みなさんこんにちは!
最北端獣医師のノスケと申します!獣医師国家試験に合格したばかりで、現在は日本最北端の地、稚内にて牛の獣医をやっております!
今回は現役獣医学生向けの内容になります。それはvetCBTとOSCEについてです。2018年から本格的にスタートし、2020年には3回目を迎えようとしているのですが、いかんせん始まったばかりなので情報が圧倒的に少ないです。
そこで実際に受けて合格した私から、いったいどういうものなのか、対策法や合格率などについてお教えしたいと思います。
ちなみに国試についてはこっちで語っているのでよろしければどうぞ!!
獣医学科共用試験ってそもそも何?
獣医学共用試験は、CBTとOSCEという2つの試験からなり、4年生後期終了時から及び5年生前期終了時にかけて実施されます。
各大学は参加型臨床実習の開講時期等それぞれの事情に応じて日程を決めています。具体的には、各学期が終了する2月から8月にかけて実施されます。
国家試験のように全大学の生徒が一気に集まって、同時に試験するわけではなく、それぞれの大学によって日程も異なり、試験も大学内で行われるということです つまり。
そして試験内容ですが、まずvetCBTはComputer Based Testingのことで、獣医学の基礎知識についてコンピュータを使って客観的に事前評価します。獣医学の基礎知識、すなわち獣医学教育モデル・コア・カリキュラムの講義科目の内容が出題範囲となり、ランダムに学生間で異なる問題が出題されます。
vetOSCEは(Veterinary Objective Structured Clinical Examination )の略で、モデル・コア・カリキュラムにある参加型臨床実習に参加する学生について臨床実習を行うための基本的な臨床能力を確認し、学生の質を評価するための実技試験です。
でも大丈夫!!下に示す合格率を見てもらえるかな?
合格率はほぼ100%??
そんな獣医学科共用試験ですが、安心してください、合格率はめちゃくちゃ高いのです!
上の結果が僕たちの代(2020年現在、社会人1年目)。そしてその下が1個下の代の結果です。


それもそのはず。国試でさえ80~90%の合格率なのですから、この試験でそんな人数落とすはずがないのです。それに一番忙しい時期だというのは先生方も分かっているので、対策が不十分でも合格できます。
落ちたらだるいぞ!CBT&OSCE
まあこれだけの合格率なわけですから、各大学から選ばれし再試験者には過酷な運命が待ち受けているんです(笑)
みんなが遊んでる中、一人だけで追試対策をしなくてはならない!
CBTやOSCEが終わったら、多くの人が楽な期間に突入します。麻布なんかはそこから夏休みですから、みんな旅行に飲み会など楽しみまくります。でも落ちた人はその後の再試に備え1人で勉強します。まわりに落ちてる人なんていませんから、それこそ孤独ですよ。
ちなみに僕はちゃんと受かりましたからね!!
再試験代がバカ高い
麻布なんかですと、期末試験の追試代は科目当たり2000円ですね。しかしCBTやOSCEの追試代は万単位です。両方落ちちゃうと20000円以上かかります。学生にとってかなり痛い出費ですよね。こんなところにお金を払ってはいけませんよ!!
まあとはいえこの合格率です。落ちてる人はやっぱり強者なんです。落ちた人の理由もかなりのモンです。数人ご紹介すると、
- 受験料を期日以内に振り込み忘れた人
- ・OSCE対策の授業を全欠席しぶっつけ本番で臨んだ人
- ・極端に本番に弱い人(緊張するとゲロ吐いちゃうレベル)
①と②は普通に生きてれば大丈夫ですよね?(笑)
だから問題ないです。
③に関しては、まあ少ししょうがないような気もしますが、意外と本番はヌルっと終わりますよ。OSCEなんて試験官も大学の先生だから知ってる人ですし、ミスっても受かります。時間内に終わんなくても受かります。
とはいえやっぱり獣医師の仮免試験と言われると仰々しく感じられ、やっぱり不安になりますよね。その気持ちわかります。
それにまだまだ始まったばかりで基準が甘いんじゃないかということも考えられます。
ですので僕の経験を踏まえて、CBTとOSCEの対策法と、必要な対策期間についてお教えしますね!!
CBTとOSCEの対策編!!
まずはCBT
まず心配なのがCBTですよね。
CBTは一言で言うと、国試の簡単バージョンです。テストは大きく分けて3つの分野に分かれており、基礎系や臨床系の分野があります。それぞれ問題数が定められており、合計で60%取れば合格です。
今まで習った範囲すべてって言われると、にわかに不安が増してきますよね。でも大丈夫!そこまで難しい問題は出ません!
それに実は正答率が低い問題、つまりみんなが出来なかった問題は、採点から除外されるので、正答率が高かった問題のなかで自分が6割を取れればいいんです。
ね?なんか大丈夫そうな気がしてきたでしょ?
それに皆さん学校の試験や研究室が忙しい4~5年生の間にCBTがあります。忙しいのに今までやってきた範囲を総復習なんてできるはずもありません。麻布大学は、5年前期になると2週間に1回は試験をやっています。さらに期末試験もあり、それがすべて終了した2週間後にCBTがあります。
そんな状況でも99%の人が受かってるわけですから、まあ、つまりそういうことなんです(笑)
まあとはいえ、無対策はさすがにまずいですから、僕が推奨する短期間で行えるCBT対策をお教えします。
それは大学で受験した模試の問題や、獣医学共用試験のHPにある模試をひたすら解いて、できなかったところを教科書等で復習するという方法です。
実はCBTの問題プールには限りがあり、そのプール内からそれぞれ個人にランダムに問題が割り振られます。
ということはそのプール内の問題を知っていればいるほど、実際に本番で似たような問題、もしくはまったく同じような問題に出くわす確率が高くなります。
見たことある問題がまんま試験に登場したりします。模試や対策問題でやった問題が全くの的外れなわけがないじゃないですか。
そりゃ本番もそれに近いor同じ問題を出すに決まってます。
さすがに一回解いた問題は間違えないでしょう?5択ならなおさらです。
だからむやみ教科書を読み返すのではなく、ひたすら模試などで演習!あるのみです。皆さんの目標はあくまで合格だと思うので、この際問題丸覚えでも良いと思います。
じっくり考えたいこと、深めたいことはCBTが終わってからゆっくりとやればいいんです。とにかく短期間でこの試験に受かることが最優先です!
ですから、演習→教科書やまとめという流れを意識して取り組んでみてください。私も実際模試の問題だけ解き、そこの近辺だけを教科書で復習しました。1から教科書を読んだ科目などありません。
そしてなかなかモチベが上がらない人にお勧めなのが、各科目に強い友達を集めて一緒に勉強することです。なぜなら一人だとわからないことをいちいち調べなければなりませんが、友達と複数で勉強していると、必ず特定の科目に強い人がいます。その人に聞けば一発で解決します。
それにやる気の出ないCBT対策もみんなでワイワイ、クイズみたいにしてやれば楽しいもんですよ!!
あとはそれを覚えるだけ!!
そしてこの対策に必要な日数は10~14日です!!
リアルにこの程度で十分です。僕自身麻布では中の下くらいでしたから、それでこの日数で足りたということはほとんど人がこれで十分です。
・CBTは全3分野
・合格ラインはトータルで6割
・でも正答率の低い問題は除外されるから、実際はだいぶ緩い
・模試と対策問題を解いて、そこだけ暗記(友達とやれば効率UP!)
・10~14日間やれば十分合格できる!!
そしてOSCE!
OSCEは様々な試験からなります。
まず医療面接。これは病気のペットを連れてきた飼い主さんに問診を行うものです。ペットは模型ですが、本当の現場さながらの緊張感です。とはいえ高度な知識などは必要ありません。
求められるのは飼い主さんに寄り添い、話を聞いてあげて緊張感を取り除き、信頼してもらうことが出来るかどうかをテストされます。一人5分くらいの試験で、どうして来院したのか主訴を聞き、食欲や便の状態、元気はあるかなど質問をして飼い主さんとの距離を縮めていきます。
最初は緊張して訳が分からなくなるかもしれませんが、普通に飼い主さんに寄り添い、話をしていれば大丈夫です。サイコパスでもなければ不可にはならないでしょう。
接客業のバイトをしたことがある人なら、なおさら大丈夫だと思います。
大切なのは”共感”です!
次は縫合やガウンの着方です。
これは外科の実習などで嫌というほどやるので問題ないでしょう。しかも試験時間もかなり余裕をもって設定されているので落ち着いて、普通にやれば失敗しません。
万が一終わらなくても不可にはならないです。慌てて頭が真っ白になるほうが、よっぽど恐ろしいです。ですのでゆっくりでいいから落ち着いて行いましょう。
他には、牛や犬の模型を使って聴診や触診、さらに牛は頭絡を行います。
それぞれ動物においてTPR(心拍数、呼吸数、体温)の基準値は異なっています。それだけはしっかり頭に入れて臨みましょう。
そして実際に測定した結果、それが基準値以内なのかはずれているのか判断できればOKです。触診も基本的なリンパ節の場所や関節さえ覚えておけば大丈夫です。
まあぶっちゃけ多少ミスっても大丈夫です。
こうやってみると、やることが多いように思えますが、大学側がかなり丁寧に教え、何度も何度も反復します。ですので普通に授業に出ていれば絶対に落ちません。
多少頭が真っ白になって間違えたり、時間内に終わらなかったとしても大丈夫です。それくらいじゃ落ちません。
全く対策していない、もしくはサイコパスでなければOSCEは合格します!
ですので試験会場の雰囲気にのまれることなく、いつも通りにやれば大丈夫です。多少のミスはみんなするので問題ありません。
・OSCEは実地試験で様々なことを試される。
・医療面接では共感すること、飼い主に寄り添うことが試される。
・その他実技は、間違っても、最悪時間内に終わらなくても大丈夫!
・てかOSCEは普通に生きてれば落ちない!!
最後に
獣医学共用試験は、正直あまり記憶に残らないくらいヌルっと終わってしまいました。だからそんなに気負わず、普通にやれば大丈夫です。
期限内に受験料を払い、授業にちゃんと出席して、流れに乗っとけば大丈夫です!本番は共用試験が終わってからですよ!!そこからの実習が大変ですから!
それにCBTの対策って、国試にもいろいろ役立つからメリットもあるんです!だから頑張ってくださいね。
では!