会に出ればたくさんの大学の人と交流することが増えますが、学生のうちはどうしてもそれには限界があるため、得られる情報が少なくなりがちです。
ですので情報量や縦や横のつながりに関して言えば、私立の獣医学科に軍配が上がるのではないかと僕は思いました。
また学年が上がるにつれ、獣医学科間での交流が増えてきます。他の学科の人たちは先に卒業していくため、獣医学科の人たちのみが残されます。
となると30~40人しか1学年にいないと、少し寂しいのかなと僕は思います。僕がいた麻布大学では140人くらい1学年にいたので、色々な面で心強かったです。
とはいえ少ないことでより絆が深まるということもあるので、一概にデメリットとは言えないかもしれませんね。
国公立の獣医学科のデメリットはこれくらいのものでしょうか。正直ほとんど思いつきません(笑)割と自分の考え方と行動次第でどうにでもなることが多いです!!
私立の獣医学科のデメリット
学費が高い!
結局はここが一番のデメリットかなと思います。国公立の獣医学科に比べて、3~4倍の学費がかかってしまうので。入りやすい分学費は高くなってしまいます。
とはいえ意外と結構な人数が奨学金を借りているので、解決方法はたくさんあります。成績が優秀ならばより良い待遇も受けられるので、ぜひ活用してみてください!
私立の獣医学科の学費と、実際に麻布大学に通った僕に掛かった費用については、以下の記事で紹介しているので、参考までにどうぞ!!


学科数が少なくキャンパスが狭い
獣医学科のある私立大学は、割と学科数が少ない傾向にあるため、キャンパスがあまり大きくなかったりします。また、国公立の大学と異なり文系の学科もないため、いろんな学科の人と交流ってことはあまりないかもしれません。
僕もオープンキャンパスで、あまり大学が大きくないことに気づき、少しだけ残念に感じました(笑)
地方の私立獣医学科ならば大きいキャンパスがありますが、それでも学科数は少ないので、やはり寂しさを感じてしまうかもしれません…。
でもまあ実際通ってみると、そんなことあまりデメリットとして感じませんけどね(笑)
想像以上に賑やかで楽しいキャンパスライフを送ることが出来ますよ!!
それぞれのデメリットのまとめ
実は国公立の獣医学科の強みは、私立獣医学科の弱いところであり、逆に私立獣医学科の強みは国公立の獣医学科の弱いところです。
とはいえ実際に通ってみると、最初に思っていたデメリットはそこまで気にするほどじゃなかったと感じました。キャンパスの広さとかは特にそうです。
ですがやはり学費の面ではかなり負担をかけてしまったと思います。1000万円もちがいますからね。
とはいえ私立獣医学科ならではの強みもあるので、やはり一長一短があるなというのが感想です。
最後に
獣医学科に入る前の心配は、基本的に杞憂で終わることが多いと思います。
そして多少のメリットデメリットはあれど、それがのちの人生に大きくマイナスに働くことは少なくともありません。
ですので今まで述べてきたことは、あくまで比較した時に出てくることです。
獣医になるという目標においては何ら差支えはありません。大学に入り6年間を過ごし、国家試験に合格して獣医になることにおいては、どの大学でも差は殆どありません。
そこはしっかり頭に入れたうえで、志望する大学選びにおいて、今回紹介したことを参考にしてみて下さい!!
では!!