皆さんこんにちは!
最北端獣医師のノスケです!
僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し現在は日本最北端の地で牛の獣医さんをやっています。
僕が獣医学科を卒業し、獣医師国家試験を終えてから早1年が経ちました。
もう僕が獣医師として働き始めてから1年が経ったんですね。
国家試験のことについては以下の記事を参照してみてください!


僕は普段獣医師を目指す人、現在獣医学科の人などに向けて色々な情報を発信しています。
さて僕はNOSAIという企業?に所属しており、牛や馬などのいわゆる産業動物を診療しているわけですが、実はNOSAIは全国にあります。
そしてそれぞれの都道府県で特徴があり、多くの獣医師が勤務しています。
さて今回の記事のテーマですが、ずばり!
”NOSAIに就職するなら、圧倒的に北海道だと思う理由!”
です!
僕自身北海道NOSAIに勤務しているのですが、これに関しては学生のころからずっと思っていました。
そして就職して働いて1年が経ってさらにその思いは強くなっています。
今回はどうして僕がそう思っているのかを熱く語っていこうと思います!
Contents
どうして北海道NOSAIが一番いいのか?
これから僕がどうして北海道NOSAIをここまで推すのかを熱く語っていこうと思います!!
理由は厳選した7つを紹介していきますね!
①診療頭数が多いため、得られるスキル量と身に着くスピードが早い
まずもうこれが何よりも大切なことだと思います。
例えばNOSAI獣医師が一番多く診療することになる乳牛の頭数を見てみましょう。
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乳用牛頭数の都道府県ランキング – 都道府県格付研究所 (jpn.org)より
2020年のデータ
北海道が本当に桁が違うレベルで乳牛の飼養頭数が多いです。
確かに北海道は面積も大きいですが、それでも獣医師が1日に診療する牛の頭数は、圧倒的に北海道がダントツです。
知識に関しては、参考書や勉強会などでいくらでも増やすことは出来ます。
でも、手術の手技だったり、繁殖における直検やエコーの技術、蹄病治療などは実際にやってみると思うようにはいかないことが多いです。
そしてこれらの技術というのは、実際にどのくらい場数をこなしたかによって、向上のスピードは大きく異なってきます。
僕が北海道以外の場所に実習に行ったとき、そこでは手術はあまり行われていませんでしたし、やはり北海道のほうが経験数で言うと圧倒的に多いと感じました。
これは個人的な話になるのですが、僕は手先がとても不器用で、中学校の技術家庭科はいつも”5段階評価で3”でしたし、高校の美術は”1”でした(笑)
それくらいの不器用さでしたので、就職して最初のオペでは、針に糸も付けられず、平均20~30分のオペに2時間くらいかけてしまったこともあります…。
そんな僕でも、1年間獣医師として働くようになり、手術もこなせるようになり、学生時代全く経験のなかった繁殖や蹄病もそれなりに出来るようになりました。
出来ないという言い訳をする暇もなく、どんどんトライする環境なので、必然的に技術が向上していきました。
僕が就職した先が北海道でなかったら、1年経っても出来ないことだらけだったと思います。
実際、他の都府県に就職した同期よりも、自分のほうが成長幅で言えば圧倒的に勝っていると思います。
成長のスピードが圧倒的に早いということがまず大きな理由ですね!
②知識や技術のレベルがどの都道府県よりも圧倒的に高い
そして北海道は牛の頭数が多いということだけではなく、知識や技術のレベルも相当高いです。
北海道では多くの勉強会や講習会が開かれており、1年目から高いレベルの知識を学ぶことが出来るようになっています。
というのも、北海道には酪農学園大学と帯広畜産大学、北海道大学の3つの獣医学科があるため、産業動物関連の猛者がたくさんいるのです。
勉強会ではそういった大学の先生から、最先端の知見や考え方・診療のノウハウをどんどん学ぶことができ、それを現場で活かすことが出来ます。
個人的には、就職して半年くらいの時に受けた、牛の第一胃についての講義がとても興味深く、大学ではフワッとしか触れなかったことに対する知見がとても深まりました。
なんとなくの診療から、より深いレベルでの診療にレベルアップしました。
診療所間の連携も強いので、診療所を超えて色々な交流もあります。このことにより普段は時間がなくてじっくり深められない知識や技術を磨くことが出来ます。
僕は、たまたま参加した交流会で、先輩の先生がポロっと言っていたことが、実際の診療現場で役立ったことがあります。
「○○だったら、基本的に△△だと考えがちだけど、時には××の時もあるから、頭の片隅に入れておくと良いよ!」って何気ない一言がまさに役に立ったんです(笑)
教科書には載っていないそういったことが得られるチャンスが多いのも、北海道NOSAIの大きなメリットですね。
③同期が多く、そのことによる恩恵が大きい
北海道NOSAIは同期もとても多いです。
僕たちの代は、およそ60人くらいはいます。これは牛の頭数と同じで、他の都府県とは桁が違います。
例えば、産業動物獣医師の多い地域である、鹿児島県や宮崎県・東北地方でも、同期の数は5人前後しかいません。
しかもお互いにとても距離が離れていたりして、交流する機会はとても少ないです。
でも北海道NOSAIならば、これだけの数の同期がいるので、同じ診療所に同期がいることも珍しくないですし、近くにもたくさんいます。
歳が近い先輩や後輩もたくさんいます。
なので、話しやすい相手が沢山いるということですし、同期だから話せることもたくさんあると思います。(愚痴だったり、あるいは愚痴だったり(笑))
休みの日には一緒に遊びに出かけることもたくさんありますし、とにかく楽しいです(笑)
僕なんて月に2~3回は同期と遊びに行ってますし、なんなら大学の頃よりもアクティブに遊んでいる気がします。
出先で普段は言えないようなことも言い合ったりして、仕事のことで議論を深めたりして、やっぱりメリット大きいなって感じるんです。
九州に就職した友達は、休みの日に遊ぶ相手もいないって嘆いていましたし、歳が近い人がそもそもいないから、ふとした時に辛いって話をしていました。
大学生の人は同期がたくさんいて当たり前でしょうが、就職するとそれが原因で病んでしまう人だっています。
同期が沢山いることも大きなメリットだってことを忘れないでいてくださいね!
④獣医師の数が多いので、職場がホワイトであることが多い
獣医師業界ってブラックだー!って色んなところで言われていますよね(笑)
たしかにそういうところも多いように感じます。
でもそうなってしまう大きな理由が、”獣医師の数が不足しているから”ということなんだと思います。
獣医師の数が少ないことにより、休まれると職場が回らなくなるから休みづらいし、休憩時間も短くなり、結果的に帰る時間も遅くなる…。
負の連鎖です。特にこれは小動物病院で顕著かなとは思います。
しかし産業動物の世界でもそれは起こっていることです。
具体的な例を出すのがちょっと怖いですが、獣医師は少ないけど診療頭数は多い地域(岩手とか九州とか)は、北海道ではありえないくらい帰宅時間が遅いです。
同様に休みも取りづらい雰囲気のようです。
それに比べて北海道は獣医師の数が多く充実しているので、仕事の負担が大きくなりすぎることもなく、帰宅時間も17時が基本です。
僕も当番の日や急患が入った日以外は17時にしっかり帰宅できますし、休みたいにはしっかり休みが取れています。
これも獣医師の数が多いので、お互いにカバーしあえる環境が整っているためです。職場環境がとてもいいです。
SNSを見ていると、他の都府県に就職した人は、なんだか仕事の愚痴が多いような気がします。それもブラックさを嘆く内容が多いような…
北海道のNOSAIは、仕事もプライベートもどちらも充実していることが多いような気がします。勤務時間はもちろん忙しいですが、自分の時間も十分に取れるのがとてもいいですね!
⑤働きに見合うだけの給料がもらえる
有名かもしれませんが、やはり北海道NOSAIは給料もかなり高いです。
他の県とはくらべものにはならないです。1年目からその差は顕著でした。
基本給も違いますし、上り幅もやはり大きいです。
北海道の次に給料が良いとされている鹿児島県だったり宮崎県も、最初こそそこまで変わらないですが、昇給が全然違います。
特にNOSAI道東や、十勝、NOSAI道央の宗谷地区は、全国でも1,2を争うレベルで給料も高いです。
スキルや技術が身に着くスピードが早いだけでなく、休みもしっかり取れて、その上でしっかり給料も貰うことが出来る。
はい、皆さんどんどん北海道NOSAIに心惹かれていますね??(笑)
ちなみに僕自身がどのくらい給料をもらっているのか知りたい方は、以下の記事を参照してみてください!
他の友達の例も挙げていますので、比較することもできます。

ちなみに1年目の僕は、手取りで月に30万円前後はもらっています。
週に1回程度の当番があり、基本的に17時には帰れる状態でこれですので、かなりホワイトなんではないでしょうか?(笑)
息つく暇もないくらい働いて、とかではないので、ストレスもそこまで感じていません。
これは大きいメリットです!!
⑥研修が充実している
北海道NOSAIの大きなセールスポイントの一つとして、研修が充実していることが挙げられます。
これは新人研修のみならず、そのほかの勉強会だったり、3年目、5年目、10年目と節目の年で行われる研修もあるということなんです。
代表的な新人研修についてまずはご紹介していきます。
1年目の新人は、江別にある研修所にて、6週間の研修プログラムを受けることになります。時期は人によりますが、北海道中から同期が集まります。
去年はコロナウイルスの影響で3週間のみの実施、今年は4週間の実施となってしまいましたが、いずれ元のプログラムに戻ることでしょう。
そしてその研修では、診療における牛の基礎的な知識、診療のルーティン、代表的な症例の検討などの基礎をまず学びます。
そして繁殖における直検の練習、エコーの練習、手術(帝王切開や第四胃変位)を実際に行ったりもします。
普段は何回も時間をかけて練習できないこと(骨折の整復、レントゲンの撮影・読影、人工授精の練習)も研修なので納得いくまで出来ます。
そこで貰う資料も、帰ってから何回も役立っています。この研修ですでに他の同期とは大きな差が生まれると僕は思います。
そしてここで知り合った同期とは、その後ずっと付き合いがあります。友達がたくさんできます。
僕も研修で知り合った同期とは、スノボに行ったり、釣りやバーベキュー、フェスにキャンプなど遊びまくっています(笑)
企業でもこんなにしっかり研修をやってくれるところは少ないと思います。
これが北海道NOSAIの大きな魅力です!
僕自身は、コロナウイルスの影響で3週間のみの研修でしたが、それでも得るものはとても多く、実際の現場で役立っています。
これから皆さんがフルのプログラムを受けられるのが羨ましいです(笑)
⑦学生への力の入れ方が段違い
そして北海道NOSAIさらに他の都府県と比べてすごいのが、学生に対しても手厚いということなんです。
獣医学生がNOSAIについて多くのことを肌で知ることが出来る”NOSAIの臨床実習”。これに対しての力の入れ具合が他の都府県の比ではないのです。
まず実習生に対して、旅費は全額組合が負担し、宿も組合が用意してくれるので学生は基本的にお金は掛かりません。
組合によっては1日あたり数千円の食費が支給されるので、むしろプラスで実習を行うことが出来ます。
こんなところは他にありません。せいぜい旅費を半額負担してくれても、宿は自分で負担しなくてはならないことがほとんどです。
また実習生をたくさん受け入れているので、実習生が見たいポイントをしっかり見せてくれますし、色々な経験を学生でもできます。
先輩からも役に立つ話をたくさん聞けるんです。
そして気軽に行けるので、とりあえず何か所か行ってみて、自分の重要視するポイントを満たしているのかを比較しながら実習を行えるのが強みです。

そして実習に行って顔を覚えてもらうことで、就職にも有利に働くのでメリットだらけなんです!
また学生向けの説明会にも力を入れているので、困ったときに役立つ話を直接聞くことが出来ます。
大学にも説明会に頻繁に来てくれますし、現在はオンラインでの説明会に力を入れており、しかもマンツーマンで説明をしてくれるので、学生に取ってはより嬉しいのではないでしょうか。
逆に他の都府県だと知りたいことを知るチャンスがほとんどないのです。
そして地元の大学の学生向けにしか説明会を行わなかったりするので、関東の学生は特に知らないことが多かったりします。
実際に就職してみたら、思っていたのとは全然違った!!
ってことも起こりがちなようです。
そういったミスマッチがないのも大きなメリットですね!
最後に
いかがでしょうか。
これらが僕が北海道のNOSAIを強く勧める大きな理由です。これは忖度なしで僕が本気で思っていることです。
確かに北海道は冬は厳しく、冬の診療や運転は他の都府県よりも大変かもしれません。
ですがそれも期間限定ですし、それ以上のメリットがたくさんあります。
僕の大学の同期で、北海道以外のNOSAIに行った人たちは、なんだかかなり病んでいるように感じます。
それは単純に仕事がしんどいということだけではなくて、相談できる同期があまりいないこともあるんだと思います。
自分一人で背負い込んでしまい、休みも満足に取れない。取れても遊ぶ相手がいない…
これでは何のために働いてるか分かりません。
僕は仕事内容、そしてスキルの身に着くスピードももちろん大切だと思いますが、自分の周りの環境もとても重要だと思っています。
その点でも優れている北海道NOSAIを一度視野に入れてみてはいかがでしょうか。
これから説明会や実習がどんどん復活して、皆さんが多くのことを知る機会が増えてきます。気軽に実習にきて、生の声を聴いてみてください。
そうすればきっとあなたも北海道が好きになると思います!!
では!!

