みなさんこんにちは!
ノスケです!
僕は獣医師として働く傍らで、獣医学部受験や獣医師についての情報を発信しています!
YouTubeもやっているので、そちらも併せてみてもらえると、獣医師についての詳しい情報がより得られると思います!
最近ではYoutubeでも獣医学部受験のことを投稿するようになりました!
もしよろしければ併せて閲覧をよろしくお願いします!
ということで、今回のテーマですが、
”NOSAI獣医師の地域差について”
になります。
今回の記事の内容!
・NOSAI獣医師の地域差
・診療動物、給料、私生活の違い
・おすすめの地域ってどこなの?
これらについて解説していこうと思います。
大動物(牛や馬、豚など)を診療する獣医師のほぼ100%が一度は通るのが、このNOSAIという組織です。


ですが、ひとくちにNOSAIと言っても、NOSAIの診療所は全国にあります。
そして、地域によって診療する動物も仕事の忙しさも、給料も違ってきます。
でもその違いを教えてくれる人は、おそらくほとんどいないでしょう。
じゃあ僕がやっちゃえばいいじゃん!!
ってことで、みなさんにNOSAI獣医師のさまざまな深い部分をお教えします!!
最後までぜひ読んでいってくださいね!!
Contents
NOSAIってどんな団体?
そもそもNOSAIとはどんな団体なのでしょうか。
そこから軽く説明していくことにしましょう。
NOSAIとは簡単に言うと、牛や馬などの家畜の保険制度です。人間の場合、給料から天引きという形で毎月保険料を納めています。
そしていざ医療が必要になった際には、3割のみの負担で医療を受けることができます。
実は家畜にも同じようなシステムがあります。
農家さんが掛け金を支払い、家畜が病気になった際には無料で医療を受けることができます。
また家畜が死んでしまった場合には、それに対する保険金も支払われます。
このように人間の保険制度に似たシステムが家畜にも存在し、その時に掛け金に対しての対価としての医療を行うのが、
我々獣医師ということになるのです!
ということで、概要を知ったところで、実際に地域差があるのか見ていくことにしましょう!
NOSAIの地域差ってあるの?
ではNOSAIの地域差はあるのでしょうか?
実は同じ家畜の獣医師でも、都道府県によって大きく差があります。
なので今回はその地域差を詳しく解説していくことにします。
そしてその中でも今回は、
・診療する動物の種類
・技術や知識面での地域差
・給料の違い
・休みは取りやすさの違い
といったことについて焦点をあてて記事を書いていくことにします!
では早速比較していくことにしましょう!
①診療する動物の違いについて
まず大前提として、産業動物獣医師、いわゆる大動物獣医師の診療対象としてメインとなるのが、”牛”です。
これは90%以上の地域で当てはまることだろうと思います。
メインは牛を診療しながらも、部分部分で馬や時には豚を診療することがあるということです。
その中で、馬を診療することができるのが、北海道の”日高”という地域です。ここは馬の診療が盛んで、馬といえば日高!というくらい有名です。
というのも競走馬や重種馬(でかい馬)がたくさん飼育されており、ここには馬の二次診療の施設もあるからです。
僕も一度ここには実習にいったことがありますが、かなりレベルの高い治療を行っており、馬の獣医師を志す人たちにとっては憧れのような場所になっています。
そして馬の繁殖が行われる時期(馬は1年の間で繁殖をする季節が決まっています)には、1日も休めないくらい忙しくなります。
みんな覚悟の上で就職するのですが、やはり大変そうです。これは馬業界のあるあるなのですが、春はとても忙しい時期なのです。
そして次は豚です。
豚は、積極的な治療よりも予防に重点が置かれていることもあり、NOSAIの獣医師が診療することは少ないです。
それでも千葉県のNOSAIでは、豚の診療や疾病予防の業務に携わることが出来ます。
僕がいた麻布大学の先生で、豚の専門の方も、かつては千葉県のNOSAIで仕事をしていました。
なかなかレアなので、ここでそういったスキルを身につけることが出来たら、後々強みになってくれると思います!
しかし、千葉県のNOSAIは競争率がとても高いことでも有名で、落ちる人が続出します…笑
そこはしっかりと覚悟の上で臨みましょう!
そして次は九州に飛んで、肉牛です。
他の地域でも肉牛を診療する機会はありますが、やはり九州地方が圧倒的に診療するでは多くなっています。
和牛=九州のイメージは皆さんもありますよね?
それがそのまんま獣医師の仕事になる訳です。
「同じ牛なんだから、乳牛でも和牛でも大差ないように思えるのですが…」
確かに同じ牛という面で、基本的なことは変わりません。
でも和牛と乳牛では、なりやすい病気も違いますし、飼い方も一生の終え方も全然違います。
そして病気に対する抵抗力も違います。
もっと突っ込むと、1頭あたりの価値も違います。そして農家の方の気質も違います。
つまり、乳牛と和牛では、別の動物と言っても過言ではないくらい違うのです。
僕がいた地域でも和牛はいましたが、「え、こんなに違うの?てか和牛難しすぎ!」みたいな感想を持ちましたもん笑
なので、大きく分けると、
乳牛・和牛・馬・豚の4種類の動物を診療するのがNOSAI獣医師の仕事で、どの地域にいても、乳牛を診療することにはなるということです。
その中で、他の3種類の動物の割合が地域によって変わってくるということです。
ちなみにその他の動物、例えば山羊や羊といった動物も、診療することが全くないというわけではありません。
ヤギの食欲不振や骨折など…。そんな往診がくるとどうしたら良いかわからなくなります笑
とはいえ、それは相当レアなケースなので、今回は割愛しますね!
・基本的な診療対象は”乳牛”
・他の動物を部分部分で診療する
・馬なら”日高”、豚なら”千葉”、肉牛なら”九州”
・馬はとても忙しい分野
では次に行きましょう!
②技術や知識面での地域差
これは個人的には診療数に比例すると思います。
つまりたくさん診療している地域ほど、技術的にも知識的にも進んでいるということです。
その中でやはり筆頭に上がるのが、北海道です!
例えば、乳牛でいえば北海道の飼育頭数は80万頭以上。これは2位の県の15倍にも上ります!
単純にこれだけいれば、そりゃ病気になる牛も多くなるわけで、獣医師の仕事も増えます。
そしてその際の技術や知識が共有される場も多くなるので、必然的に全体的なレベルも上がってくるわけです。
特に北海道の、宗谷地方、根釧地方、十勝地方などは特に乳牛の診療頭数が多いので、治療のレベルが高くなっています。
また他の動物に関しては、先ほどの診療する動物の地域差でも説明した通り、
たくさんいる=レベルが高い
ということなので、それを参考にしてもらえればいいと思います。
また北海道に次いで、診療レベルが高いのが、九州や東北だと思います。
九州なら鹿児島県や宮崎県、東北地方なら岩手県が特に診療頭数も多いので、学生にも人気になっています!
・忙しい(診療頭数が多い)=レベルも高い
・一番診療レベルが高いのが、北海道
・次いで東北や九州
③給料面での違いについて
大前提として、産業動物獣医師というのは、公務員という位置づけにかなり近いものがあります。
なので基本給に関しては、都道府県によってそこまで差があるわけではありません。
小動物病院のように、院長が独自に決めているわけでもないので、大体基本給だけならば、25~30万円くらいの間で推移します。
しかし実際のところ、1年目から給料は月給で20万円くらい差が出ます。
どうしてその差が生まれるのか?
それは、給料+αの部分で大きく違うからです。
そしてこれは忙しい地域、仕事量が多い地域ほど大きくなる傾向にあります。
その際たる地域が北海道です。
その中でも+α分が多いのが、宗谷地区、根釧地区、十勝地区などです。
僕たちの仕事は公務員なので、基本的な勤務時間は8:30~17:00です。ですが相手は生き物なので、いつ何時でも具合が悪くなる可能性があるわけです。
ということは、時間外で診療や治療をした場合は、その分給料として加算されるわけです。
僕がいた地域では、それが月に5万円前後プラスされていたので、総支給額として毎月40万円くらいの給料でした。
さらにそれが多い地区(根室や釧路など)は、そのプラス分がさらに増えて、月に50万円になることもあるそうです。
逆にそれが少ない地域は、基本給分しか給料が出ないので、大体月に30万円前後にしかなりません。
なので基本給は同じでも、1年目から月給で20万円くらいの差が生まれることになるのです。
ちなみに北海道に次いで給料が高いのが九州地方になります。
こちらは、獣医師手当という+α分が、他の地区よりも圧倒的に高く(10万円前後)、結果的に高月収となります。
そしてこれはさらに込み入った話になるのですが、公務員の給料というのは厳密に決められており、それにのっとっています。
その中で、基本的に獣医師の給料というのは、看護師や薬剤師と同じカテゴリに分類されています。
なので、公務員の看護師や薬剤師と同じように昇給していくのですが、北海道に限り、それが医者と同じカテゴリになっているのです!
なので、北海道や九州は最初こそ違いはあまりないけど、さらに長い目で見ると、やはり北海道の方が給料面で恵まれていると言えそうです。
・給料が一番高いのも北海道
・基本給はさほど変わらないが、+αで大きな違い
・1年目で20万円/月くらい変わる
・北海道はカテゴリが医者と同じ
④休みの取りやすさの違いについて
ここで勘違いして欲しくないのが、
休みが取りやすい職場≠仕事が忙しくない職場
ということです。
はい。
意外かもしれませんがそうなんです!
あんだけ仕事が忙しくて、その分給料が高いって紹介しておきながら、休みは取りやすい?
そんなことはあるのでしょうか。
あるんです!!!
ではどうしてそれが可能なのか。
それは圧倒的に獣医師の数が多いからです。
要は、人がたくさんいれば助け合いがしやすいので、誰かが休んでもその代わりを誰かが担えるってことなんです。
北海道は忙しいですが、獣医師の数も物凄いです。
長期休暇を取る人もとても多いです。
ちょっと旅行に行きたいから2週間くらい休みたい。
海外に行ってくるから、しばらく休みたい。
はい可能です。北海道なら!
実際僕がそうでしたから。
しかも、1年目だからとか、そういうところを気にしなくてもいい雰囲気が北海道のNOSAIにはあります。
これも獣医師の数が多い北海道だからこそなせる技なのかなと思います。
逆にこれが本州だとこうは行きづらい部分があるようです。
というのも忙しい割に獣医師の数が少ないからです。
こういう地域は、休みを取ろうにも代わりの要因がいないので、難しいことがあります。
取れたとしても1週間とか2週間の休暇は厳しいでしょう。
あまり大きい声ではいえませんが、東北地方は大変らしいですよ!笑
とまあこんな感じで休みの取りやすさに関しても地域差があるってことです!
・実は休みが一番取りやすいのも北海道
・休みの取りやすさを分けるのが獣医師の数
・あれ、北海道最強じゃね?
まとめ:北海道が一番いいんじゃね??
はい。ここまで読んでくれた人なら気づいたかもしれませんが、「北海道って色々な面で最強じゃね?」ってことなんです。
実はそうなんです。
診療する頭数や技術や知識、そして給料、果ては休みの取りやすさにおいても、北海道は他の都府県を凌駕しています。
産業動物の分野に進みたいと考えているけれど、どこに行ったらいいのか分からない。
という人はぜひ北海道に就職することをお勧めします!!
とはいえ北海道といえど良いことばかりではありません。
雪は多いし、広すぎるから車必須だし、田舎すぎて苦労もするし、寒いし…
要は過酷な自然と向きあう必要があるってこと。
なので一度研修などで現実を見ておくことも大切です!!
では!