みなさんこんにちは!
最北端獣医師ののすけです。
僕は麻布大学の獣医学部を卒業し、現在は日本最北端の地で牛の獣医師をやっています。
獣医師として働く傍らで、こうやって獣医師や獣医学部受験についての情報を発信しています。
はい!
ということで今回のテーマは、
”私立の獣医学部の推薦入試、完全攻略ガイド”
です。
浪人生が幅を利かせている獣医学部受験において、現役生はなかなか大変な思いをしていることでしょう。
僕も1浪して獣医学部に入学したので、その現実は身をもって感じていました。
その中で、特に現役生にとって重要な入試様式となるのが、”推薦入試”だと思います。
1浪までならOKという大学は多いですが、やはり推薦入試での合格者は現役生が多い印象です。
とはいえ、
推薦入試の受験科目や試験様式、また推薦入試以外にも色々な入試名がたくさんあり、ぶっちゃけよくわからねえ!!
って人も多いのではないでしょうか。
なので、今回の記事では僕がみなさんに変わって、私立の獣医学部の推薦入試についてリサーチしてきました。
今回の記事の内容!
・私立の獣医学部の推薦入試の種類
・それぞれの受験の試験科目や倍率
・大学によって変わる傾向について
・後継者枠や指定校推薦などの特別入試について!
となっています。
最初に言っておきますが、僕は高校3年間遊びに遊びまくり、宿題もほとんどやらなかったため、評定はボロボロでした(笑)
なので、僕自身は推薦入試を受験した訳ではありません。
ということで、今回の記事を書くにあたり意識したことは、
”推薦入試を考える受験生になったつもりで、試験をリサーチする”
ということです。
また僕が実際に大学に入って、推薦入試を受験した人に聞いた内容も含まれています。
ですがこれらはあくまでそれぞれの主観であり、具体的な配点や入試結果が公表されていない以上、
”こうすれば推薦入試に合格できる!”
というものではありません。
あくまで、こんな入試方式がある、ここが重要視されている、倍率や試験科目はどんなか、
といったことを知るために活用してもらいたいです!!
ではいきましょう!!
Contents
私立獣医学部の推薦入試について(一番大きい試験編)
まず基礎知識として、推薦入試というのは”専願制”であり、その大学が第一志望であることが条件です。
受かった場合は基本的にはそこの大学に通わなくてはなりません。
友達に聞いてみたところ、バレずにうまくやれば複数の大学の推薦入試を受験することもできるとか出来ないとか…(笑)
でも推薦書は学校の校長に書いてもらうので、そういった姑息な手段はしないほうがいいでしょう。
また、受かった場合にはその大学に進学することが条件であるため、仮に複数大学受かったときにトラブルになります。
なので大学側が専願を条件にしている以上、それに従う方がいいと思います。
仮に複数大学に出願したことでトラブルになった場合、後輩たちにも悪影響が及ぶ可能性があります。
それを防ぐためにも、推薦入試は1校に絞った方がいいと思います!!
ではいきましょう!
日本獣医生命科学大学
公募推薦
1浪生まで受験可能。評定平均3.5以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書、推薦書、自己申告書
面接…興味、関心や将来への展望など
小論文…400字/60分
基礎学力検査…英語(コミュニケーションⅠまで)、数学1Aの2科目で計90分
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 16/63(3.9倍) 2020年 18/69(3.8倍)
とはいえ、筆記試験に関してはかなり対策範囲を絞ることができます。
数学も1Aまでなので、多少数学が苦手な人でもなんとかできる可能性が高いです。
しかも2科目で90分の問題なので、そこまでボリュームも多くないでしょう。
以上のことからかなりベーシックな試験であると言えますね。
そのため、合格者と不合格者の境界を決めるのは、面接や小論文になりそうです。
400字というとそこまで文字数は多くないので、伝えたいことをしっかりとまとめる必要があります。
ここに対策時間を割くことで、合格を狙えそうです。
そして自己推薦書ですが、学習面について(得意不得意など)、課外活動について、将来の希望についてなどを書くようです。
「面接では『獣医師の仕事は何だと思うか』といった一般的な質問もあるが、『なぜ日獣を選んだのか』を聞かれる可能性もある。
オープンキャンパスなどで日獣の教育内容や研究について情報を収集し、日頃から自分の興味関心を掘り下げておくことが大切。単に『動物が好きなので動物のお医者さんになりたいと思った』というような答えでは、他の受験生との差別化が難しく、高評価は得られない」とのこと。
小論の出題テーマは、これまで出されたところでは
「命の重さ」、「動物が我々に与えてくれるもの」、「人と野生動物の共存について」、「動物の命と科学研究」、「食の安全と安心」、「高校と大学の違い」などである。
推薦入試ではボランティア経験や国の大会などへの出場経験も考慮されるが、合否にそれほど影響しないとのこと。それよりも小論や面接できちっとした解答や受け答えができることが大切だ。
※獣医専門予備校ジュイクのHPより抜粋
倍率に関しては、例年4倍前後くらいのようです。
他の大学に比べると、若干高いようですが、それでも日獣に一般試験で入ることに比べたら、倍率はかなり低いです。
なので受かりやすさという点で日獣はノミネートされませんが、それでも日獣に行きたい人にとっては活用しない手はありません。
麻布大学
公募推薦
1浪生まで受験可能。評定平均3.5以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書、推薦書、志望理由書
面接…コミュニケーション能力、高校時代に主体的に取り組んだ活動等、学部学科の3つのポリシーや大学に対する理解力、学習意欲、将来の抱負等
(A〜Dの4段階で評価)
小論文(50点)…800字以内 試験は60分
基礎学力検査(100点)…英語(30点)、数学1A(30点)、理科(生物基礎or化学基礎で40点)の3科目 試験は60分
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 43/113(2.6倍)
麻布大学の試験様式も、概ね日本獣医生命科学大学と似ていますね。
とはいえ日獣とは違って、それぞれの配点が明確化されており、どれが一番重要視されているのかがわかります。
これを見る限りだと、割と筆記試験の重要度が高そうです。
日獣が数英だけだったのに比べて、麻布では理科も対象になっています。
また小論文の文字数も多くなっています。
論述する内容についても割と難しい内容なので、受験生は苦労しそうです。
全体的に求められるレベルは高くなりそうです。
また志望理由書は、
①本学科を志望する理由、②入学後に取り組みたいこと、③将来の目標などを踏まえて書くようです。
ちなみに文字数は800 ~ 1,000文字程度です。
傾向;基礎学力試験重視で、小論文、面接であまり差はつかないとのこと。
①基礎学力試験(ペーパーテスト)…過去問開示なし、だが生物は生物基礎で一問多答式、数学はIAというように基礎的な内容。
②小論文…出題者がころころ変わるので一貫性はないが近年は動物に関する話題が中心。800字。字数、起承転結を守ったうえで自分の考えをきちんと述べること。
③面接…グループ面接。15分。(志願者によって増減することはない)質問の内容は志望理由書に沿った内容で、それほど深くはない。(2017年10月2日記載)
※獣医専門予備校ジュイクのHPより抜粋
倍率に関しては、2〜3倍くらいで推移しているので、日獣ほどは競争は激しくはなさそうです。
日本大学
公募推薦
1浪生まで受験可能。評定平均3.7以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書など
面接
基礎学力検査…複合という記述のみ(詳細は不詳)
※面接による評価を重視するため、基礎学力テストの点数に関わらず不合格となる可能性がある。
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 23/34(1.5倍)
一般公募では、他の大学よりも募集条件が少し厳しいです。
必要な評定平均が他の大学なら3.5以上に対して、日本大学は3.7以上だからです。
とはいえ微々たる差なので、そこまでネックにはならないでしょう。
また先に紹介した2大学に比べて、筆記試験(学力検査)はそこまで重くはなさそうです。
具体的な試験問題や試験科目がどのような感じかは公表されていないのでわかりませんが、それ以上に重要となるのが面接です。
もうこれは大学側がはっきりと公言しており、”面接重視”ということです。
なので単純に「筆記試験が軽いからラッキー!!面接だけやればいいじゃん!」とはならないということです。
獣医師という仕事は、仕事内容も多岐に渡り、生き物相手の仕事なので理想ばかりでは務まらない仕事です。
面接では理想論だけでは受からず、地に足を着けた答弁が求められます。
大学側がこうやって面接重視と公言するということは、本当に高いレベルの答弁が求められます。
訊かれそうな内容について、答弁を練りに練って煮詰めて、それを自分の言葉で伝えられるようにしておきましょう!!
総合的に判断する試験よりも、一点集中型の試験の方が難しいのではないかと個人的には思います。
とはいえ、実際の倍率は2倍前後で落ち着いているようなので、競争自体はかなり穏やかであると言えます。
という人がいたら、ぜひこの大学に出願してみてください!!
北里大学
公募推薦
2浪生まで受験可能。評定平均3.7以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書(40点)、推薦書(配点なし)
面接(10点)…コミュニケーション能力、高校時代に主体的に取り組んだ活動等、学部学科の3つのポリシーや大学に対する理解力、学習意欲、将来の抱負等
時間は15分
基礎学力検査(150点)…英語、数学1A2B、理科(生物or化学or物理から1つ)の3科目、試験時間は90分
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 31/58(1.9倍)
2020年 28/61(2.2倍)
北里大学の推薦入試は、他の大学とは様相が違っているようですね。
他の大学はどちらかというと、受験生の内面(人柄、考え方、表現力など)にフォーカスした試験科目や配点でした。
そのため、筆記試験を課していても、面接や小論文メインの試験です。
典型的な例で言うと日本大学なんかは、筆記試験だけでは受からないということを明確にしています。
そのなかで北里大学は明らかに筆記試験の点数の比重を高くしています。
面接も15分で配点も10点なので、おそらく無難なことしか訊かれないでしょう。小論文もありません。
また2浪生まで受験することができる点でも、他の大学よりもチャンスを設けてくれています。
個人的には、浪人生にとって有利な試験なのかなって思います。
現役生にとって筆記試験は、試験の時期的にも厳しいものがあります。科目が少ないとしても、どうしても大変になります。
その中で浪人生にとって、推薦入試の筆記試験はお茶の子さいさいってくらい簡単です。
酪農学園大学
一般推薦
1浪生まで受験可能。評定平均3.5以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書。面接において加点となる場合がある。
面接(100点)…10分程度、志望動機・目標設定・勉学への意欲・言動・態度等
小論文(100点)…60分800字
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 7/28 4.0倍
2020年 6/52 8.7倍
酪農学園大学も筆記試験がなく、面接と小論文のみの試験になっています。
面接が10分程度なのを考えると、合否を大きく分けるのは小論文になりそうです。
そしてここで気を付けてほしいのが、「よっしゃ!筆記試験がないから受かりそう!」といって安易に受験することです。
小論文模試を受験したことがある人はわかると思いますが、小論文こそ人によって差がつきやすいです。
そうです。センスや才能があるのなら別ですが、小論文を自己流で書くことは自殺行為です。
なので、筆記試験がないからと安易に受験するのではなく、試験までの期間の全てを小論文に費やすくらいの気持ちでいてほしいのです。
しかも酪農学園大学の推薦入試の倍率は、他のどの大学よりも高くなっているので、油断していると確実に落ちます。
僕は実は一番受かるのが大変なのではないかとさえ感じています。
岡山理科大学
岡山理科大学の推薦入試は、他の大学とは異なり複数種あります。
獣医学科特別推薦入試と獣医学科推薦入試の2種類があり、後者の獣医学科推薦入試にはA日程とB日程が存在するので、合計で最大3日程に出願できます。
獣医学科特別推薦入試
普通科選抜
高等学校の普通科を卒業見込みのものが受験可能。
現役生のみ受験可能。評定平均4.3以上が条件。
専門学科、総合学科選抜
高等学校の専門学科または総合学科を卒業見込みのものが受験可能。
現役生のみ受験可能。評定平均4.5以上が条件。
試験科目
書類審査…調査書、推薦書、志望理由書。
面接…20分程度、意欲や関心、コミュニケーション能力や表現能力を多面的に判断
基本的な試問(筆記試験)…科目は数学(1A2B)と英語で、試験時間は60分。
過去の試験結果(合格者/受験者)
2022年 29/39 1.3倍(2つの選抜を合計して)
2021年 24/39 1.6倍(2つの選抜を合計して)
獣医学科推薦入試(A日程)
1浪生まで受験可能。評定平均による条件はなし。
試験科目
書類審査…調査書(100点)
評定平均を20倍して評価。仮に評定平均が5.0ならば、5×20=100点
基本的な試問(300点)…科目は数学(1A2B)と英語と理科(物理or化学or生物)で、それぞれ100点満点。試験時間は合計で90分。
面接…意欲や関心、コミュニケーション能力や表現能力を多面的に判断する。配点はないが、ここで不適切と判断された場合には、不合格となる場合がある。
過去の試験結果(合格者/受験者)
2022年 25/61 2.4倍
2021年 20/74 3.7倍
獣医学科推薦入試(B日程)
1浪生まで受験可能。評定平均による条件はなし。
試験科目
書類審査…調査書(50点)
評定平均を10倍して評価。仮に評定平均が5.0ならば、5×10=50点
基本的な試問(300点)…科目は数学(1A2B)と英語と理科(物理or化学or生物)で、それぞれ100点満点。試験時間は合計で90分。
面接…意欲や関心、コミュニケーション能力や表現能力を多面的に判断する。配点はないが、ここで不適切と判断された場合には、不合格となる場合がある。
過去の試験結果(合格者/受験者)
2022年 21/46 2.2倍
2021年 21/48 2.3倍
獣医学科特別推薦入試
- 現役生しか受験できない
- 評定平均の条件がかなり厳しい
- 倍率がかなり低い
と言うことです。
他の大学では浪人生も受験可能でしたが、この日程に関しては現役生しか受験できません。
そして評定平均の条件が厳しく、他の大学では3.5〜3.7以上なら出願できたのに、この日程では4.3以上(専門学科なら4.5以上)でないと出願さえできません。
確かにここまで見ると、「うわ、厳しいなあ〜」と思うでしょう。
でも倍率は驚異の1倍台!
つまり出願条件さえ満たしているなら、これほど受かりやすい試験はないということです。
筆記試験の科目も、なんとか対策できる範囲ですし、2科目合わせて60分ならそこまで難問も出題されないでしょう。
確かに条件は厳しいですが、これを満たせる人は要検討!と言えると思います。
獣医学科推薦入試(A日程、B日程)
- 浪人生でも出願できる(1浪まで)
- 圧倒的に筆記試験重視
- 評定平均も明確に数値化している
- 倍率はやや高め
- 浪人生が少し有利?
こちらは先ほどの特別推薦入試とは異なり、1浪生まで受験することができます。
そしてこちらの試験は、圧倒的に筆記試験が重要視されています。
A日程なら、調査書:筆記試験=1:3で、
B日程なら、調査書:筆記試験=1:6の比率になります。
調査書の点数が高いに越したことはありませんが、仮にいくら調査書の点数が優秀でも、筆記試験が振るわないと落ちてしまうでしょう。
科目も数学と英語と理科の3教科です。
筆記対策になかなか手が回らないのが現役生ですので、案外浪人生の方が有利なんじゃないかとさえ思います。
仮に評定平均が3.0だとしたら、A日程で60点、B日程で30点です。
評定平均が4.0なら、A日程で80点、B日程で40点です。
評定平均で1.0の差はかなり大きいはずですが、岡山理科大学だとそこまでの差にならなそうです。
筆記試験が300点もあるので、簡単にひっくり返されてしまうでしょう。
なのでこちらの日程では、いかに筆記試験対策を行えるかがカギとなりそうです!!
また評定平均による制限や、現役だけという縛りもないので、倍率はやや高くなっています。
それでも2倍台で推移しているので、受かりやすいレベルであると言えるでしょう。
私立獣医学部推薦入試のまとめ!
はい!
ということでここまで大学別の推薦入試についてそれぞれ紹介していきました。
とはいえ試験の概要を羅列していっただけなので、イマイチ掴みきれない部分もあるかと思います。
なので、この章ではタイプ別にまとめてみようと思います。
小論文が得意で、それで勝負したい人
このタイプの人におすすめなのが、酪農学園大学です。
酪農学園大学は面接と小論文が試験科目ですが、面接は10分程度で終わるため、メインの評価は小論文になりそうです。
試験時間が60分で800文字の分量のため、点数にかなりの差が生まれると思われます。
小論文対策をしっかりとやってきた!or小論文に絶対の自信がある!!
という人は、筆記試験対策をしなくて済むので、かなりオススメであるといえます。
ただし、酪農学園大学の推薦入試の倍率は他の大学よりも高くなっており、2020年に関しては8.7倍もあったので、気を引き締めて臨みましょう!
次点で麻布大学と日本獣医生命科学大学の2校がノミネートしそうです。
とはいえこの2校は小論文に加えて筆記試験もしっかりとあるので、小論文だけが得意でも受からない可能性が高いです。
複数の試験を課し、その総合評価で判断したいという気持ちの表れとも言えます。
ですが筆記試験の科目数はそこまで多くないため、小論文をベースに筆記試験対策も頑張ろうと思っている人には向いていますね。
また倍率に関してもそこまで高くはないので、そういう面では酪農学園大学よりもチャンス大と言えるでしょう。
面接に自信あり!他はなるべき省きたい
こういった人にとっておすすめの大学なのが、日本大学だと思われます。
というのも、日本大学のHPには、
”面接による評価を重視するため、基礎学力テストの点数に関わらず不合格となる可能性がある。”
という記述があります。
こういったことは、あまり公表しない大学も多い中、日本大学はしっかりと明記しています。
要するにどれだけ面接において人となりを重視しているかがわかります。
筆記試験はそこまで重くないので、差がつくとすればここしかないのです。
獣医学部の先生は、表面的な理想だけを語る学生を好まない傾向があるようで、地に足をつけた受け答えができるかどうかを見ています。
なんとなく理想を語るだけでは、おそらく少し突っ込まれた瞬間にボロが出てしまい、結果的に落ちてしまう可能性があります。
そこらへんの受け答えをしっかりとできるようにしておきましょう。
また評定平均は3.7以上が出願条件とはなっていますが、おそらく多くの人はもっと高いです。
面接+評定平均でおそらく合否のほとんどが決まってしまうと思うので、評定もしっかりととっておきたいところですね。
逆にそれさえクリアしてしまえば、倍率は1倍台なので、かなり有利に試験を受験することができると思います!
推薦だけど筆記試験で勝負したい人!!
こういう人も多いのではないでしょうか?
もしかすると浪人生の方でこう考える人は多いかもしれません。
そして評定平均にはそこまで自信がなかったりする人も、この分類に当てはまるかもしれません。
そういった方におすすめなのが、
- 北里大学
- 岡山理科大学(獣医学科推薦入試A・B日程)
です。
北里大学は、全体で200点ある配点のうち、150点分が筆記試験となっています。
面接が10点しか配点がないことを考えると、よほどヤバい人(笑)でない限りは落とされる心配はないでしょう。
しかも北里大学では2浪生まで受験することができるので、現役、1浪と推薦入試を受験したことがない人にもチャンスがあります。
推薦入試の問題点として、学力が足りなくて入学後に苦労するパターンがあります。
なので北里大学ではこのように筆記試験を重要視しているのでしょう。
倍率も2倍前後で推移しているので、筆記試験で差をつけたい!その自信がある!という人はぜひ受験を考えてみましょう!
またこれ以上に筆記試験にフォーカスしているのが、岡山理科大学の獣医学科推薦入試です。
岡山理科大学は、面接を課してはいるものの、おそらく評価のほとんどが調査書(評定平均)と筆記試験です。
そしてその比率が、
A日程なら、調査書:筆記試験=1:3で、
B日程なら、調査書:筆記試験=1:6の比率になります。
B日程は、もはや一般入試と言っても遜色がないくらい、筆記試験に傾倒しています。
倍率も2〜3倍で推移しており、割と狙い目かなって思います。
現役&評定平均がめちゃ優秀!それを最大限に活かしたい人!
はい実はそんな限定的な入試も存在するんですね!
僕もびっくりです。
推薦入試と言えば、やはり現役生のイメージが強いです。
確かに浪人生でも受験可能ですが、大部分は現役生ですね。
現役生からしたら、浪人生を相手にはしたくないと思います。できれば同じ現役生同士だけで戦いたい。
そう言った人におすすめな受験方式が、
岡山理科大学の獣医学科特別推薦入試です。
これは先ほど紹介した獣医学科推薦入試とは異なり、現役生しか受験することができません。
しかも出願するために必要な評定平均の最低ラインが、普通科で4.3、総合学科で4.5なので、この試験だけズバ抜けて高いのです。
評定平均が4.3以上というのは、かなりの難易度です。
それでも推薦入試を初めから狙っていた人にとっては、実現可能な数値でもあると思います。
そして筆記試験もそこまで難しくないようなので、もはや評定平均のラインさえクリアしてしまえば、合格にはかなり近いということです。
倍率も1倍台なので、出願さえしてしまえば!というところですね!
それ以外の特別な入試
獣医学科には、こういった一般的な推薦入試に加えて、色々な条件を満たした人が出願できる入試があります。
この章ではそれらについても軽く触れていくことにします。
獣医師後継者枠
父母もしくは祖父母が獣医師免許を持っていることが条件となる受験方式です。
獣医学科を志望する受験生は、親御さんや祖父母の方が獣医師ということも珍しくありません。
大学によって、父母や祖父母が獣医師免許を持っているだけでなく、さらに開業をしていることが条件になることもあります。
また試験様式は、一般の推薦と同じなので、条件を満たしている人は積極的に受験した方がいいと思います。
ちなみに僕も父親が獣医師でしたが、いかんせん評定平均がクソだったので、出願はできませんでした(笑)
またこの試験様式は、条件を満たせる人が少ないので、それに伴い倍率も低いことが多いです。(1倍台のところが多い)
※例
日本大学 公募推薦【関連産業後継者推薦】
1浪生まで受験可能。評定平均3.7以上が条件。
ただし父母または祖父母が獣医師免許を有しており、かつ開業していることが条件
試験科目
書類審査…調査書など。また父母や祖父母が開業していることの証明書が必要。
面接
基礎学力検査…複合という記述のみ(詳細は不詳)
面接による評価を重視するため、基礎学力テストの点数に関わらず不合格となる可能性がある。
過去の試験結果(合格者/受験者)
2021年 4/5 1.3倍
産業動物獣医師枠
これは将来、大動物関連(牛や馬などの家畜)の獣医師として勤務することを条件とする特別枠になります。
基本的に獣医師の職域の中で人気なのが、犬や猫などのペットの獣医師(小動物)です。
やはり多くの学生がこの道に進むことになり、大動物関連の獣医師はそこまで多くはありません。
なので人材確保の目的で、試験時に学生に大動物関連の獣医師として就職することを条件付けるのです。
確かに倍率はかなり低く、基本的に出願すれば受かる試験です。
とはいえ、将来絶対にその道に進まなくてはならず、大学6年間で他の分野に興味関心ができた時に大変です。
また大動物関連とは言っても、就職先にも制限があったりするので、受験時に本当に進みたい道が確定していないなら安易に受けない方がいいかもしれません。
勤務する年数だったり、職域、就職先の条件などは、大学のHPでしっかりと確認しておきましょう!!
地域医療従事枠
大学によって名前が多少異なるのですが、この枠は要するに、
”受かりやすくするから、田舎の人が足りていないところに勤務してね!”
というものです。
考え方としては、一つ前の産業動物獣医師枠と似ています。
獣医師の仕事はたくさんありますが、それぞれのバランスには偏りがあります。
小動物方面は供給過多の傾向があり、産業動物や公務員は過疎気味です。
過疎気味のところはほっといたら学生は集まりませんから、受験時に条件をつけることで供給をするわけです。
そしてこの地方枠は、その地方でただ就職をすれば良いということではなく、就職先についても制限があったりします。
基本的には小動物関連の就職先は認められず、大動物や公務員系の獣医師として勤務しなければなりません。
なので、この受験区分に出願するときもしっかりと考えてからにした方がいいです。
指定校推薦
これは知っている人も多いでしょうが、大学側が指定する高校から数人の枠を用意しているシステムです。
どの高校がどの大学に枠を持っているか、そして何人くらい受かっているのかまでの詳細まではわかりませんが、大学側に問い合わせてみるのが早いでしょう。
そして最も確実なのが、大学の付属校からの推薦枠です。
例えば、麻布大学で言うと麻布大学附属淵野辺高校、酪農学園大学で言うと酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校などがあります。
こういった高校なら確実に数人の枠があり、出願さえできれば確実に合格できます。
ですが身の丈に合わない人が出願して、大学に入ってから苦労するパターンも少なくありません。
指定校推薦さえもらってしまえばOKという考えではなく、一般受験でも受かることができるようにしておきましょう!!
まとめ
はい!
ということで、今回の記事では獣医学部の推薦入試について、余すところなく紹介してきました。
同じ獣医学部の推薦入試とはいえ、受験科目や条件などは様々ですね。
そして倍率なども千差万別です。
小論文が重視される大学、面接重視の大学、筆記試験重視の大学、評定平均重視の大学など様々です。
受かりやすさだけで受験校を決めるのは、あまりいいことではありませんが、それでもこの記事が少しでも受験校の選別の役に立てたら嬉しいです。
では!