皆さんこんにちは!!最北端獣医師のノスケです!僕は2020年に麻布大学の獣医学科を卒業し、現在は日本最北端の地で牛の獣医をやっております。
獣医学科を目指す人たちにとって気になることの一つでもある、学費について今回はお話しようと思います。やはり国公立大学は学費が安いのですが、定員が少ないこと、そこに成績がめっちゃいい人たちが集まるので激戦区となります。
そのため多くの人が私立の獣医学科に進学します。毎年獣医学科には全大学合わせて1000人強程度が入学します。
そのなかでおよそ国公立:私立=3:7くらいになります。
獣医学科に進学する大半が授業料の高い私立大学に通っています。ですので、これから獣医学科を目指す人はその授業料をしっかりと把握し、親御さんと話し合うことが大切です。
それでは見ていきましょう!!
ちなみに最近Youtubeの更新も始めました!
よりいろんな人に獣医学部についてフランクに知ってもらおうと思って動画を作っているので、合わせてチェックをよろしくお願いしますね!
国立大学の学費
国公立大学の学費は一律であり、2018年の9月段階では、
初年度 817,800円
次年度以降 535,800円
6年間のトータル 3,496,800円です。
初年度は少し高くなっていますが、授業料はかなり安いのではないかと思われます。となると当然、国公立獣医学科はめちゃくちゃ激戦区です。
私立大学の学費は??
次に私立大学ですが、これは大学によってばらつきがあります。順に述べていきます。すべて今年の公式ホームページを参照しています。年によって多少のばらつきはあるようですが、毎年殆ど変わりません。
では1つ1つ見ていきましょう!!
麻布大学
初年度 2,577,740円
次年度以降 2,317,000円
6年間のトータル 14,162,740円
日本獣医生命科学大学
初年度 2,631,000円
次年度以降 2,220,000円
6年間のトータル 13,931,000円
日本大学
初年度 2,410,000円
次年度以降 2,198,000円
6年間のトータル 13,400,000円
北里大学
初年度 2,330,000円
次年度以降 2,130,000円
6年間のトータル 12,980,000円
酪農学園大学
初年度 1,474,000円
次年度以降 2,289,000円(6年次のみ2,296,000)
6年間のトータル 12,926,000円
岡山理科大学
初年度 2,500,000円
次年度 2,436,000円
6年間のトータル 14,680,000円
6年間でトータルどのくらいかかるのか?
いかがでしょうか?国公立獣医学科の学費は6年間で350万円程度だったのですが、私立獣医学科の学費は最低でも1300万円程度は掛かってきます。
高いところは1500万円に届こうかという金額なので、年あたりで計算すると200~250万円ぐらいは支払わなくてはならないのです。
そしてこれはあくまで授業料単体での金額であり、実際には日々の生活費などもかかってきます。地方であれば家賃や物価が安いので、生活費は幾分抑えるこ
とが出来ると思います。
ですが都市が近い場所にある大学では家賃も上がってくるので、その分出費はかさみます。
ざっくりとした目安なのですが、僕が住んでいた神奈川県では、生活費だけでも月に最低でも10~15万円はかかりました。家賃相場が50000円前後だったので、それに光熱費や食費、通信費や交際費などもあわせると、やはりそれくらいの金額になります。
地方にある大学ならば、家賃は2~3万円で済むと思いますので、その分は安くできるかと思います。しかし地方なら車が必須なこともあるので、その維持費が別にかかることも考えられます。
そして仕送りをどの程度もらうか、自分でバイトしてどのくらい稼ぐかにもよるのですが、例えば月に10万円を仕送りでもらうとすると、年で120万円、6年間で720万円を親御さんは出費をすることになります。
ということはこの金額に授業料を足すと、
国公立大学:350万円+720万円=1070万円
私立大学:1300~1400万円+720万円=2020~2120万円
くらいが一つの例として6年間に必要な金額になります。とはいえバイトを頑張って仕送りを減らしてもらったり、もしくは奨学金を利用する人もたくさんいます。ですのでこれはあくまで1つに目安だと思ってください!
最後に
いかがでしたか?私立大学の学費はとても高いことがわかります。国公立大学の3倍以上かかります。また岡山理科大学はそこの中でも1割程度高くなっていますね。経営面などの理由からだと思われます。となると親御さんは特に私立大学ではなく国立大学に通って欲しいと思うことでしょう。
しかし国立一本という人は少ないので、最終的に国立大学に進む人も私立獣医の学費というものはしっかり考えなくてはいけません。私自身も麻布大学の獣医学科に通っていますが、受験生の当時は両親と何度もそのことで話合いになりました。
また様々な面で地方と都市部の人では差が生まれています。これは別な記事で述べますが、私立大学獣医学科の入学者は圧倒的に関東や関西などの都市部の学生が多いです!当然平均年収もかなりの差があるので、地方の受験生には不利な状況です。
ですので奨学金を借りる人が結構います。詳しくは別の記事で述べることになりますが、借りている人の割合が一番多いのは、
日本学生支援機構の奨学金です。この奨学金は無利子の第一種奨学金と低利子の第二種奨学金があり、最大月に14万円ほど借りることができます。獣医師の将来性と稼ぎを考えると、返済も難しいものではありません。
またもう一つ借りている人が多いのが産業動物獣医師修学資金制度です。これは様々な県で行っている制度であり、借りた年数の3/2または5/3倍以上の年数その県で産業動物獣医師や公務員獣医師として従事するならば、返済の義務がないというものです。
借りられる額もMAX18万円/月までで、これは高校生も申請することができます。高校生の場合、入学金なども負担してくれるのでとても助かる制度だと思います。また採用された高校生は大学へ県が推薦してくれるというところまであります!!
これも獣医学科ならではの制度ではないでしょうか。それだけ獣医師の需要というものは高いのです。