皆さんこんにちは!僕は現在麻布大学の獣医学科の6年生のノスケというものです!長かった獣医学科生活もほとんど終わり、あとは国家試験に合格するのみです。
そんな僕が今回は麻布大学の学生生活、どんな6年間を過ごすのかについてご紹介します。獣医学科に興味がある方は、獣医学科の6年間で一体どんなことを学んだり、経験するのか気になる方も多いと思います。
他の学科やにはない獣医学科ならではの楽しさや辛さを僕が全て語っていきます。これを参考にぜひ獣医学科についてより知ってもらえたらと思います。
※ただしこの内容はあくまで麻布大学での話であるため、他の大学がどのようなものであるのかはわかりません。他の獣医系大学には独自のカリキュラムがあるため、大学ごとにその内容は変わってきます。
それではいきましょー!
Contents
全てが楽しい華の1、2年生
辛く大変だった受験期を乗り越えて、皆が晴れてピッカピカの獣医学生としての第一歩を歩み始めます!退屈なだけだった受験勉強も終わり、【獣医解剖学】や【分子生物学】、【獣医組織学】【獣医生理学】などといった、いかにも獣医学生な授業がスタートし、勉強のモチベも爆上がりです。
また多くの人がサークルに所属し、他の大学と同じようにキャンパスライフを謳歌します。麻布大学は規模がそこまで大きくない大学ではありますが、サークルの種類も豊富で意外と楽しいです!獣医学科は閉鎖的な学科であまり他の学科と交流がないので、ここで他の学科の人と仲良くなっちゃいましょう。
「獣医学科でよかった~」とこの時期に感じたこと
私自身この時期が一番その恩恵を感じていたかもしれません。そりゃ頑張って入学したんですから、その恩恵にあずからなくてはなりません。
まず第一に感じた恩恵はモテるということです!(笑)
獣医学科って正直かなりレアじゃないですか。医学科や薬学科などの同じ6年制の学科とは圧倒的にレア感が違います。例えば医学部生、薬学部生、歯学部生、獣医学生が合コンに行ったとして、肩書だけで言ったら誰に一番興味をもちますか?
これは自分の肩書きとかを抜きにしても、獣医学部生だと私は思うんですよね。ほとんどの人が動物好きですし、そこから広がる話も多いわけです。犬や猫を飼っている人もたくさんいますし、未来の獣医さんに聞きたいことがある人は多いです。それに獣医学生がどんな学生生活を送っているのか想像できないですし、気になる人も多いですよね!
獣医学生はそのレア感故にどこへ行っても人の興味を惹くことができます。それは何も合コンに限ったことじゃないです。バイト先、旅行先、何なら海外だってモテモテです。老若男女誰でもです。そのことがさらに勉強を頑張るモチベにも繋がるんです!
そして第二に面白い(変な?)人が圧倒的に多いんです!そもそもこんなレアな学部を志望してる時点でだいぶ変わっていると思うのですが、面白い人の多いこと(笑)
圧倒的動物オタクがいるのはもちろんですが、今まで見たことない人種がたくさんいます。社会人を経験してから再受験する人も多いので、人生経験が自分の数倍ある人もいます。元DJの人や、ニラ農家だった人など、どんな人生を歩んできたのかめちゃめちゃ気になりますよね!とにかく面白い人がたくさんいます。これも獣医学科ならではです。
そして獣医学科は男女比がほぼ1:1で、理系には珍しく女子の数が多いです。しかもかわいい人がめっちゃ多いんです。なぜなんでしょう。これは6年間の私の研究調査もむなしく解明できませんでした・・・。
一番身近にかわいい人がたくさんいます。当然学科内カップルも増えます。20組くらいできます。こりゃもう希望しかないですよね!!
ちなみに私はそんな中何もありませんでした・・・(笑)
こんな感じでメリットを感じまくる1,2年次です。ほんとにこの時期はただただ毎日が楽しいです。すべてのことに意欲を燃やし、ひたすらに獣医学生ライフを謳歌してください。
それでもテストはやっぱり大変です…
前述の通りめっちゃくちゃ楽しい学生生活ですが、やっぱり勉強は大変です。正直言うと受験勉強のほうが楽でした(笑)
獣医学科の勉強内容は正直言ってかなり難しく、ボリュームが半端ないです。それは1年生から容赦なく降り注いできます。そしてそれを避けて通ることは出来ないのです。例えば高校までだったらよほどのことがなければ、テストが壊滅しても進級できます。成績欄に【1】か【2】が付いておしまいです。
しかし大学はそうはいきません!点数が足りなければ追試ですし、追試でも点数が足りなければ再履修といって次の学年でも同じ科目を履修しなくてはなりません。そして再履修の科目が一定数を超えると留年になります。
つまり頑張らなければ先には進めないのです。
これはどの大学でも一緒なのですが、獣医学科は進級が他の学部学科に比べ大変なのです。ちなみに麻布大学は追試代が必要で、一科目あたり2000円取られます。
「ただでさえ高い学費なのにさらに金とるんか!!」って感じですけど、勉強せずバイトばかりしている人はバイト代がそのまま追試代になってしまうのでこの時期はおとなしく勉強しましょう!!
その中でも専門科目の試験はかなり大変です。特に1年生でいきなりやる解剖学なんかは、今まで聞いたことない筋肉や骨の名前、臓器の位置や形、数などを動物別に覚えなくてはりません。これを言うと怒られちゃうかもしれませんが、解剖学に至っては、医学部のほうが楽なんじゃないかって思います。だって人間だけじゃないですか。なんてね。
またその他にもきっつい教科はたくさんあり、この時期は女の子はすっぴんでテスト勉強をし、大学近くのファミレスは麻布生であふれかえります。
皆がSNSで不安を吐露し、情報が交錯し、その様は受験期を彷彿とさせます。「大学入ってからのほうが勉強辛いんだけど…」って皆が感じるのもこの時期です(笑)
毎年ここで10%くらいの人が留年していきます。厳しいですよね…
獣医学科の本領発揮な3年生!
麻布大学の荒波にもまれ、2年間やってきてそれなりに自信もついてくるころだと思います。普通の4年制大学ならもう中堅クラスです。しかし麻布の獣医に至ってはやっとスタートラインに立ったというくらいです。
ここからが獣医学科の本格的なスタートです!
まず麻布大学では3年生から研究室に配属されます。この研究室では自分が授業以外でより一層極めたいことを学びます。
将来を見据えて臨床系に進む人、2年間の学びで興味を持った分野を突き詰めるためにウイルスや細菌などの研究室を選ぶ人、特に考えず適当に選ぶ人、まだまだ遊びたいからと忙しくない研究室を選ぶ人など様々です。
とはいえ正直この時期にいきなり決めろってほうが無理です(笑)ですのでほとんどの人が直感的に決めます。
そのためまだ自分の時間が欲しい人は、基礎系で拘束があまりない研究室を選びます。
しかし臨床系と呼ばれる研究室は、3年生からバリバリ働きます。ほとんど週7で働く研究室もあるくらいです。
3年生になると
私「飲み行こうぜ!」
友「ごめん研究室が・・・」
私「昼飯食いに行こうぜ!!」
友「ごめん研究室が・・・」
私「旅行行こうぜ!!」
友「ごめんk…(以下略)」
今まで一緒につるんでた友達からこんなセリフしか聞けなくなることもありました(笑)
授業中も死んでたりしてました。ああ…獣医学科の本領発揮か…と、このとき感じ始めました。
また授業はほぼすべての科目が必修となり獣医学の専門科目が一気に入ってきます!
実習でもより専門的で高度な内容をおこなうので、獣医学科らしさを感じられて楽しくなってきます。いかにも獣医学生っぽい授業ばっかりになります。
その分大変でもあるんですけどね…
とはいえ一部の人を除けばまだまだ自分の時間を持てるので、サークルに趣味、バイトもたくさんできます!研究室が始まることで、新たな人間関係が生まれるので、マンネリ化した生活に新たな風が吹きます。
サークルやバイト先では先輩でも、研究室では一番下っ端なので、訳わかんなくなりますね(笑)
ここからは試験と書いて戦争と読むようになる・・・
テストについてですが3年生から桁違いに大変になります。なぜならほぼすべての科目が必修科目だからです。この意味が分かりますか?
絶対に受からなければならないってことです!受からなければ来年も。それでもだめなら再来年って感じで受かるまで終わらないのです!そして再履修の数次第では留年ですからね…ああ恐ろしや…
何事もなく過ぎてよかったと、書きながらに思ってます(笑)
具体的には半期に必修科目が7~8科目あり、それに加え実習のテストも入ってくるので長い人だと1か月以上勉強漬けです。脳内は試験のことだけ。
「俺テストが終わったら旅行に行くんだ…」なんて死亡フラグを建てたりして。
「お母さんお父さんごめんなさい僕もうダメかも」なんて謝ったりして。
とにかく戦争ですね。大学と自分との。負けちゃダメです。気合でみんな乗り切るんです。
忙しさが半端ないって!!の4年生
このころにもなると皆の顔が歴戦の猛者って感じになってきます。服や靴も見た目重視から機能性重視へと変わり、男女構わずクロックス、女の子の手からネイルは消え去り、およそ獣医学生として必要なものだけ残っていきます。
このころになるとふと考えるんです。
「普通の大学生ならこの時期就活して、終われば遊んで楽しんでるんだよなあ」って。
「なのになんか俺は大変さ増してね⁉」って。
そうなんです。わかってはいたことなんですが、入ったのは獣医学科。普通の大学生とは生活が似ても似つくわけがないのです。
毎日毎日1限から始まる授業。午後は実習。終われば研究室。
獣医学生の三段活用ですね。
それでも歯を食いしばって食らいつくんです。ほんとあっという間に過ぎていくので、置いていかれないように。
でも4年生も辛いことばかりでもないよ!
ここまで聞くと地獄ですがそんなことばかりではありません。
4年生にもなると実習で生きた動物を使うことも増えてきます。そしてより実践的な内容を学びます。獣医学生としての醍醐味を存分に感じることが出来るので忙しくとも充実した日々を送ることが出来るでしょう。
「ああ俺はいま獣医師に確実に近づいているぞおおお!」
なんて感じたりして。
そして夏休みなどの実習で実際の獣医師の職場を見学することで自分の獣医師像がより膨らんでモチベも爆上がりです!
あ、あとこのころから徐々に昔の友達と話が合わなくなってきます。周りはみんな働き始めたり、新たなステージに立つ人が増えてくるからです。自分はまだまだ学生生活が続くので、なんだかよくわかんなくなります。
でも大丈夫。
焦ることはないのです。
ところでテストはどんな感じ?
まあ皆まで言うなって感じで。
察しが付くと思います。私から言えることは「負けるな!死ぬな!」ってことですかね。
魔界!?な5年生
4年生がマックスみたいな感じで書きましたが、ごめんなさい。5年生がいちばんきっついです。もはや魔界です。
何故かって?
それは期末試験レベルの試験が2週間に1回のペースでやってくるからです。超絶ボスラッシュといった感じですかね!5年生は臨床系の授業が大半を占め、いよいよ実践的な内容に入っていきます。
午前の座学、午後の実習。実践レベル尽くしです。めっちゃ獣医だなあって感じのカリキュラムで、楽しいことは楽しいんですが、半期ずっとテストに追われます。
だって2週間に1回ですよ⁉テストが終わればすぐに次のテストですよ。
午後にはオペの実習もあったりしてめっちゃ疲れます。その中でも毎日勉強しなくてはならないのです。遊ぶ暇もないくらいに。バイトする時間もあまりなく、ひたすら勉強します。そして本来の期末試験が終われば、麻布はCBTとOSCEが待ち受けてます。
「いつ終わるのおおお??」って何度思ったことか。でもこの時期のつらさって後々役に立つんですよね。これを乗り切るとすごく自信になるというか。入ったころの希望に満ちた自分に、未来の私はこんなに頑張ってるよって、堂々と胸を張って言えるくらい輝いているはずです。
そして無事CBTとOSCEを乗り切れば、晴れて参加型の臨床実習に臨むことが出来ます。
実際に現場に出てよりリアルな実習を行います。半分獣医師みたいな感じです。
実際に飼い主さんの前にも立ちますし、先生のお手伝いもします。
ここで多くの人が自分の将来像を本格的に描きます。そして様々な経験を通してその理想を目指してチャレンジしていくのです。
後期にもなると時間がたくさんできるので、ここでほっと一息。
ここまで長いようでアッという間だったなあなんて月並みなこと思ったりして。
終わりが見えてきた大学生活に対して色んな感情が生まれてきます。ここまでよく頑張ったなあってねぎらってあげるんです。
やっと来たよ!人生の夏休み!な6年生
6年生は一言でいってしまえば、圧倒的…自由ッ…です!
必修の科目は全くないので、どう過ごすかは自分次第です。今までのハードな生活とは一変して、急に野に放たれます。
こんなに時間あっても困っちゃううって感じるんですけど、最後の自由を精一杯楽しむのです。今まで忙しくてできなかったことをやるのです!!
あ、ちなみに獣医学科の就活は一部を除いてかなりイージーなのでそこまで時間を取られることはほとんどないです。
留学、旅、勉強、研究室、趣味、アルバイト、就活…など過ごし方は本当に人それぞれです。ちなみに私は趣味の筋トレに没頭していました!!
そしてはまりすぎて、フィジークの大会にも出ました(笑)6年生のこの時期を殆ど費やして熱中しました。まあ結果は予選落ちという悲しいものでしたが(笑)
得たものはとても多かったです。
「獣医学科なのに獣医かんけーねーじゃん!!」って?
それくらい自由ってことで!
そして皆が自由を満喫し、進路を決め、卒論を提出し終わりが見え始めた
11月ごろから、最後の関門である国家試験に臨むのです。
そうです!現在私はここにいます!
この最後の最後の大関門にむけて頑張っている最中です。この記事を書きながら感慨にふけっている場合じゃないんですけど・・・
めっちゃ大変ですがこれを乗り切れば晴れて獣医師なので本気で頑張ります!
てかこれに落ちたら何のための6年間だったんだってことになるんで、落ちれないんですよね(笑)
絶対合格して見せます!!
麻布大学の6年間のまとめ
いかがでしたか。
これが麻布大学獣医学科の学生の6年間です。6000字にまとめるとなんだか大変さと忙しさが際立ってしまってる気がします(笑)
でもほんとにこんな感じで忙しい日々を頑張って乗り切っていると、気づくと終わってるんですよ。そしてその度に強くなって、成長していくんです。
これって獣医学科じゃなけりゃ味わえない充実感ですよ!
岩手の田舎から出てきたあの頃の自分からいろんな点で成長したなって。
麻布の6年間はめっちゃ楽しくて大変で、そして何より獣医師としての夢を追いかけるのにとってもふさわしい大学なので、ぜひ皆さんもここで学んでほしいです。
皆さんの頑張りを祈ってます!
僕は僕で頑張ります!
では!!