皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケです!
僕は現在は日本最北端の地で牛の獣医師をやっています。
こうして獣医師として働くためには、当然獣医学科を卒業することが条件となるのですが、最初に訪れる最大の関門が、大学受験です。
またその中で、多くの人が受験することになるのが、私立の獣医学科です。
私立の獣医学科には、大きく一般試験と共通テスト利用方式(以前のセンター利用方式)の2つが存在します。
一般試験については過去に色々記事を書いているので、ぜひ参照してみてください。
今回は共通テスト利用方式について解説していこうと思います。
今回の記事の内容!
・そもそも共通テスト利用方式ってなに?
・各大学ごとの共通テスト利用方式の受験科目について
・一般試験と共通テスト
・大学別の難易度について
・センター利用方式と何か変わることはあるのか
このあたりについて書いていこうと思います。
センター試験からの名前の変更や、岡山理科大学が新たに加わったことにより、私立獣医学科受験も変わってきています。
なので、新たに知識や情報をアップデートしていくことが必要です!
最初に言っておくと、試験名が変わったからと言って、獣医学科受験に何か影響があるかと言えば、そうでもありません(笑)
でも、大学ごとの難易度や利用科目、そして知っておかなければならないことはしっかり押さえておきましょう。
それではいきましょう!
ちなみに最近Youtubeの更新も始めました!
よりいろんな人に獣医学部についてフランクに知ってもらおうと思って動画を作っているので、合わせてチェックをよろしくお願いしますね!
Contents
そもそも共通テスト利用方式とは?
まずはこれを知っておきましょう。
基本的に大学入試って言うのは、中学受験や高校受験と同様にその大学に行って、その大学が作成する試験を解かなくてはなりません。
そしてその点数によって、合否が決まるのです。
なので、獣医学科を複数受験しようと思ったら、その大学それぞれの試験を受験しに行かなくてはなりません。
でも、今回紹介する”共通テスト利用方式”ならば、先日行われた共通テストの点数を使って出願し、受験することが出来るのです。
つまり、
・受ける試験は共通テスト1回で良い
・出願さえすれば、あとはそれぞれの大学を受験しに行かなくていい
というメリットがあるんです。
でも、当然これだけ楽な試験なわけですから、皆できるならこの方式で受験したいですよね(笑)
だから当然難易度は、一般試験とは比べ物にならないほどに跳ね上がるという落とし穴があるのです…
まあそのことについては、あとでしっかり説明していきますね。
次の章では、各大学の受験方式や、受験科目について紹介していきます。
単純に1回だけの大学もあれば、共通テストと大学独自の試験を組み合わせて合否を決める試験も行っている大学、共通テスト利用が2種類も3種類もある大学など様々です。
それぞれの大学の違いを把握し、しっかり受験計画を立てて臨みましょう!
各大学の共通テスト利用方式についての情報!
麻布大学
第Ⅰ期
科目
数学 ⅠA 100点
ⅡB 100点
英語 200点
理科 200点(生or化or物から選択。基礎なら2科目で200点、発展なら1科目で200点)
計 600点満点
合格者/受験者 (2021年) 114/592 倍率5.2倍
合格者最低点数 (2021年) 500点/600点満点(83.3%)
第Ⅱ期
科目
数学 ⅠA 100点
ⅡB 100点
英語 200点
理科 200点(生or化or物から選択。基礎なら2科目で200点、発展なら1科目で200点)
計 600点満点
合格者/受験者 (2021年) 11/33 倍率3.0倍
合格者最低点数 (2021年) 501点/600点満点(83.5%)
麻布大学のセンター利用方式は、かつては倍率が10倍前後、合格者最低点が87~88%と常に高い水準でした。
そのため、この日程で合格するのは大変で、国公立獣医を志望するトップ層でほぼ合格者は占められていました。
ですが、2021年は、倍率も合格者最低点も下がっています。
とはいえまだ1年しかデータがないので、分からないことも多いです。
そして2021年に関しては、どの大学においても、倍率・合格者最低点が前年度と比較して低くなっているので、獣医学科全体のボーダーラインが下がったと言えます。
もしかすると獣医学科を目指す人が減ったのか、それとも変更点が多数あったことで、敬遠する人が増えたのか…
確かなことは分かりませんが、来年一気に受験者がもとに戻るとも考えづらいので、チャンスであると言えます!
そして面白いのが、第Ⅰ期と第Ⅱ期では、ここまで志望者も倍率も違うのに、合格者最低点はほぼ一緒ということです。
これに関しては来年以降も同じように推移すると思われます。
ですので、第Ⅱ期が有利とは必ずしも言えないでしょう。
日本獣医生命科学大学
3科目方式
科目
数学(ⅠAのみ) 100点
理科(生物or科学or物理) 100点 ※基礎は選択不可、2科目受験の場合は高得点を採用
外国語 (英語の筆記のみ) 100点
計 400点満点
合格者/受験者(2021年) 22/357 倍率 15.8
合格者最低得点 公表されておらず不明
5科目方式
科目
現代文 100点
数学(ⅠAのみ) 100点
理科(生物or科学or物理から2科目) 200点 ※基礎は選択不可
外国語 (英語の筆記のみ) 100点
計 500点満点
合格者/受験者(2021年) 23/193 倍率 8.4
合格者最低得点 公表されておらず
日本獣医生命科学大学の共通テスト利用方式(旧センター利用方式)も大きく様変わりしました。
かつては現代文を含んだ5教科方式しかありませんでしたが、他の大学と同じように英数理のみを対象とした3科目方式が導入されました。
これにより、国語が苦手な人でも出願しやすくなりました。
現代文は苦手とする人も多く、これまで日獣はその点で挑戦しづらい面がありました。
そしてこの変更により以下のように日獣の受験は変化すると思います。
・国語が苦手でも挑戦しやすい
・合格者は2つの方式を合計した人数が、これまでの合格者とほぼ同じ
・国語が得意な人にとってはむしろ不利益?
・3科目方式は合格点が9割近いと予想される
実は、受験方式が増えたからと言って、合格者の数も増えたかというとそうではないようです。
これまでは1つの方式だけで40人くらいの合格者がいました。
ですが2つになってから、それぞれの方式で合格者は20人前後。つまり共通テスト利用方式での合格者の数自体は変わってないのです。
確かに選択肢は広がりましたが、合格が簡単になったかと言うとそうではないのです。
むしろこれまで現代文が得意で得をしていた人にとっては不利益となりうるのです。
現代文の強みを活かす枠が減ってしまったのですから。
そして気になる合格者最低点ですが、残念ながら今のところ公表されていないようです。
しかし、過去のセンター試験利用方式のデータを参照してみると、5教科方式は合格者最低点がおよそ87~88%で推移していました。
これはセンター試験の難易度によらずほぼ一定でした。
つまり、共通テスト利用方式の5教科方式も同じくらいの点数が必要になると思われます。
むしろ合格者が少ない分、合格者最低点は上がっている可能性だってあるということです。
そしてより恐ろしいのが、3教科方式です。
こちらは不確定要素が強い現代文がないため、さらに合格者最低点が高くなる可能性があります。
9割くらいを取れるようにしておかないと安心とは言えないでしょう。
北里大学
3教科方式
科目
数学ⅠA・ⅡB 200点
英語(リスニング含め、圧縮) 200点
理科(基礎から2科目or発展から1科目) 200点
計 600点
合格者数/受験者数(2021年) 94/443 倍率4.7倍
合格者最低点数(2021年) 487点/600点満点(81%)
5教科方式
科目
国語(現・古・漢) 200点
地歴・公民から1科目 100点
数学ⅠA・ⅡB 200点
英語(リスニング含め、圧縮) 200点
理科(基礎から2科目or発展から1科目) 200点
計 900点
合格者数/受験者数(2021年) 72/238 倍率3.3倍
合格者最低点数(2021年) 723点/900点満点(80.3%)
北里大学は、共通テスト利用方式が2パターン存在し、私立獣医学科専願の人でも出願しやすい3教科方式と、国公立大学志望の人がメインで受験する5教科方式があります。
当然ですが
・科目数が少ない
・高得点が狙いやすい
・私立専願でも受験しやすい
などの理由によって、5教科方式のほうが倍率も合格者最低点も高くなっています。それはセンター試験から共通テストとなる前からずっとそうでした。
つまり、基本的には5教科方式のほうが合格しやすいということを覚えておいてください。
そして気になる合格者最低点ですが、共通テスト(センター試験)の難易度によって変動してきました。
※以下はセンター試験利用方式だったころの話であり、共通テスト利用方式と名前が変わった今、必ずしも当てはまらない可能性が出てきました。
どういうことかと言うと、共通テストが難化すれば合格者最低点も下がり、共通テストが易化すれば合格者最低点も上がるということです。
それが普通のことのように感じるのですが、獣医学科の共通テスト利用方式は必ずしもそうではなく、日本獣医生命科学大学や麻布大学の共通テスト利用方式は、常に合格者最低点が一定なのです。(87~88%くらいの得点率)
それに比べて北里大学や酪農学園大学は、年度によって数%のブレがあります。
そのブレを加味すると、合格者最低点はおよそ80~83%くらいの得点率です。
なので、どちらの方式で出願するにせよ、82~83%くらいは取れるようにしておけば、ほぼ間違いなく合格は可能であると思います!
またこれは国公立大学を受験する人に限定されるのですが、共通テストの結果というのは自己採点で推し量るしかないのです。本当の点数は4月以降に判明します。
つまり、実際に自分が何点取ったかは分からないのです。
もしかしたらマークミスとかして、自分が思った点数を取れていない可能性もあります。
そんなときに合格者最低点が8割強の北里大学はの共通テスト利用方式が自分のおおよその点数を知るのに役立ちます。
北里大学の5教科方式で合格した=8割以上は得点できている
ということになるからです。
まあこれも正確な点数までは知ることは出来ませんが、国公立獣医で戦える最低ラインは超えられたという裏付けにもなるので、ぜひ活用しましょう!
酪農学園大学
3教科5科目方式
科目
英語 (リスニング含む) 200点
数学 ⅠA・ⅡB 200点
理科 化学・生物・物理から2科目(基礎は選択不可) 200点
計 600点満点
合格者数/受験者数(2021年) 42/183 倍率4.4倍
合格者最低点数(2021年) 481点/600点満点 (80%)
5教科5科目方式
科目
英語 (リスニング含む) 200点
現代文 100点
社会(世界史or日本史or地理) 100点
数学 1Aor2B 100点
理科 化学・生物・物理から1科目(基礎なら2科目) 100点
計 600点満点
合格者数/受験者数(2021年) 49/152 倍率3.1倍
合格者最低点数(2021年) 483点/600点満点 (80.5%)
酪農学園大学は共通テスト利用方式も様式が変わり、2つの方式となりました。
これは北里大学と似ています。
これまで通りの3教科方式に加え、現代文や社会も対象となる5教科方式も新たに取りいれています。
合格者最低点はどちらも変わらずほぼ8割です。
まだ共通テストが導入されて1年しか経っていないため、明言することは出来ませんが、これまで通り共通テストの難易度によって合格者最低点は上下するように思います。
つまり共通テストが難化すれば合格者最低点は下がり、易化すれば合格者最低点も上がるということです。
およそ80~84%くらいがボーダーラインとなるのではないかと感じています。
そして国公立大学の獣医学科を目指す人にとっては、5教科方式は自分の共通テストの点数を把握できるチャンスです。
どういうことかと言うと、もしこの方式で合格出来ているのなら、自分の点数は8割以上はあるという確認になるということです。
共通テストで8割以上というのは、国公立獣医学科の最低ラインですので、それを超えていることを明確にできます。
自己採点しかできない中でこれは有益な情報ですよね!
倍率がこれからどう変化しても合格者最低点が8割を切る可能性はあまりなさそうです。
ですが一般試験で共通テストが必須となった今、共通テスト利用方式も出願して損はないと思います。
日本大学
残念ながら、日本大学においては共通テスト利用方式は実施されていません。
一般試験枠のみの実施となっています。
また日本大学の獣医学科は、推薦などの特別枠に人数を割いているため、一般での合格が難しい傾向にあります。

岡山理科大学
共通テスト利用方式 Ⅰ~Ⅲ
科目
必須科目
英語 200点(リーディング150点 リスニング50点)
数学 ⅠA 200点
ⅡB 200点
選択科目(理科から1科目)
理科 物理 200点
生物 200点
科学 200点 ※理科は基礎は選択不可
計 800点満点
合格者数/受験者数(2021年)
Ⅰ:39/276 倍率7.1倍
Ⅱ:30/76 倍率2.5倍
Ⅲ:6/29 倍率4.8倍(Ⅲは獣医学部全体として)
※合格者最低点数は非公表(下で予想を述べてます)
共通テスト利用方式だけで3つもあるとは驚きです(笑)
それぞれに受験科目での違いはないようです。
その中で英語はリスニングの比率が高くなっており、これも他の大学にはない傾向です。
倍率に関しては特筆して高いという訳でもなく、これは通常通りの倍率かなって印象です。
Ⅱの倍率が低くなっているのは、出願が私立の獣医学科の合格発表が軒並み終わったあとになるからだと思われます。
そもそも共通テスト利用方式は、合格ラインが高いので、他で受からなければこの日程でも合格は厳しいです。
だから倍率が低いから合格者最低点も低いとは限りません。
なので、あまり倍率を見ても意味ないのかもしれません。
そしてその合格者最低点ですが、公表はされていないようでした。
ここが一番知りたいところなのに…
とはいえ予想することは出来ます。
昨年の麻布大学の合格者最低点が83%ちょっとで、酪農学園大学・北里大学の合格者最低点が80%程度なので、その中間くらいなのではと考えられます。
麻布大学より高くなるとは思えないので、
80~82%くらいが去年のボーダーラインだったのかなと予想します。
今年度がどうなるかは分かりませんが、やはり似たような傾向にはなると思います。
・共通テスト利用方式は3種類の日程がある
・倍率が低い=イージーとは限らない
・合格者最低点は公表されていないが、おそらく80~82%程度?
一般試験でも共通テストが必要!?
実は近年の傾向として、共通テスト利用方式のみならず、一般試験でも共通テストを使用する大学が増えてきています。
ほんの数年前までは日本獣医生命科学大学の1日程くらいしかなかったのに、現在では酪農学園大学と岡山理科大学において共通テストを使用する日程が出来ました。
それについてもここで紹介しておきます。
酪農学園大学
大学入学共通テスト併用型入学試験 (第1期A日程・第2期)
日程
第1期A日程 2/4
第2期 3/3
科目
※英語と数学は共通テストの点数、理科のみ大学の独自試験を受験
英語 100点
数学ⅠA・ⅡBの合計(ベクトル・数列のみ) 100点
理科 生・生基or化・化基 100点
計 300点満点
合格者数/受験者数(2021年)
第1期日程 279/509 倍率1.8倍
第2期 6/59 倍率9.8倍
合格者最低点(2021年)
191点/300点(理科は較正点(後述します)を使用)
昨年から始まったこの共通テスト併用方式。
立ち位置で言うとこれまでの一般試験といったところでしょうか。
ですがかつての試験様式とは大きく様変わりしました。
まず、受験科目となる3教科のうち、英語と数学は共通テストの点数を用いるということになります。
英語は100点に圧縮、数学は1A・2Bの合計点数を100点に圧縮します。
そして理科のみを大学の独自試験として受験します。
他の大学で言うと、日本獣医生命科学大学と同じスタイルですね。
また酪農学園大学の獣医学科は一般試験において物理の受験は認められていません。つまり生物か化学のみでの受験になります。
そして気になる倍率ですが、第1期に関しては驚きの1.8倍となりました。10倍前後が普通な中でこれはかなりのチャンスだったと言えます。
流石に第2期に関しては10倍になっています。
とはいえ後期試験という立ち位置で考えると、決して高くはないと思います。
流石に来年からはもっと上がるとは思うのですが、共通テストを受験しなくてはならないので、受験者が減ったと思われます。
私立の獣医学科専願の人が、共通テストの対策をしていない場合も多いからです。
そして、1つ皆さんに気を付けてほしいのが、発表されている合格者最低点についてです。
表において較正点という表記がありました。
これは大学が用いている言葉でもあり、入試要項にも同様の記述があります。
較正点というのは、単純な点数ではなくて受験生の中での偏差値をそのまま点数として用いるというモノです。
もし試験の素点が50点でも、受験生の中での偏差値が60あれば、較正点としては60点ということになります。
酪農学園大学は昔からこの較正点というモノを導入しているのです。
そしてかつての酪農学園大学の較正点における合格者最低点は、1科目あたり55くらいでした。それをそのまま当てはめてみると
3科目合計の合格者最低点191点ー 生物の較正点55点=136点
つまり共通テストにおいて英語と数学で136点(68%)取れば合格の可能性があったという計算です。
流石に2021年は倍率的にもかなり恵まれていたので、来年からはもう少し上がるとは思います。
なので、合格者平均点を用いて考えてみましょう。
2021年の合格者平均点は224.6点でした。
同様に計算してみると、数学と英語で160点程度(8割)ぐらいは必要な計算です。
ですので一般試験を受験する人は、共通テストにおいて数学と英語で8割は取っておきたいところです。
そして理科においては明確な点数がないので難しいのですが、河合の全統記述模試において、偏差値65程度あれば十分合格ラインにあると言っていいでしょう!
ですのでそれを目標にして頑張ってください!!
・酪農学園大学では、一般試験において共通テストを受験しなくてはならなくなった
・そのため受験者が減り倍率が下がったので、チャンス拡大!
・共通テストで英語と数学で8割前後とれば余裕で合格圏内!
・理科は、全統記述模試で偏差値65程度あれば合格余裕!
日本獣医生命科学大学
一般 第2回(センター併用方式)
科目
※数学と外国語は共通試験の結果を使用
※理科のみ大学の独自試験を採用
数学(ⅠA・ⅡB) 100点(200点満点を100点満点に圧縮)
外国語(英語の筆記のみ) 100点
理科(生・生基or化・化基) 100点(物理は選択不可)
計 300点満点
合格者/受験者(2021年) 71/284 倍率4.0倍
僕が受験生のときはこの試験方式が一番受験生が多く、常に10倍前後はあったように記憶しています。
ですが2020年と2021年は5倍前後に落ち着いており、受験生にとってはチャンス大と言える状況です。
まだ2年間だけの傾向なので、これがずっと続くかは定かではありません。
私立獣医学科で最高峰の日獣は、倍率も他の大学とは一線を画していました。
ですので、2022年からはもしかするとまた10倍前後に戻るような気もします。
しかし、受験方式が増えて、受験生の選択の幅が広がったことが要因としてあるのなら、この先もずっと受験生がばらけて倍率が落ち着く可能性もあります。
何にせよ、共通テスト併用方式のほうが受験生にとっては負担が少ないので、現在の低倍率状態は大きなチャンスです!!
また物理での受験は不可なので、受験生は気をつけてください!!
岡山理科大学
一般試験 後期
日程 3/7
科目
英語 共通テストの筆記の結果を使用 200点
数学 ⅠA・ⅡB(大学独自試験、Bはベクトル・数列のみ) 100点
理科 物・物基or生・生基or化・化基(大学独自試験) 100点
計 400点満点
合格者数/受験者数(2021年) 10/57 倍率5.7倍
※獣医学科の合格者ではなく、獣医学部全体の合格者数です
この試験日程が一般試験後期という位置づけになるでしょう。
公表されている倍率が獣医学部保健学科も含めたものとなっているため、正確な倍率は分かりませんが、そこまで高くはならないでしょう。
ほかの大学の後期試験に比べたら、全然戦える倍率だと思います。
だって他の大学の後期試験の倍率なんて20~30倍にのぼることもザラですし、だったらこっちを受けたほうが全然いいです。
また英語に関しては共通テストの点数を使うため、共通テストの結果が良かった人にとっては追い風になるでしょう!
しかも配点は他の科目の2倍あります。
もし共通テストの英語が満点近く取れていたなら、合格はかなり見えてきます。
また大学独自試験についてですが、数学と理科の2科目課され、それを100分で解きます。つまり時間配分については受験生に任せるというスタイルです。
苦手科目に時間を割くもよし、得意科目での高得点を狙うもよし。
これはしっかり過去問を解いて作戦を練る必要がありそうです。
こんな風にチャンスが増えているのは、獣医学科を目指す人たちにとってはかなり嬉しいですよね!!
フツーに羨ましい・・(笑)
・他の大学の後期試験に比べると合格しやすいかも
・ただし合格者数はあくまで獣医学部全体
・大学独自試験の試験時間は、数学と理科で100分。
・英語の配点が高いため、共通テストで高得点だった人はチャンス!
共通テストを受験するメリットは大きい!
かつてはセンター試験というのは、国公立大学を志望する人だけが受験するイメージがとても強かったです。
基本的に私立大学では、センター試験利用方式という形でしか使わなかったため、私立専願の人が受験する意味があまりなかったのです。
ですがここ最近、ほんの1~2年で、私立の獣医学科においても一般試験で共通テストを併用する大学が出てきました。
共通テストを受験しておくだけで、実は私立の獣医学科でもアドバンテージが大きいのです。
確かに私立専願の人にとっては、やらなければならない範囲が増えて煩わしさを感じるかもしれません。せっかく科目数を絞って集中したいのに…。
でも紹介した通り、別に5教科7科目もやる必要はないのです。
一般試験で必要とされるのは、数学と英語のみ。理科は大学独自試験のところしかありません。
共通テストの英語は、実はそこまで特別な対策はいらないです。
ちょっと量の多いベーシックな長文読解と、基本的な文法さえ押さえておけば、割とすぐに9割以上は狙えるでしょう。
とはいえ数学はそう簡単には行かず、独特な誘導や厳しい時間制約に対応しなくてはならないので、1か月くらいはしっかり対策が必要です。
でも待ってください!!
多くの人がそれで共通テストの受験を避けて通った結果、2020年度の入試において共通テスト併用方式は低倍率となったのです。
人が避けて通る道だからこそ、ねらい目なのです。
今がある意味では大きなチャンスなのです。
私立専願の人でも、数学の基礎的な力を付けるための勉強はしているはずです。
あとはそれを共通テストスタイルに合わせていくだけなのです。
私立専願の人も共通テストを受験する時代になってきました。
ぜひその波に乗っていきましょう!!

共通テストになって、獣医学科受験はどう変わる?
これに関しては、僕はほぼ何も変わらないと思っています。
受験科目も、僕が受験生だったころとほぼ変わっていませんし、恐らく難易度や合格者最低点が上下することもないでしょう。
だから、特に焦る必要も、勉強法を変える必要もないのです。
これまで通り、数学をメインでしっかり対策し、そして英語や生物・化学を対策していくことが最優先です。
僕が見ている限りで、数学が出来ない人はほとんど獣医学科に合格出来ていません。
それは高得点が要求される共通テスト利用方式では特に致命的です。
だからまずは、とにかく数学の力をしっかり伸ばして、どんな問題が来ても数学で170点以上は取れるようにしましょう。
目標は180点以上ですが、絶対に170点は切らないということが必須条件です。
これまでもこれからも、獣医学科合格に求められる条件というのは変わらないのです。
もし、共通テスト利用方式でサクッと私立獣医学科合格を目指すのなら、数学をしっかり対策して、そして合格を勝ち取れそうな大学に出願してください。
ちなみに僕は当時はすべての大学のセンター利用方式に出願しましたが、ぶっちゃけ必要なかったなと思うこともあります。
その中でも、僕がぜひ出願しておいてほしいと思うのが、
北里大学
酪農学園大学
岡山理科大学
の3つです。これらは合格しやすく、そして合格ラインが80~82%程度ですので、もし合格していれば、自分の共通テストの点数が間接的に確認できます。
この点数がおおよそ国公立獣医の合格ラインと重なるからです。
実際は自己採点のみで、本当の点数が分かるのは受験が終了してからです。だから共通テスト利用方式を通して自分の点数を確認しておくことも戦略の1つということになるわけです。
麻布大学や日本獣医生命科学大学に共通テスト利用方式で入るのは、かなり厳しいと言わざるを得ませんが、勝算があるなら出願しましょう。
しかし先に挙げた3つの大学は、行く行かないに関わらず出願したほうがメリットが大きいです。
合格した大学があるというのは、それだけでメンタルを安定させてくれます。
本命の受験のためにも、出願するという戦略もあります。
とにかく獣医学科受験は、戦略をもって受験しないと合格は厳しいです。しっかり考えて受験しましょう!!
では!!